【妊娠から2歳までの1,000日間の砂糖の摂取】が成人後の疾患リスクを左右する!?研究が示唆!

 【妊娠から2歳までの1,000日間の砂糖の摂取】が成人後の疾患リスクを左右する!?研究が示唆!
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HIDEMI
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2025-02-11

専門家は、妊娠期間から2歳までの1,000日間は、その後の健康を形作る重要な期間であると考えている。

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受胎(妊娠)からの1,000日間、つまり妊娠期間から2歳までの間に砂糖の摂取量を減らすことで、成人後の慢性疾患リスクを低減できる可能性があることが南カリフォルニア大学、カリフォルニア大学バークレー校、及びカナダのマギル大学の研究により明らかになった。

砂糖の摂取量の増加とその影響

戦時中の食糧不足により、英国では1940年1月に配給制度が開始され、砂糖や肉の入手が制限された。「砂糖の配給制は興味深い自然実験を生み出しました」と、この研究の筆頭著者である、南カリフォルニア大学の経済学者タデヤ・グラクナー氏は語る。研究者は、配給制の終了前後を挟み、長期にわたって追跡調査を行った大規模な医学データベースであるUK Biobankのデータを用い、1951年から1956年の間に生まれたおよそ60,183人の参加者を対象に、砂糖の消費量が大幅に増加したことによる影響を調査した。

砂糖と菓子の配給が1953年に終了すると、英国の成人1人当たりの砂糖の平均摂取量は、その直後に約41グラム(角砂糖10個分)から80グラム(角砂糖20個分)に倍増した。データの分析の結果、受胎してからの1,000日間、砂糖の摂取制限を受けていた子供たちは、成人後に2型糖尿病を発症するリスクが平均35%低く、高血圧を発症するリスクも20%低いことが分かった。また、幼少期に砂糖配給制があった成人は、砂糖配給制がなかった人に比べて、2型糖尿病の発症が4年遅く、高血圧の発症が2年遅かった

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幼少期の砂糖の摂取が生涯影響を与える可能性

また、妊娠期間中に砂糖の制限がある場合だけでも、その子供の成人後の2型糖尿病、高血圧のリスク低減に有意な影響あることがわかり、研究者は、妊娠期および幼少期の砂糖の摂取量を制限することで、甘いものを好む「生涯にわたる嗜好」を低減できる可能性も指摘している。「砂糖を多く摂取する母親の食生活は、胎児プログラミング(妊娠中の母親の栄養状態が子供の成人後の疾患発症リスクに影響を与えるという説)などの要因を通じて、子供の肥満や代謝異常のリスクを高める可能性があります。」とグラクナー氏は述べる。

グラクナー氏は、バースデーケーキやキャンディー、クッキーなどは、適度に楽しむべきご褒美だ、としながらも、「研究によると、ほとんどの人間は甘いものを好みますが、幼少期に大量の砂糖を摂取すると、その嗜好が強まる可能性があります。早い段階で過剰な糖分を減らすことは、子供たちに人生で最高のスタートを切らせるための強力な一歩となります。」と話す。また、「親や保護者の栄養に関する知識を高めることが重要ですが、企業に対しては、より健康的な選択肢を備えたベビーフードの再開発、そして子供向けの甘い食品のマーケティングや価格設定の規制を求めるべきです。」と述べている。

出典

https://newsroom.haas.berkeley.edu/exposure-to-sugar-restrictions-in-utero-and-early-childhood-reduces-risk-of-chronic-disease-study-finds/

https://www.bbc.com/news/articles/c93qlyp42jyo

https://amp.cnn.com/cnn/2024/11/04/health/sugar-reduce-disease-diabetes-wellness

https://www.theguardian.com/society/2024/oct/31/less-sugar-in-first-1000-days-of-life-protects-against-chronic-disease-study-finds

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