長期休暇明けに学校や仕事に行くのが憂鬱な理由とは?心理師が教える、憂鬱なメンタルを立て直す対処法
社会人の皆さんはお盆休みが明け、学生の皆さんは8月末、9月末で夏休みが終わると思います。皆さんは、休み明けはどのような気持ちになりますか?学校や仕事に行くのが憂鬱だという人が多いのではないでしょうか。今回は、連休明けに学校や仕事に行くのが憂鬱な理由と対処法について解説します。
休み明けに憂鬱になるのは、多くの要因が関係している
以下はいくつかの理由を紹介します。
1. 生活リズムの変化
長期休暇中は、普段とは異なる生活リズムで過ごすことが多いです。例えば、遅くまで寝たり、好きな時間に起きたりしていると、休みの終わりが近づいて元の早起きや規則正しい生活に戻らないといけないと感じることで憂鬱な気持ちを引き起こします。
2. 自由からの切り替え
休み中は自由な時間が多く、好きなことを自分のペースで楽しめるため、普段の生活が始まるとその自由が再び制限されるため、不満や不安を感じることがあります。特に、休み中に楽しい経験をたくさんしていると、より一層抵抗感が強くなるでしょう。
3. プレッシャーやストレスの再来
学校や会社には勉強や試験、課題、業務、人間関係など、さまざまなプレッシャーやストレスが伴います。休み中はこれらから距離を取ることができますが、再び向き合わなければならないことがストレスとなり、憂鬱な気持ちを引き起こします。
このように様々な要因が組み合わさって、休み明けは憂鬱になることが多いです。これは誰でも感じるような自然な感情です。自分の気持ちを理解し、対処することで、少しずつ気持ちを立て直すことができます。
休み明けの憂鬱なメンタルを立て直すための対処法
それでは、休み明けの憂鬱なメンタルを立て直すための対処法を説明します。
1. 生活リズムの調整
長い休みの間、夜更かしや昼前後まで寝ている等の「遅寝遅起き」が習慣化していることが多いです。突然通常のリズムに戻ると、体や心に負担がかかることがあります。お盆休みのみで短い場合は仕方ないですが、学生の場合は夏休みが明ける1週間前くらいから、少しずつ早寝早起きを心がけましょう。例えば、毎日15分ずつ早く寝るようにすると、無理なく生活リズムを整えることができます。
2. 小さな目標を設定する
休み明けはやる気を取り戻すのが難しいことがあります。大きな目標を立てると負担になりやすいので、例えば「最初の週は毎日会社や学校に行く」「朝、余裕を持って準備をする」など、小さな目標を立てましょう。一見当たり前のようなことでも、あえて休み明けの目標設定は小さなものにし、それを取り組んだ自分をしっかりと褒めたり労ったりしましょう。
3. ポジティブな気持ちを育てる
学校や会社の中で楽しみなことを探してみましょう。例えば、好きな科目、好きな業務、友達や同僚とのランチの時間、学校の中庭が好き、会社のそばの公園が好きなど、ポジティブなものに焦点を当てるようにしてみましょう。もしくは、学校や会社が終わった後に楽しみなこと、好きなことの時間を用意してもいいです。毎日、一つでも楽しみなことを見つけるように意識してみましょう。
4. リラックス時間を確保する
学校が始まる前日や週末には、自分を甘やかす時間を持つことが大切です。リラックスできるお風呂に入ったり、好きな音楽を聴いたり、趣味に没頭したりして、心身ともにリフレッシュしましょう。また、ヨガや軽いストレッチ、瞑想など、リラックス効果のあるものを取り入れてみましょう。
5. ネガティブな感情も受け入れる
憂鬱や不安な気持ちは自然な感情です。それ「感じないように」「無くそう」と抗ったり否定したりせず、「自分は今こう感じているんだ」と丸ごと受け入れることが大切です。このように自分の感情を認めて受け入れるだけで、心が軽くなることがあります。
6. 自分を思いやる言葉を使う
ネガティブな気持ちが強いときは、自分に優しく思いやるようなコンパッションのある言葉を自分自身に声かけすることが重要です。例えば、「今は少し不安だけど、きっと乗り越えられる」「大丈夫、少しずつ慣れていけばいい」など、自分自身を思いやる言葉を意識して使うと、心が落ち着きやすくなります。
7. サポートを求める
もし不安や憂鬱が強く、一人で対処が難しいと感じる場合は、信頼できる家族や友達、知人に相談してみましょう。誰かに話すことで、気持ちが楽になることがありますし、他の視点からのアドバイスも得られます。また、学校や会社のカウンセラーなど専門家に相談するのも一つの方法です。
休み明けの憂鬱な気持ちが一気に変わることは難しいかもしれません。焦らず、少しずつ慣れていくことを大切にしてください。初日は気分が乗らなくても、数日経てば自然とリズムが戻ることが多いです。無理せず、自分のペースでやってみてください。
AUTHOR
石上友梨
大学・大学院と心理学を学び、心理職公務員として経験を積む中で、身体にもアプローチする方法を取り入れたいと思い、ヨガや瞑想を学ぶため留学。帰国後は、医療機関、教育機関等で発達障害や愛着障害の方を中心に認知行動療法やスキーマ療法等のカウンセリングを行いながら、マインドフルネスやヨガクラスの主催、ライターとして活動している。著書に『仕事・人間関係がラクになる「生きづらさの根っこ」の癒し方: セルフ・コンパッション42のワーク』(大和出版)がある。
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