30代後半、体力低下に頭痛やめまい... これってプレ更年期?!#毒出し保健室


アーユルヴェーダの中で大切にされている考え方をシンプルに言うと、"体に毒を溜めない/毒を排出する"という『毒出し』。「大きな声ではちょっと言えない」「身近な存在の人には知られたくない」と言った悩み事を抱えていませんか? 体調や心の悩み、人間関係やら恋愛、夫婦やパートナー間のあれこれまで、皆さまの悩ませている毒を溜めずに排出するべく、アーユルヴェーダアドバイザー/ヨガ講師の桑子麻衣子がアーユルヴェーダとヨガの智慧をベースにお悩みに答えます!
今回、「毒出し保健室」を訪れてくれたのは、原因不明の不調にお悩みのKさん(39歳)です。「数ヶ月前から、体力低下が気になるようになってきました。それに、頭痛やめまいもあって。気になって調べてみた所、プレ更年期に当てはまるのでは?と思っています」と話します。プレ更年期とは、閉経に近づき月経周期が不規則になる期間。心身ともに再構築の時期だと、アーユルヴェーダでは考えられます。今回は、プレ更年期のセルフケアについてアドバイスさせていただきました。
「30代後半、プレ更年期のセルフケアが知りたい!」
桑子: こんにちは!今日はどういったお悩みでしょうか?
Kさん: ここ最近、何となく不調がいくつも重なっていて…。
桑子: いつ頃から、どういった不調がはじまりましたか?
Kさん: 数ヶ月前から、体力低下が気になるようになりました。特にこれといった生活習慣が変わったわけでもないのに急にです。それに、頭痛やめまいもあります。特に生理前はひどいですね。PMSの一種なのかなとも思っているんですが…気になって調べてみたところ、プレ更年期に当てはまるのでは?と思っています。今、39歳なので、そろそろそういう時期かと。これまで若さでなんとかなっていたけれど無理がきかなくなってくることも増えてくると思っています。なので、プレ更年期のセルフケアが知りたいです。
桑子: 分かりました。体力低下、頭痛、めまいの他、気になる症状はありますか?
Kさん: 生理前は、夜中に何度も起きてしまうことがあります。あとは、不安になりやすかったりします。外出時に、「鍵を閉めていないかも」など、急に不安になったりするんです。
桑子: 月経周期は規則的ですか?
Kさん: 大きく乱れることはありませんが、月経量が減ってきたという実感はあります。
プレ更年期から更年期にかけて気をつけることとは…?
プレ更年期は閉経前の移行期。個人差はありますが、30代後半から40代から50代の間に経験される方が多いようです。この時期は、体内のホルモンレベルの変動に満ちています。加齢に伴い、卵巣から分泌されるエストロゲン(女性ホルモン)の量が減り始めます。これが、更年期の女性の体に多くの変化をもたらす主な原因のひとつと考えられています。
アーユルヴェーダでは、加齢するに従って、私たちの心身を構成するヴァータと呼ばれるエネルギーが増加すると考えられています。ヴァータの主な特徴は、乾燥性や冷性です。この要素が強すぎるとお肌の乾燥や、体の内側を乾燥させ便秘などを招くことがあったり、極度に体が冷えてしまうことも。また、心の空虚感や焦燥感などにつながることもあります。
Kさんがお悩みの体力低下や、頭痛めまい、睡眠の質の低下、不安感などもヴァータが強くなっているサインとして、アーユルヴェーダでは考えられると思います。
先述した通り、年齢を重ねるごとに、ヴァータが強くなるのは一般的な傾向としてあります。つまり、言い換えると、ヴァータをコントロールしてバランスを整えるというのが、今回のプレ更年期に対するセルフケア方法としてご提案できるものではないかと考えます。
アーユルヴェーダ的プレ更年期セルフケア
規則正しい生活と休息
先程、ヴァータには乾燥性や冷性の特徴がある、とお伝えしましたが、もう一つ。実は、不規則生のエネルギーも強まることが特徴にあります。食べすぎてしまったり、食べなさすぎてしまったり、睡眠時間がバラバラだったり、あるいは気分にムラが出てくるのもヴァータの仕業と考えられます。つまり、意識的に規則正しい生活を送ることが大切。
特に、プレ更年期以降は、充分な休息を意識的にとるようにするのが◎。特に不調を感じている時は、仕事や家事をセーブして、ゆとりを持つようにすると良いと思います。「そうできるなら、そうしている」という声が聞こえてきそうですが、例えば、仕事や家事の合間などに、こまめに休憩を取るなどしてみて下さい。その時、ご褒美としてアロマスプレーをプシュッとすると、心の余裕ができてりするのでおすすめです。
ヴァータを鎮静する食事
何度も言いますが、ヴァータは乾燥性と冷性が特徴です。そして、そのヴァータというエネルギーは何からできてるかと言うと、その一つはお食事です。英語に””You are what you eat”(「あなたはあなたが食べたものでできている」「健康は食べ物で決まる」)ということわざがありますが、まさにその通り。ヴァータを強めるのも弱めるのも、バランスをとるのも、食べ物はかなり重要な要素になるわけです。乾燥性と冷性を過剰にならないようにしたいので、ポイントはたった2つ。温かく適度に油分のあるお食事をとることが◎。揚げ物のような消化に負担のかかるものではなく、野菜や消化に優しいたんぱく質を加えたスープなどに、上質なオイルを数滴垂らしてもるのもおすすめです。
スムーズで安定した運動の習慣化
運動を習慣化することも大切。体だけでなく、プレ更年期以降に起こりやすい、不安感や焦燥感、イライラ感の緩和に役立ちます。スムーズで安定した軽い運動は、ヴァータを鎮めるのに役立ちますので、ウォーキングなどがおすすめ。その他、ヨガや瞑想も心身を安定させるのに役立ちます。
いかがでしたか?今回は、プレ更年期の症状としてよく見られるヴァータの鎮静を中心にご紹介させていただきました。一方で、プレ更年期から更年期にかけて見られる症状の原因として、ピッタやカファといった別のエネルギーの増大が見られるケースもありますので、注意が必要です。また、最初に述べたように、心身ともに再構築の時期だと、アーユルヴェーダでは考えられます。年齢とともに、心身が変化していくことは自然なこと。ご自身の体の声に耳を傾けていくことで、健やかなプレ更年期から更年期へ移行できるのではないでしょうか。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く