テレビの視聴が2時間増えるごとに「健康的な老化の可能性」が12%減少!?研究結果が示唆
家事を含む軽い運動でも、健康的な老化の確率が高まることが研究により明らかになった。
ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院、中国とオーストリアの研究機関からなる研究チームは、20年間にわたって45,176人を調査した。その結果、1日のテレビの視聴時間が2時間増えるごとに、健康的な老化の可能性が12%減少することがわかった。対照的に、2時間の軽い運動を加えると、健康的な老化の可能性が6%上がった。健康的な老化とは、精神的健康上の問題、記憶障害、身体的障害、および主要な慢性疾患のない状態で70歳に到達することと定義された。
テレビ視聴の健康への影響
研究チームは、テレビの悪影響のメカニズムとしていくつかの可能性を挙げている。
長時間の座位は、骨格筋の機能、及びミトコンドリアの活性を損なう細胞的・分子的反応を引き起こすという。骨格筋はグルコース代謝において重要な役割を果たすが、座位時間が長すぎると、インスリンに対する感受性が低下し、食後の糖代謝や脂肪代謝が阻害され、炎症が増加し、脳への血流に影響を及ぼすことが明らかになっている。
この研究はまた、テレビ視聴が特に健康に悪影響を与えるというこれまでの調査結果も裏付けている。この研究では、座りっぱなしの仕事、車の運転、家庭での座りっぱなしの活動など、その他の座りっぱなしの行動を代わりにした方が、テレビを見るよりも健康的に老化する確率が高くなることが示された。また、睡眠時間が7時間以下の人は、テレビを見る時間を睡眠時間に置き換えると、健康的に老化する確率が高くなった。
人はこれまでの世代に比べ、生涯を通じて活動的でなくなり、年齢を重ねるにつれてさらに動かなくなる傾向がある。この研究のデータは、この問題の大きさを浮き彫りにしている。
軽い運動でも効果的
幸いなことに、健康的な老化の可能性を高めるには運動計画を立てる必要はなく、ほとんどのどんな軽い活動でも効果がある。
「これらの知見は、さまざまな健康面に恩恵をもたらすための身体活動は、高強度である必要はないことを示している。高齢者は中等度から強度の活動を行う身体能力が限られている傾向があるため、これは公衆衛生上特に重要な意味を持つ。」と著者らは記している。
ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院の疫学部門の医学准教授であるモリン・ワン博士は、「我々が伝えたいことは、テレビの前で過ごす時間を、軽い身体活動や、中程度から強度の身体活動、及び睡眠不足の人に関しては睡眠に置き換えることは、健康的な老化に有益であるということです。」と述べた。
座りっぱなしを解消する方法
オフィスで長時間働いている人は、運動を取り入れるのが難しく感じるかもしれない。
「私が強くお勧めするのは、可能であればスタンディングデスクや、スペースがあればトレッドミルデスクを導入することです。」と循環器専門医アンドリュー・フリーマン博士は言う。それが難しい場合は、頻繁に立ち上がったり、ウォーキング・ミーティングを行ったりするのが効果的だそうだ。(フリーマン博士は今回の研究には関与していない。)
座ることやテレビを見ることを禁止する必要はない。動きながらテレビを見たり、健康的な行動とテレビを組み合わせてみてはどうだろう。さらに良いのは、自分で制限を設けることだ。
「素晴らしいツールやアプリもたくさんあります。スクリーンタイムや活動量を同じデバイス上で記録することができるのです。」とフリーマン博士は話す。
https://edition.cnn.com/2024/06/11/health/sedentary-tv-aging-wellness/index.html
AUTHOR
HIDEMI
ヨガ講師 /ヨガ翻訳・通訳者 色、音、言葉が好き。同志社大学国文学科在学中は日本語学を学び、中学生の頃から独自に英語の学びを深める。サロンモデルをしながら、ジュエリーブランド、コスメブランド勤務を経て、2015年よりヨガの指導を始める。外国人講師のWSやTTの通訳、テキスト翻訳等、ヨガ関係の通訳/翻訳業も行う。
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