【黒いプラスチック製品に発がん性物質が含まれている可能性!】できる対策は?研究結果が示唆
調理用へら、持ち帰り容器、おもちゃなど、黒いプラスチック製の日用品から高レベルの難燃剤が検出された。
新しい研究結果によると、食品用容器、キッチン用品、おもちゃなど、リサイクルされた黒いプラスチックで製造された日用品には、発がん性のある高レベルの難燃性化学物質が含まれていることが明らかになった。研究者らは、テレビやコンピューターの部品など、特定の電子機器の筐体からリサイクルの過程で放出される難燃性化学物質が、汚染物質の発生源となっている可能性があるとみている。
発がんリスクを上げる化学物質
メーカーはプラスチックが燃えるのを防ぐために電気製品や電子製品、特に黒色のプラスチック製品に臭素系難燃剤(BFR)や有機リン系難燃剤(OPFR)を添加している。しかし、過去の研究では、こうした化学物質への高濃度暴露ががんのリスクを高めたり、内分泌系で生成されるホルモンに影響を及ぼす可能性があることが示されている。2024年4月に発表された研究では、血液中の難燃性化学物質のレベルが最も高い人々は、最も低い人々と比較して、がんによる死亡リスクが約300%高いことが示された。
暴露はリサイクルプラスチックから発生する可能性が高い
電子機器の黒いプラスチックは、難燃性を必要としない日用品にリサイクルされて使用されることが多い。研究者らは、キッチン用品、おもちゃ、ヘアアクセサリーを含む、200以上の黒いプラスチック製家庭用品を調査した。結果、分析された製品のうち85%に有毒な難燃性化学物質が含まれていた。
テストした製品中の暴露レベルと特定の健康被害との関連性を証明することはできなかったが、研究の共著者で、環境衛生とその研究を推進する組織Toxic-Free Futureの科学政策マネージャーであるメーガン・リウ氏は「これらのレベルはすべて懸念すべきものであると考えられています。なぜなら、これらは私たちが調理に使用したり、食品が触れたり、子供たちが遊んだりする製品だからです。」と話す。
暴露の可能性
私たちは難燃剤にどのようにさらされる可能性があるのだろうか?難燃剤を含む黒いプラスチック製のへらを直接口に含むと、難燃剤にさらされることになる。また、別の経路として、容器やその他の製品から食品に難燃剤が溶け出す可能性があり、特に脂肪分の多い食品には残留しやすい。リウ氏は、「食品が暴露されているだけでなく、難燃剤は添加されたポリマーに結合していないため、家庭内のほこりや空気中に放出される可能性があります。」と述べている。そして、この研究では黒色のプラスチック製品のみが調査対象となっていることを念頭に置いておきたい。他の色のプラスチックは調査対象となっていないため、他の色のプラスチックにも同程度の難燃剤が含まれている可能性を排除することはできない。黒色のプラスチック製品をできるだけ避けるよう努力することはできるが、その一方で難燃剤は非常に広範囲に広がっているため、完全に避けることは難しいかもしれない。
私たちにできること
Toxic-Free Futureによると、小売業者やブランドは、主要製品から有害化学物質を排除するために、より安全な化学物質の使用方針を導入する傾向が強まっているという。さらにリウ氏は、「政府は、リサイクルプラスチックにおいても、有害なプラスチックと有害添加物の使用を禁止する条約を推進すべきです。」と強く訴える。
そして、私たち消費者にできることを以下のように挙げている。
私たちにできることのリスト
- プラスチック製品を避けることで、有害添加物への暴露を総体的に減らす。
- 製品に有害化学物質を使用しないという明確な方針を持つ企業から購入する。
- 定期的に掃除と換気を行い、空気中に蓄積した可能性のある難燃剤を除去する。定期的に水拭きやモップがけを行うことも効果的である。
出典
https://www.everydayhealth.com/public-health/black-plastic-cookware-may-contain-toxic-chemicals/
AUTHOR
HIDEMI
ヨガ講師 /ヨガ翻訳・通訳者 色、音、言葉が好き。同志社大学国文学科在学中は日本語学を学び、中学生の頃から独自に英語の学びを深める。サロンモデルをしながら、ジュエリーブランド、コスメブランド勤務を経て、2015年よりヨガの指導を始める。外国人講師のWSやTTの通訳、テキスト翻訳等、ヨガ関係の通訳/翻訳業も行う。
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