納豆にしょうがをちょい足ししたら…おいしいだけじゃない!得られる栄養効果は?管理栄養士が解説
納豆は栄養価が高く、健康や美容に良い成分がたくさん含まれています。また、しょうがも栄養効果が高いことが知られています。今回は、納豆にしょうがを加えることで得られる栄養効果について解説いたします。
しょうがの栄養効果
しょうがは辛味や独特な香り、有益な栄養素を含むことから世界中で広く使用されている食材です。また、その高い薬理活性から漢方薬やサプリメントとしても用いられています。
まずは、しょうがに含まれる栄養効果についてご紹介いたします。
しょうがの持つ独特の辛みと香りは、ジンゲロールやショウガオールという成分によるものです。ショウガオールはジンゲロールを加熱や乾燥することにより生成されます。これらの成分には様々な栄養効果があることが知られています。
血行を促進
ジンゲロールやショウガオールを摂取することで、血管を拡張し血流を良くする血行促進効果が期待できます。
抗酸化作用
しょうがに含まれるジンゲロールには高い抗酸化作用があります。これによって活性酸素により引き起こされる血管の老化や異常細胞の産生を抑えてくれると考えられています。また、がんや高血圧、心疾患など生活習慣病の予防・改善に対しての効果も期待されています。
つわりなど吐き気の軽減
しょうがは吐き気や嘔吐の症状に対して軽減作用があり、妊娠に伴うつわりなどの軽い吐き気や嘔吐に有用である可能性が知られています。これは、しょうがのジンゲロールやショウガオールが消化管の働きを調整し、中枢神経を刺激して吐き気を抑える効果があるためです。
免疫力アップ
ジンゲロールには免疫細胞を活性化させ、免疫力をアップさせる効果があります。また、細菌の増殖を抑える抗菌作用も知られています。
納豆にしょうがはおすすめ!
しょうがと同様に納豆にも健康や美容をサポートする栄養が豊富に含まれています。両方の栄養効果を取り入れることができるため、納豆としょうがはおすすめの組み合わせといえるでしょう。
また、納豆の香りが苦手という方でも、しょうがを加えると納豆の独特な香りがやわらぐので食べやすくなります。
効果的な納豆としょうがの食べ方
効果的な納豆としょうがの食べ方をご紹介いたします。しょうがに含まれるジンゲロールは、空気に触れると酸化により減少してしまうため、食べる直前に生のしょうがをすりおろすのがおすすめです。
また千切りなど空気に触れる面積が少なくなる切り方をすると、ジンゲロールの減少を防ぐことができます。
チューブのしょうがでも栄養効果はある?
チューブのしょうがでも栄養効果は期待できます。しかし、生のしょうがと比べると、酸化などにより栄養効果は下がってしまいます。とはいえ、チューブであれば手軽にしょうがを摂ることができるため、ライフスタイルに合わせて取り入れやすい方を選択していただければと思います。
生と加熱、しょうがの栄養効果はどちらがいい?
生のしょうがに含まれる「ジンゲロール」は血管を拡張し血流を良くすることで、体の中心部の熱を手足などの末端に広げる効果があります。しかし、中心部は熱が奪われるため、体温は少し下がってしまいます。
加熱したしょうがに含まれる「ショウガオール」は、胃腸を刺激することで内側から熱を作り出し血流を良くするため、ジンゲロールと比べて体を温める働きが強いのが特徴です。
冷えを感じやすいという方は、しょうがをフライパンなどで加熱したものを使用する、スープやチャーハンにするなど加熱したしょうがを召し上がるのがおすすめです。
まとめ
しょうがには血行促進や免疫力のアップ、生活習慣病の予防など高い栄養効果があります。
納豆も血液サラサラ効果や抗酸化作用など栄養効果が高いため、両方を組み合わせることで健康的な体づくりのサポートをしてくれます。ぜひ、納豆にしょうがを試してみてはいかがでしょうか。
【参考文献】
農林水産省:しょうがは身体を温める効果があるそうですが、どのような成分が働いているのですか
Ryoiti Kiyama:Nutritional implications of ginger: chemistry, biological activities and signaling pathways, The Journal of Nutritional Biochemistry, 86, 2020
JAグループ:夏の旬野菜 ショウガ
AUTHOR
津端奈緒美
管理栄養士/ライター。大学卒業後、病院の管理栄養士として栄養指導などに従事しながら社会人学生として修士課程を修了し、現在は博士課程を履修中。ライターとして栄養や健康に関する分野で科学的根拠に基づいた記事やコラムを執筆している。
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