「35歳を過ぎてしんどい日が増えた」疲れやすさは〇〇の調子を整えると改善する? #毒出し保健室


アーユルヴェーダの中で大切にされている考え方をシンプルに言うと、"体に毒を溜めない/毒を排出する"という『毒出し』。「大きな声ではちょっと言えない」「身近な存在の人には知られたくない」と言った悩み事を抱えていませんか? 体調や心の悩み、人間関係やら恋愛、夫婦やパートナー間のあれこれまで、皆さまの悩ませている毒を溜めずに排出するべく、アーユルヴェーダアドバイザー/ヨガ講師の桑子麻衣子がアーユルヴェーダとヨガの智慧をベースにお悩みに答えます!
「すぐ疲れてしまいます。年のせいでしょうか?」
今回、「毒出し保健室」を訪れてくれたのは、体力不足にお悩みのNさん(36歳)です。「35歳を過ぎたあたりから、しんどい日が増えました。頑張りたいけれど、体がついてこないんです」と話します。お話をお伺いしてみると、疲労以外に気になる症状が浮かび上がってきました。
桑子: こんにちは!本日はどのようなお悩みでしょうか?
Nさん: 体力不足に悩んでいます。
桑子: ここ最近ですか?それとも昔からでしょうか?
Nさん:昔から疲れることはよくありましたが、気持ちでどうにか乗り越えられてきました。けれど、35歳を過ぎたあたりから、しんどい日が増えました。頑張りたいけれど、体がついてこないんです。これって、やはり年のせいでしょうか?
桑子: 年齢を重ねることで、疲れやすくなる方はとても多いですが、それ以外にも原因があるかもしれません。例えば、胃腸の調子が悪いと感じることはありませんか?
Nさん: 昔から便秘になりやすい体質なんですが、ここ最近も便通は悪いですね。2-3日に1回出ればいいかな、というように。
桑子: 冷えや乾燥が気になることはありますか?
Nさん: 冷え性です。冬の時期は、乾燥も気になります。ボディークリームを塗っても、カサカサです。
桑子: 食生活について教えて下さい。どんなものをよく食べますか?
Nさん: 朝はパン派です。昼は、サンドイッチやおにぎりを作って会社で食べます。夜は、晩酌をしたいので、お酒とおつまみっぽいものを作って食べています。
桑子: 睡眠の質はどうでしょうか?
Nさん: もう疲れているのでベッドに入ってすぐに寝れるんですが、夜中に目が覚めることが多いです。
桑子: 運動習慣はありますか?
Nさん: 運動はしていません。平日は、仕事でクタクタなので絶対に無理です。夕方にはフラフラ。シャワーをあびるのがやっとです。土日は、体力を回復するために、家でゆっくりしています。それでも、疲れが取れないということの方が多いのですが…
加齢だけじゃない!疲れやすい原因とは?
「頑張りたいけれど、体がついてこない」というのは辛いですよね。お気持ちよく分かります。私も、ちょうど34,5歳の頃に「体力が落ちたな」と感じた時期があり、とても落ち込みました。38歳になった現在は、その頃に比べると疲れづらく体力が回復したような気がします。
さて、Nさんがお考えのように、年を重ねていくと、確実に体力は衰えていくものだと思います。一方で経験的に、私は体力不足の原因は一概に加齢によるものだけではないと思っています。例えば、栄養不足、運動不足、あるいはストレス過多など。また、疲れやすい方がよく抱えているのが、胃腸の調子が悪い、という症状。胃腸の働きを簡単に言うと、食べ物を消化して栄養を取り込み、老廃物を排泄するというものです。一方で、胃腸の調子が悪くなると、胃もたれ、下痢、便秘といった不調を引き起こしやすくなります。加えて、食べ物の消化や吸収が十分に行えなくなり、エネルギーが不足して、全身のだるさや倦怠感を感じることがあるんです。
アーユルヴェーダ的な考え方では、疲労感や胃腸機能低下は、ヴァータというエネルギーが優位になっていると考えられます。ヴァータとは、アーユルヴェーダにおいて私たちの体を構成する要素の一つとして考えられているものです。このヴァータが増えると便秘や疲労感を引き起こすと考えられています。ヴァータが増えてしまう原因として代表的なものは、冷えや乾燥、睡眠不足、あるいはストレスなどがあります。
胃腸の調子を整えて体力不足を改善
胃腸に優しい食事
胃腸に負担のかからない食事法を心がけるようにすると◎。例えば、温かいスープや煮込み料理、鍋料理、甘い果物などがおすすめです。また、生野菜よりも温野菜、パンよりもお米がGoodチョイス。お粥やリゾットなど、胃腸を温める食事が良いです。
また、食べすぎ・食べなさすぎにも注意が必要。よく噛んで、腹八分目を意識すると、お腹もスッキリします。
適度な運動
疲れていると、つい横になりたくなるものです。一方で、動かなさすぎることが疲労を増長させることも。適度な運動は、胃腸の調子を整えてくれます。また、ストレス発散にも役立ちます。まずは、寝る前に簡単にストレッチやヨガからはじめるのがおすすめ。就寝前の運動は睡眠の質を改善してくれます。就寝時に腸は動きますので、翌朝の便通に変化が見られることも期待できるかもしれません。ただし、激しい運動はNG。リラックスできる軽い運動をトライしてみて下さいね。
オイルマッサージとお風呂
アーユルヴェーダでおすすめしているのが、セルフオイルマッサージ。上質なオイルを使うことで乾燥を軽減することができますし、リラックス効果も期待でき、胃腸の調子を整える効果も期待大。胃腸はストレスに弱いので、なるべくリラックスできる時間を作ることが◎。オイルは、マッサージ用の白ごまオイルがおすすめです。強くなっているヴァータを鎮める効果が期待できます。夜の入浴前に行うと、心と体をリラックスさせ、睡眠の質を向上させることが期待できます。マッサージの方法ですが、おすすめはヘッドマッサージ。
① 500円玉程度の白ごまオイルを手のひらでそっと温めます。
② 白ごまオイルを頭頂にのせ、手の平で頭皮を前後に動かし、オイルを擦り込みます。
③ 指の腹で小さな円を描くように、1)耳の上から頭頂へ、2)後頭部から頭頂へ 、頭皮全体をマッサージしていきます。
④ 10分程度、お休み。
また、マッサージ後の入浴もポイント。体を温め、発汗することで、オイルの吸収を良くしてくれますし、体内の不要な物の排泄を促してくれると考えられているんです。エプソムソルトなど発汗効果が期待できる入浴剤をいれるのもおすすめ。汗とともに、1日の疲れを洗い流してくれます。
いかがでしたか?体力をつけるためには、休息をとりたいですよね。そのために、胃腸の調子を整えることが重要な意味を持ちます。まずは、取り入れられるものからぜひはじめてみて下さい!少しずつ変化が出てきたら嬉しいです。
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