自律神経が乱れているときに出やすいサインとは?医師が解説

自律神経が乱れているときに出やすいサインとは?医師が解説
Adobe Stock
甲斐沼 孟
甲斐沼 孟
2025-09-12

最近、「なんだか調子が出ないな…」「疲れが取れないし、眠りも浅い気がする」と感じたことはありませんか?それはもしかしたら自律神経の乱れが関係しているかもしれません。 自律神経が乱れているときに出やすいサインや、その対処法について医師が解説します。

広告

自律神経が乱れているサインとは?

自律神経は、体のいろいろな機能を自動でコントロールしてくれている大切なシステムです。

たとえば、心臓を動かしたり、呼吸や体温を整えたり、消化をサポートしたり、と、まさに縁の下の力持ちです。

でも、ストレスや生活習慣の乱れが続くと、この自律神経がバランスを崩してしまうことがあります。そうなると、体や心にさまざまな不調が出てくるのです。

自律神経の乱れは、目に見えない分、気づきにくいものですが、体はちゃんとサインを出してくれています。

ここではよくあるサインを紹介していきます。

眠りが浅い・寝ても疲れが取れない

「寝ているのに、全然スッキリしない…」そんなときは要注意。

自律神経が乱れると、リラックスを担当している“副交感神経”がうまく働かなくなり、眠りが浅くなりやすいです。

眠り
image/Adobe Stock

夜中に何度も目が覚める、夢をよく見る、寝起きが悪いといった症状が続くなら、体からのサインかもしれません。

手足が冷える、汗をかきやすい

冷え性だと思っていたら、実は自律神経が関係しているケースも。

自律神経は体温調節も担っているので、バランスが崩れると「寒くないのに手足が冷たい」「汗が止まらない」などの症状が出やすくなります。

「夏なのに手足が冷たい」、そんなときはちょっと気をつけてみてください。

胃腸の調子がイマイチ

自律神経は消化活動にも深く関わっています。

ストレスで胃が痛くなったり、お腹がゴロゴロした経験がある方も多いはず。

これは、自律神経のバランスが乱れ、胃腸がうまく働かなくなっているサインです。

便秘や下痢を繰り返す、食欲がわかないといった症状も関連していることがあります。

気分が落ち込みやすい、イライラする

心の状態も、自律神経と大きく関係しています。

交感神経が優位になりすぎると、気持ちが落ち着かず、常にソワソワしたり、イライラしがちに。

逆に副交感神経が働きすぎても、やる気が出ずに落ち込んだ気分が続いてしまうことがあります。

めまい、頭痛、肩こり

肩こりや頭痛、めまいなども、自律神経が乱れているサインのひとつです。

ストレスや緊張が続くと筋肉が固くなり、血流が悪くなるため、こういった症状が出やすくなります。

「マッサージしてもすぐ戻っちゃう」という場合は、根本に自律神経の乱れが隠れている可能性があります。

自律神経が乱れている時の対処法とは

自律神経が乱れているときは、まず生活習慣を整えることが基本です。

ここでは、無理なく取り入れられる方法をご紹介します。

1. 睡眠リズムを整える

自律神経を回復させるには、質の良い睡眠が欠かせません。

寝る時間と起きる時間をできるだけ毎日同じにすることで、体内時計が整いやすくなります。

また、寝る前はスマホを見ない、明るい照明を避けるなど、リラックスできる環境を作るのもポイントです。

2. 深呼吸やストレッチでリラックス

ストレスがたまると交感神経が優位になりやすいので、意識的に副交感神経を働かせる工夫をしましょう。

おすすめは、深呼吸や軽いストレッチです。

ゆっくり息を吸って、倍くらいの時間をかけて吐き出す呼吸法は、気持ちを落ち着かせるのに効果的です。

3. 食事は「バランス重視」で

偏った食生活は、自律神経にも負担をかけます。

特に、ビタミンB群やマグネシウムなどは神経の働きをサポートする栄養素。

玄米、魚、ナッツ類、緑黄色野菜などをバランスよく取り入れましょう。

「完璧に健康食を目指す!」と気合を入れるより、「ちょっとずつ整えていく」くらいが続けやすいです。

4. 運動は無理なく続けられるものを

軽い運動は、自律神経を整えるのにとても効果的。

ウォーキングやヨガなど、息が上がらない程度の運動を習慣にしてみましょう。

ポイントは「がんばりすぎないこと」。ハードな運動は逆にストレスになり、交感神経を刺激してしまいます。

5. 自分をいたわる時間を作る

ストレスは自律神経を乱す大きな原因です。

忙しい毎日の中でも、自分がホッとできる時間を意識的に作りましょう。

読書や音楽、温かいお風呂など、なんでもOKです。

「これをしているときは落ち着くなぁ」という時間を持つことが大切です。

まとめ

自律神経の乱れは、体や心にいろんな形でサインとして現れます。

眠りの質が悪い、手足が冷える、気分が落ち込みやすい・・・。こういった症状が続くときは、体が「ちょっと休んでよ!」と訴えているのかもしれません。

まずは睡眠、食事、運動といった生活習慣を見直し、自分を労わる時間を作ることが大切です。

もしセルフケアをしても改善しない場合は、早めに医療機関を受診してみてください。

自律神経は目に見えない存在ですが、私たちの体と心を支えてくれる大切なパートナー。

自分の体からの小さなサインを見逃さず、バランスを取り戻すことが、元気な毎日への第一歩です。

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

広告

RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

眠り