〈納豆に刻んだネギ〉定番の組み合わせは理に適っている？ 得られる栄養効果とは｜管理栄養士が解説

納豆のビタミンB1×ネギの硫化アリル

納豆は「ビタミンB1」が豊富に含まれています。

「ビタミンB1」は糖質の代謝を促すビタミンで、ご飯を主食としエネルギーの大半を糖質から得ている日本人には、特に重要な栄養素といわれています。ビタミンB1が不足すると、糖質を効率よくエネルギーに変換できず、乳酸などの疲労物質として体内に残ってしまい、疲れやすくなります。

このビタミンB1を効率よく吸収するのに役立つのが、ネギに含まれる「硫化アリル」です。ネギの辛味成分で、強い抗酸化力をもち、動脈硬化の予防に役立つといわれています。硫化アリルの一種「アリシン」はビタミンB1と結合し「アリチアミン」になることで、血液中に長時間維持されます。維持されることで、ビタミンB1のはたらきが持続し、疲労回復に有効と示唆されています。納豆とネギを一緒に食べることで、糖質の代謝をスムーズにする効果が高まるとされているのです。

納豆のタンパク質×ネギのビタミンC

納豆は「畑の肉」と呼ばれる大豆が原料であるため、良質なたんぱく質が豊富で、糸引き納豆は100gあたりたんぱく質が16.5g含まれています。たんぱく質は、肌や筋肉・髪や爪などからだをつくるために重要な栄養素です。

細胞の接着剤のようなはたらきをする「コラーゲン」は、からだを作るたんぱく質の1/3を占めているといわれており、不足すると肌のうるおいやハリが減少すると示唆されています。コラーゲンの材料はたんぱく質ですが、生成するときに「ビタミンC」が必要です。そこで、ネギに豊富に含まれる「ビタミンC」が役立つのです。

美肌効果を期待している方は、ぜひ納豆とネギの組み合わせを試してみてくださいね。

納豆のビタミンK・イソフラボン×ネギのカルシウム

納豆はビタミンKが豊富で、その量は糸引き納豆100gあたり600μgといわれています。ちなみに蒸し大豆は11μg/100gですので、納豆はビタミンKが非常に多いことがわかります。

ビタミンKは、カルシウムとたんぱく質の結合を高め、骨の形成を高めてカルシウムの流出を抑えることをサポートします。また、納豆には女性ホルモンの構造に似ている「イソフラボン」も含まれており、骨の健康を保つことに役立つといわれています。まさに納豆は「骨の健康維持」をサポートする栄養素が豊富と言えるのですが、これにネギに含まれている「カルシウム」があわさることで、さらに相乗効果が期待できるのです。

定番の組み合わせは美味しいだけでなく栄養価も高い！

納豆とネギは、昔から日本人に慣れ親しんだ組み合わせです。

美味しいだけでなく、実は栄養価も高まり、非常に理にかなった組み合わせということを各々の栄養素とともにご紹介しました。味も栄養価も、そして彩りもよくなる「納豆×ネギ」の組み合わせをぜひ活用して、健康ライフのサポートに役立ててくださいね。

参考：

納豆の健康効果｜全国納豆協同組合連合会納豆PRセンター

食品成分データベース　豆類/だいず/［納豆類］/糸引納豆

野菜の健康機能（２）ネギ、玉ねぎの辛み成分〜硫化アリル〜｜公益社団法人日本農業法人協会

たんぱく質とビタミンCで美肌を｜全薬グループ

ビタミンCが足りないと老化が進む！？｜地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究所

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