「納豆×かつお節」意外と美味しい…だけじゃない。得られる栄養効果とは?管理栄養士が解説

 「納豆×かつお節」意外と美味しい…だけじゃない。得られる栄養効果とは?管理栄養士が解説
canva

世界一かたい食品といわれている「かつお節」が、実は納豆と組み合わせると、うま味が増して美味しいうえに、栄養価も高まるといわれています。 この記事では、納豆とかつお節の組み合わせで得られる美味しさや栄養効果を紹介します。納豆だけでももちろん栄養価は高いのですが、動物性発酵食品である「かつお節」を加えてさらに健康効果を高めましょう!

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納豆とかつお節はどちらも優秀食材

納豆は大豆を原料とした「植物性タンパク質」で、かつお節は鰹をカビの力で発酵させた「動物性タンパク質」です。両方とも高タンパク質、低脂質の発酵食品といった、健康に良い優秀な食材です。

食品中の必須アミノ酸がバランスよく含まれているか数値化されたものを「アミノ酸スコア」といいますが、納豆もかつお節も「100」となっています。つまり、どちらも良質なアミノ酸バランスをもつタンパク質であるといえます。また、魚を原料としたかつお節には「DHA・EPA」という良質な脂質が含まれています。

DHA・EPAは脳の健康に役立ち、LDL(悪玉)コレステロールを下げて動脈硬化を予防する効果が期待できます。かつお節をさらっとふりかけるだけで、良質な脂質も摂取でき、一気に健康効果が高まりますので、ぜひ活用しましょう。

納豆のグルタミン酸×かつお節のイノシン酸でうま味UP!

納豆はうま味成分「グルタミン酸」が豊富に含まれています。

納豆のネバネバの主成分の「ポリグルタミン酸」は、主にグルタミン酸が鎖のように結合したものです。納豆をよくかき混ぜることで、ポリグルタミン酸がグルタミン酸に分離され、うま味が増すといわれています。そして、このグルタミン酸とうま味の相乗効果が発揮される組み合わせが「イノシン酸」と示唆されています。イノシン酸は、肉や魚に多いといわれていますが、特にかつお節に豊富に含まれています。

つまり、納豆とかつお節を一緒に食べることで、うま味の相乗効果が発揮され、より一層美味しく食べることができるのです。

鰹節
photo by canva

納豆のカルシウム×かつお節のビタミンD

糸引き納豆は、100gあたり91mgの「カルシウム」が含まれており、その含有量は牛乳コップ1/2杯分です。

カルシウムは骨の健康のために欠かせない栄養素です。納豆はカルシウムだけでなく、骨へのカルシウムの取り込みを助ける「ビタミンK」も多く含まれており、骨の健康維持をサポートする栄養素が豊富な食材といえます。

そして、納豆とかつお節を一緒に食べることで、かつお節に豊富に含まれている「ビタミンD」も摂取できます。ビタミンDは動物性食品に多く含まれる脂溶性ビタミンで、小腸でカルシウムの吸収を助け、血中カルシウム濃度を高めるはたらきをします。そのことで、強い骨や歯を作るサポートとなるのです。

納豆とかつお節の組み合わせは、骨の健康維持の相乗効果が期待できるのです。

意外な組み合わせは美味しいだけでなく栄養価もアップ!

納豆とかつお節は、植物性と動物性の発酵食品で、それぞれ違ったうま味成分をもつ食材です。

うま味の相乗効果でさらに美味しくなり、各々の豊富な栄養素の組み合わせで、健康のサポートも期待できます。組み合わせることで、味も栄養価もさらによくなる「納豆×かつお節」。ダブルの発酵パワーをぜひ活用して、納豆にかつお節を手軽にプラスして楽しんでくださいね。

 

参考:

一般社団法人全国削節工業協会「削りぶしは栄養の宝庫」

特定非営利活動法人 うま味インフォメーションセンター「うま味を多く含む食品一覧」

全国納豆協同組合連合会納豆PRセンター「納豆の健康効果」

食品成分データベース 豆類/だいず/[納豆類]/糸引き納豆

食品成分データベース 乳類/<牛乳及び乳製品>/(液状乳類)/普通牛乳

e-ヘルスネット「骨粗鬆症の予防のための食生活」

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小玉奈津実

小玉奈津実

管理栄養士。サプリメントの商品開発や外食チェーン店のメニュー開発、老人保健施設での献立作成や栄養価換算などに携わったのち、現在はフリーの管理栄養士として活動中。企業との共同でのサプリメント商品開発、オンラインでの栄養指導、食や健康に関するコラム執筆や監修、ママ向けの宅配弁当の作成など、実績300件以上をもつ。身体を作る「食」の重要性を、わかりやすく丁寧に伝えることが使命と感じている。プライベートでは、3児のママとして毎日育児に奮闘中。



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