どこもかしこもこわばって、疲れている人へ。身体をねじってたった1分!全身がゆるむ筋膜リリース法
身体をほぐすには様々な方法がありますが、今回は全身に広がっていて筋肉同士や他の組織を滑らかに動かす役割のある筋膜のこわばりをほぐすコツをご紹介します。
筋膜とは
筋膜(きんまく)とは筋肉や臓器を包み込む薄い結合組織の膜です。全身に広がっており、筋肉同士や他の組織を滑らかに動かす役割を持っています。日常の生活の中で触れている筋膜は、筋肉を包んでいる膜を指していることがほとんどです。筋肉も筋膜も柔軟性を保つことが大切で、硬くなると痛みや動きの制限を引き起こすことがあります。
筋膜はどこにある?
では、筋肉を包む筋膜はどこにあるのでしょうか?
皮膚から深いところを見ていくと、まず表皮といわれる肌の表面があります。表皮は、皮膚の最も外側の層で、主に外部の刺激や細菌から体を守るバリアとして働き、角質層やメラニン色素を含みます。その下には、真皮(しんぴ)と呼ばれる層があり、血管や神経、コラーゲンが豊富で、皮膚の弾力性や強度を保ち、感覚や体温調節をサポートしている層があります。
真皮の下にある皮下組織と呼ばれる層は皮膚の最下層で、脂肪細胞が豊富に含まれています。主な役割は、外部からの衝撃を吸収して体を保護し、エネルギーを蓄えることや、体温を保つ断熱材としても機能します。この一部に筋膜も存在しているといわれています。筋膜は皮膚の下で、皮膚と同じように全身を包む全身スーツのように存在しています。
筋膜リリースとは
筋膜にもさらに層があり、筋肉一つひとつを包む層、いくつかの筋肉をまとめて包んでいる層、さらにその塊を包む層、全身を包む層など複数存在しています。一般的にエクササイズでリリースできると言われている筋膜は、皮膚に近い筋膜(線筋膜、深筋膜等)とされています。(実際どの層までアプローチできているかは個人差があり、特定できるものではありません)。
皮膚の奥にある膜のよじれやこわばりを解きほぐし乱れや癒着を解放していくことを、一般的に筋膜リリースと呼んでいます。
1分で全身が緩む!筋膜リリース
今回は、身体を包む筋膜のつながりの中でらせん構造になっているスパイラルラインという筋膜をストレッチする方法をご紹介します。体幹の回旋に関与する筋膜で、赤ちゃんのハイハイ、歩く、走るなど日常の動作にて使われています。また、野球の投球の動き、サッカーのキックの動きなど、身体をねじって力を発揮する際に使われる筋膜のつながりです。
首から肩甲骨、お腹、脚の前面、裏面から骨盤、背中までと身体全体のつながりがあるため、このラインを緩めると全身が緩みやすくなります。
<やり方>
1)右手をテーブルに置いてバランスをとり、右脚を1歩後ろに引く
2)左腕を天井方向に持ち上げたら、身体を後ろにひねり、左腕を斜め上に持ち上げる。この姿勢を60~90秒、呼吸をしながらキープする。さらに伸びを感じたい場合は、右肘をテーブルにつき体幹の伸びを感じてみる
3)反対側も同じように行う
AUTHOR
伊藤香奈
股関節ヨガインストラクター。会社員歴20年の長年の座り仕事&長時間通勤で、股関節と腰の痛みに悩まされる。解剖学とヨガ・ストレッチ・筋膜リリース・骨格調整などを学び自らの痛みを克服した経験をもとに、オリジナルメソッド「股関節ヨガ」を考案。「立つ・歩く・家事をする・仕事をする」といった日常の動きが楽になるほか、股関節が整うことで、美脚・美尻・むくみ解消・ボディメイクの効果や便秘解消といった女性に嬉しい効果もあると人気が広まっている。
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