PMSや更年期の「甘いもの食べたい」欲の暴走を抑える鍵は〈米麹〉?管理栄養士おすすめ甘酒味噌ラテ

PMSや更年期の「甘いもの食べたい」欲の暴走を抑える鍵は〈米麹〉?管理栄養士おすすめ甘酒味噌ラテ
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松田 真紀
松田 真紀
2025-07-05

四季がなくなり「二季」になったという日本。ー 地球温暖化に伴う異常気象に伴い、私たちの自律神経はただでさえ日々乱れやすくなっています。生理前や更年期女性はいつもに増して「無性に甘いものが食べたい」というストレスからくる食欲を感じてもおかしくありません。 女性ホルモンの乱れは誰にでもあるものです。 そして、上手に付き合っていくしかありません。できれば一時的な対処療法ではなく、緩やかでも確実な体質改善をしたいですよね。 そんな時に助けてくれるのが、米由来の”こうじ菌”を使った味噌、醤油、日本酒、甘酒、、など身近な発酵食です。

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ストレス過多や生理中は「甘いもの」が欲しくなるのはなぜ?

PMSや更年期のイライラ。その不安定な感情を落ち着けるために、無性に甘いものが食べたくなることはありませんか?これは、糖質を摂取した際に血糖値が上昇し、脳が一時的に安心感や幸福感を得ることと関係しています。甘いものを食べてホッとした経験を脳が記憶しているため、ストレスやホルモンバランスが乱れる時期に「また食べたい」と感じるのです。また、黄体期(生理前の時期)は、妊娠に備えて体が栄養を蓄えようとする時期でもあり、自然と食欲が高まりやすくなります。

ストレスホルモン「コルチゾール」が増えると、食欲のブレーキが効きづらくなる?

ストレスがかかると、コルチゾールというホルモンが分泌されます。このコルチゾールが長期間高い状態にあると、食欲を抑制する役割のあるホルモン「レプチン」の働きが鈍くなりやすい(=レプチン抵抗性)と考えられています。

「レプチン」はギリシャ語で「痩せる」という意味の「leptos」か語源。脂肪細胞から分泌されるレプチンは、満腹中枢に「もうお腹いっぱいだよ」と伝えるホルモン。本来は体脂肪の量に応じて分泌され、体重の調整を助ける働きがあります。ところがストレス状態が続くと、いくらレプチンが分泌されていても、脳がそのサインを受け取れなくなり、「もっと食べたい」という信号が止まらなくなってしまうのです。

「貧血」や「低血糖」も食欲の暴走を招く原因に

貧血
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「貧血」や「低血糖」になりやすい体調も、実は食欲が乱れやすくなる一因です。これらは、脳や体が“エネルギー不足”と判断し、過剰に食べ物を求める状態につながってしまうのです。

慢性的な貧血は、体内の酸素供給が滞ることでエネルギー代謝が低下しやすく、それによって「低血糖」を引き起こしやすくなります。特に冷え性の女性が極端なダイエットを行うと、血糖値が下がりすぎて、めまいや強い空腹感に襲われることもあります。

このような“低血糖状態”になると、体は危機感を覚え、「すぐに血糖値を上げて!」と強いサインを出します。その結果、脳の報酬系が刺激されて、甘いものや脂質の多いものを強く欲するようになってしまうのです。

また、冷え性の女性に多い「低体温」や「代謝の低下」も、こうした食欲の乱れを加速させやすい傾向にあります。すると、体はできるだけ早くエネルギーと快楽を得ようと、血糖値が急上昇しやすい食べ物を求めてしまいます。

甘いものの中でも、普段ならあまり手を出さないような人工甘味料入りのお菓子や、脂質たっぷりのジャンクなスナック菓子に、なぜか無性に手が伸びてしまう…。そんな経験、ありませんか?

たしかに、ジャンクなお菓子を食べると一瞬は満足感が得られますが、その後に血糖値が急降下すると、結局またイライラや不安定な気分に逆戻り。負のスパイラルに陥ってしまいます。

だからこそ、この衝動をなるべく抑えるケアが必要なのです。

では、具体的にはどうすればよいのでしょうか?

「レプチン」の暴走を抑える”根本的ケア”は「腸内環境」を整えること

“脳腸相関”という言葉を、すでにご存じの方も多いかもしれません。
実は、腸内環境が整うことで、ホルモンバランスやメンタルの安定にも好影響を与えることがわかってきています。

腸内が整えば、ストレスホルモンである「コルチゾール」の分泌が抑えられやすくなり、食欲をコントロールする「レプチン」の働きも本来の状態に近づくといわれています。
また、「幸せホルモン」とも呼ばれる「セロトニン」も、その約90%が腸内でつくられており、腸内環境の良し悪しがその分泌に大きく関わっているのです。

PMSや更年期など、ホルモンバランスが乱れやすい時期は、腸の調子も不安定になりがち。これがさらに食欲や感情の波を大きくしてしまう原因のひとつと考えられています。

そんな腸内環境を整えてくれる代表格が、「発酵食」です。

日本の代表的な発酵食”米麹”を使った、「味噌」「甘酒」をお薦めする理由

発酵食が腸内環境を整えるのに良いことは、もう言うまでもないかもしれません。
なかでもおすすめなのが、“米麹”を使った味噌や甘酒です。

米麹には、旨味成分である「アミノ酸」が豊富に含まれており、これらが満足感を高めてくれることで、自然と食欲も穏やかになります。
さらに、米麹特有のやさしい甘みには「フラクトオリゴ糖」が含まれていて、腸内の善玉菌のエサとなると同時に、血糖値を緩やかに上げてくれる糖質でもあるため、「甘いものが欲しい」という気持ちも優しく満たしてくれます。

また、米麹には「GABA(ギャバ)」という成分も含まれています。これはリラックスを促す神経伝達物質で、自律神経のバランスを整え、ストレスホルモン「コルチゾール」の過剰分泌を抑える作用があるといわれています。

その結果、間接的にセロトニンの分泌環境も整い、心が落ち着くというわけです。

味噌汁や甘酒を飲んだときに「ホッとする」と感じるのは、こうした成分たちの働きのおかげかもしれませんね。

味噌汁よりもハードルの低い「甘酒味噌ラテ」がお薦め。

とはいえ、「味噌汁を毎日つくるのはちょっと大変…」という声もよく聞きます。
出汁をとったり、具材を用意したりと、伝統食ならではの“見えないハードル”を感じる方も少なくありません。

そんな方にぜひ試してほしいのが、カフェラテ感覚で飲める「甘酒味噌ソイラテ」。

お椀もお箸も不要。いつものマグカップとスプーン、そして電子レンジがあればOKです!

作り方

マグカップに

・豆乳
お好みの味噌(ティースプーン1杯)

甘酒(お好み)

を全て入れ、レンジで加熱し、70〜80度くらいに温めます。
少しくらい味噌が残っていてもOK。かき混ぜながら飲みましょう。

コーヒーブレイクにいつものソイラテを置き換えてみて。

味噌や甘酒はタンパク質が発酵によって分解され、消化しやすいアミノ酸の形で摂取できるので胃腸に負担がかかりません。甘酒が優しい甘さをプラス。豆乳はアーモンドミルクなどに変えてもOK。腹持ちも抜群です。ぜひお試しください。

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