朝のめまいは“血圧サイン”?放置すると怖い循環器系トラブル。立ちくらみと高血圧・低血圧の見極め方

朝のめまいは“血圧サイン”?放置すると怖い循環器系トラブル。立ちくらみと高血圧・低血圧の見極め方
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甲斐沼 孟
甲斐沼 孟
2025-10-04

朝、布団からムクっと起き上がった瞬間に、ぐらっと視界が揺れる。「え、まだ寝ぼけているだけ?」なんて思いながら、そのまま準備を始めてしまうこと、ありませんか。実はこの“朝のめまい”、単なる寝不足や疲れのせいじゃないかもしれません。特に毎日のように起きるとか、立ち上がるたびにクラッとする場合は要注意。そのめまいは、体が「ちょっと血圧が乱れているよ!」と教えてくれているサインかもしれません。

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朝のめまいは“血圧サイン”かも?放置すると怖い循環器系トラブル

血圧というのは、簡単にいえば心臓が全身に血液を送るときの勢いのこと。

水道の蛇口をひねると水が勢いよく出ますよね。

血液も同じで、その勢いが強すぎても弱すぎても体にとっては問題です。

実は、朝は血圧が乱れやすい時間帯でもあります。

寝ている間は体もリラックスモードで血圧は低めに安定していますが、目が覚めると自律神経が一気に切り替わり、血圧がグンと上がります。

この切り替えがスムーズにいかないと、ふらつきやめまい、頭痛といった症状が出やすくなるわけです。

特に怖いのは「高血圧」と「低血圧」。

どちらも「血圧の乱れ」には変わりありませんが、症状やリスクはまったく違います。

高血圧は、血管が常に強い圧力を受けている状態です。
これを放置していると、知らないうちに血管が傷んで、脳梗塞や心筋梗塞といった命に関わる病気につながることもあります。

低血圧は、血液が十分に脳まで届かないため、ふらつきや失神の原因になります。
特に立ち上がったときに起きる「起立性低血圧」は、転倒によるケガにもつながるので油断できません。

つまり、朝のめまいは「ただの寝起きの不調」ではなく、血圧が乱れているという体からのSOSかもしれないんです。

これを見逃さずに気づくことが、将来の大きな病気を防ぐカギになります。

立ちくらみと高血圧・低血圧の見極めポイント

めまいや立ちくらみといっても、原因はいろいろあります。

その中でも血圧が関係している場合は、「高血圧タイプ」なのか「低血圧タイプ」なのかを見極めることが大切です。

それぞれの特徴をわかりやすくまとめてみます。

血圧
イラスト/Adobe Stock

高血圧タイプ

高血圧は、心臓が強い力で血液を送り出しているため、血管に常に大きな負担がかかっています。

特に朝は交感神経が活発になりやすく、血圧が急上昇するタイミング。

このときに起こりやすい症状がこちらです。

  • 朝起きたときに頭がズキズキ痛む
  • 肩こりや耳鳴りがひどい
  • 顔が赤くなりやすい
  • 家庭用血圧計で測ると、朝だけ数値が高め(上が140以上、下が90以上)

高血圧によるめまいは、いわゆる「ふらふら」というよりも、頭が締め付けられるような痛みや重だるさが一緒に出ることが多いのが特徴です。

長く放置すると、動脈硬化が進んでしまい、脳や心臓に深刻なトラブルを招きかねません。

低血圧タイプ

一方で低血圧は、血液を送り出す力が弱いため、脳までしっかり血液が届かない状態。

立ち上がったときに急に血圧が下がる「起立性低血圧」が代表的です。

  1. 起き上がる瞬間にクラッとする
  2. 視界が一瞬真っ暗になったり、白くチカチカする
  3. 酷いときは実際に倒れてしまう
  4. 朝が特につらく、日中もなんとなくだるい

夏場やお風呂上がりなど、体温が上がったときはさらに血圧が下がりやすくなるため、症状が強く出ることもあります。

見分けるためのコツ

自分のめまいがどちらタイプなのかを見極める一番の方法は、血圧を測ることです。

家庭用の血圧計でOKです。

朝起きてすぐと夜寝る前、この2回を習慣にすると、血圧のパターンが見えてきます。

✅朝だけ血圧が高くなる「朝高血圧」かも

✅立ち上がるときに血圧が急に下がる起立性低血圧の可能性

✅ずっと高いまま生活習慣病が進んでいるサイン

記録をつけておけば、病院で相談するときに説明がスムーズになります。

もし数値が極端に上下している、または症状が強い場合は、早めに医療機関へ行きましょう。

まとめ

朝のめまいは、ちょっとした疲れや寝不足のせいだと思ってしまいがちです。

でも、毎日続く・立ち上がるたびにクラッとする・朝だけ強く出るといった場合は、血圧の乱れが隠れているかもしれません。

●朝に頭痛や肩こり、血圧が高い → 高血圧タイプの可能性

●立ち上がると目の前が暗くなる、倒れそうになる → 低血圧タイプの可能性

まずは血圧を測って、自分の体の“クセ”を知ることが第一歩です。

記録をつけておけば、病院での診察にも役立ちます。

めまいは体からの小さなSOS。

その声を無視せず、ちょっと立ち止まって耳を傾けてみましょう。

毎朝の2〜3分の血圧チェックが、未来の健康を守る大きな一歩になるかもしれません。

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

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