〈脳梗塞〉発症リスクが高い人の特徴は?リスクを減らすために今日からできることは|医師が解説

 〈脳梗塞〉発症リスクが高い人の特徴は?リスクを減らすために今日からできることは|医師が解説
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甲斐沼 孟
甲斐沼 孟
2025-03-15

脳梗塞は発症してから手遅れになる場合もあります。脳梗塞を予防しておく方法について医師が解説します。

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脳梗塞とは一体どのような病気?

脳の血管が血栓などで詰まり血流が悪くなることで、脳血管が細くなって脳細胞に障害が起こって様々な症状を呈する病気が脳梗塞です。

脳梗塞は、いわゆる危険因子を持った方に起こりやすく、その危険因子にはいくつかの要素がありますが、脳梗塞の主なリスクファクターは、「高血圧」です。

脳梗塞は脳の血管が詰まることが原因で起こり、その原疾患でもっとも多いのは高血圧であると考えられています。

一般的には、最高血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上、あるいは最低血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上であれば、「高血圧症」と診断されることからも、最高収縮期血圧が140mmHg以上を上回ったら脳梗塞の発症リスクが高くなります。

脳梗塞を発症させる危険因子の有無をチェックして、ひとつでも危険因子が見つかった人は、食事療法、運動療法、薬物療法などで脳梗塞の発症予防に努める必要があります。

高血圧症は日本において約4000万人以上にも及ぶ国民が罹患しているといわれており、高血圧を制御することによって脳血管障害の発症を抑制することが大いに期待されています。

普段から高血圧を指摘されている方では、塩分を控える、適正体重となるように日々の食生活で腹八分目にする、なるべく歩くようにするなどの工夫が必要であるとともに、血圧降下作用のあるカリウムやカルシウムなどのミネラルを積極的に摂取することが重要です。

脳梗塞リスクが減る飲み物とは

脳梗塞、ひいては高血圧を発症抑制してくれると期待されている飲み物のひとつが、「野菜ジュース」です。

野菜には、生体にとって有用と思われるいろいろな成分が含まれています。

例えば、ほうれん草などの緑葉の野菜や果物の葉酸は、DNAの合成には欠かせない成分ですし、緑黄色野菜に多く含まれるカロテン、柑橘系果実のビタミンC、トマトのリコピンなどは、生体内で発生する活性酸素を消去する抗酸化作用があります。

特に、脳梗塞の発症リスクを減らすキーポイントとなるのは、野菜に豊富に含まれるカリウムと呼ばれる成分です。

カリウム
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主に、カリウムは余分なナトリウム(塩分)を体外に出し、血圧を上昇するのを抑制する働きがあるといわれています。

特に、大量の野菜は生では食べ切れないため、ジュースとして摂取するのが効率的であると考えられます。

また、「牛乳」などの乳製品に含まれるカルシウムなどのミネラルには、血圧を上げる塩分を体から出して、血圧を安定させる効果があるといわれています。

過去の研究で、牛乳と血圧の関係を調べた調査でも、牛乳摂取が多いグループほど血圧が低いという結論が出ていることが知られています。

毎日の牛乳や野菜ジュースの摂取を習慣づけて、高血圧を予防して、脳梗塞の発症リスクを少しでも減らすことができればいいですね。

まとめ

脳梗塞は突然に起こる病気であり、発症してから後悔しても手遅れになる場合もありますので、健常人でも普段から脳梗塞を予防しておく方法を知って身に付けておくことが重要です。

特に、脳梗塞の原因となる高血圧という病気は動脈硬化を進展させます。

高血圧や脳梗塞の発症を少しでも予防するために、高血圧を罹患している場合には疾病の治療を行うとともに、野菜ジュースや牛乳に含まれているミネラルを積極的に摂取して、常日頃の生活習慣を見直すことも大切なポイントとなります。

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

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