【解説】ストレスって何?ストレスを感じやすい人にオススメの〈10秒呼吸法〉
現代はストレスがたまりやすいといわれていますが、その「ストレス」とは、どのようなものでしょうか?人によって違うストレスについて、改めて正しく理解していきましょう。そしてストレスを感じた時に、たった10秒で心が落ち着く呼吸法もご紹介します。
ストレスとは?
ストレスが体に不調をきたすというのは、周知の事実。ではそのストレスとは、いったい何なのでしょうか?職場がブラック企業だとか仕事が忙しいという簡単なものではなく、実はストレスを感じる原因は日常にたくさん潜んでいます。
ストレスを感じさせる原因のことを、「ストレス要因(ストレッサー)」と呼びます。これらを整理すると、5つのカテゴリに分けることができます。
① 物理的要因 :温熱、寒冷、痛覚、圧力、光、騒音、振動、放射線等
② 化学的要因 :アルコール、たばこ、薬剤、有害化学物質、環境ホルモン、 化学合成物等
③ 生物的要因 :細菌、ウイルス、カビ、ダニ等
④ 社会的要因 :人間関係、仕事上のトラブル、近親者の死亡、離婚、 引越し等の家庭内の変化等
⑤ 心理的要因 :不安、焦燥、いらだち、怒り、緊張、ゆううつといった情動を起こすもの
また、例えば騒音の激しい場所では物理的な刺激だけではなく、不快感等から心理的にも影響を及ぼすことが起こるように、①~④の物理的・科学的要因・生物的といった環境的な要因や、社会的要因は、⑤の心理的要因になる可能性もあります。複数の要因が絡まって起こるため、ストレッサーを特定し、なくすことはとても困難ともいえるのです。
ストレスを感じるとどうなる?
「嫌われる勇気」の書籍で有名になったアドラー心理学では、「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と説かれていますが、上記のようにストレスの要因は複数あり、それらが絡み合うこともあります。人間がストレスを感じると、ストレスに対する反応は、身体的・心理的・行動的の 3 つの反応で現れます。
① 身体的反応:肩こり、頭痛、不眠、血圧の変化、食欲低下、胃腸症状、不整脈等
② 心理的反応:いらいら、怒り、不安、無気力、焦燥感、感情のコントロールがきかない等
③ 行動的反応:多量飲酒、過食、仕事のミス、遅刻、出社困難、ギャンブル、自傷行為等
日常でもよくあるイライラすると甘いものや辛い物を食べてしまうという行動や、緊張するとお腹が緩くなるという体の反応も、ストレス反応のひとつ。自分がストレスを感じた時にどのような反応が出るかを理解しておくと、ストレスをためすぎる前に対処がしやすくなります。ストレス反応に当てはまることが起きたとき、たまたま今日の気分や調子でそうなっているのかな~と思わず、火種が小さいうちに丁寧に対処していくように心がけましょう。
ストレスを感じた時にすぐできる10秒呼吸
甘いものが食べたくなってるな、とか、不安やイライラが込み上げてきたな、と気づいたときは、いったん落ち着いて呼吸をしてみましょう。ただ呼吸するたけよりもリラックス効果がある10秒呼吸をご紹介します。床にあぐらになるか椅子に座るなど、座って行うことがオススメです。
1)3秒で吸いながら、両手を回し上げて頭の上で両掌を合わせる(目線も上を見る)
2)7秒かけて吐きながら、合掌を胸の前に下ろしてくる(目線も手元に下ろしてくる)
3回やっても30秒。たったこれだけ、と思うかもしれませんが、これだけでも感じていたストレス度に変化を感じることができるでしょう。
▼動画でも動きを見てみよう!
参考資料:厚生労働省「生活指導及びメンタルヘルスケア」
AUTHOR
伊藤香奈
股関節ヨガインストラクター。会社員歴20年の長年の座り仕事&長時間通勤で、股関節と腰の痛みに悩まされる。解剖学とヨガ・ストレッチ・筋膜リリース・骨格調整などを学び自らの痛みを克服した経験をもとに、オリジナルメソッド「股関節ヨガ」を考案。「立つ・歩く・家事をする・仕事をする」といった日常の動きが楽になるほか、股関節が整うことで、美脚・美尻・むくみ解消・ボディメイクの効果や便秘解消といった女性に嬉しい効果もあると人気が広まっている。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く