仕事や環境の変化、人間関係…心が疲れたときにおすすめしたい食べ物・飲み物5選|管理栄養士が解説
仕事の疲れや環境の変化、人間関係などで知らず知らずのうちにたまっていく心の疲れ。いつも食べている食べ物や飲み物で少しでも対策できたらうれしいですよね。そこでこの記事では、心が疲れたときに取り入れてほしい食べ物や飲み物をご紹介します。
心が疲れたときは「セロトニン」が不足している
セロトニンとは、別名「幸せホルモン」とも言い、脳に入ってくる情報をコントロールすることで感情を穏やかに保ってくれたり精神を安定させる働きがあります。セロトニンが少なくなると感情のコントロールが不安定になり、攻撃性が高まったり不安やうつなどの精神症状を引き起こすといわれています。「なんだか調子が悪い…」という方は、セロトニンが不足しているかもしれませんね。
セロトニンを増やすには「トリプトファン」を取り入れよう!
セロトニンはトリプトファンというアミノ酸を原料として合成されます。トリプトファンは必須アミノ酸と呼ばれ、人間の体では合成できないものなので毎日の食事から取り入れる必要があります。
食べ物から摂取したトリプトファンは日中に脳内でセロトニンに変換され、さらに夜は睡眠や覚醒のリズムを司るメラトニンに変化します。メラトニンがあることで睡眠の質が上がり、心の健康を保つことが可能となります。
心が疲れた時におすすめの食べ物や飲み物
●米(雑穀米)
お米には炭水化物をはじめ、トリプトファンなどのアミノ酸(たんぱく質)や食物繊維も含まれています。特に雑穀米には普段の食事で不足しやすいビタミンやミネラルも摂取できるので、食事のバランスを整えることができますよ。
●チーズ、牛乳、ヨーグルトなどの乳製品
毎日の食事に取り入れやすい乳製品にもトリプトファンが入っています。トリプトファンは生乳より加工されている乳製品の方が多く含まれるため、トリプトファンを積極的に摂取したい方はスキムミルクを取り入れるのがおすすめです。
●豆腐や納豆、味噌などの大豆製品
豆腐や納豆などの大豆製品は、トリプトファンやビタミンB群を豊富に含みます。豆腐の味噌汁やきな粉豆乳など複数の食品を組み合わせることで効率よく摂取することができますよ。さらに大豆製品はメンタルの安定に必要な腸内環境を整えてくれる働きもあります。
●バナナジュース
全体の食品の中ではそこまで多くありませんが、果物の中では特にバナナに多く含まれています。さらにバナナのうれしいところはトリプトファンをセロトニンに変えるために必要なビタミンB6も一緒に摂れること。豆乳やアーモンドミルクなどと一緒にジュースにすることで、飲みやすくトリプトファンを補給することができます。
●アーモンドミルク
アーモンドミルクにはトリプトファンのほかに抗酸化作用のあるビタミンEやカルシウムやマグネシウムなどのミネラルも含まれます。自然な甘みと香ばしい香りで飲みやすく、普段の生活にも取り入れやすいでしょう。
まとめ
心が疲れたときにおすすめのトリプトファンが含まれる食べ物や飲み物をご紹介しました。セロトニンがメラトニンに変化するのは摂取後14〜15時間後と言われているので、なるべく朝食にトリプトファンを豊富に含む食材を取り入れたいところですね。とはいえ、心の健康は食事だけで作ることはできません。バランスのよい食生活を基本に、適度な運動や適切な休養も行いましょう。
参考サイト:e‐ヘルスネット セロトニン
AUTHOR
野口久美子
管理栄養士/調理師。大学卒業後、保育園栄養士と食品開発の仕事を経てフリーに転身。現在は子育てをしながらライターとしてレシピ紹介や栄養に関する分野でコラムを執筆している。
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