黄色い白菜と緑色の白菜、違いは?管理栄養士が教えるおいしい野菜の見分け方&買い物時のチェック項目
冬になると、食卓に登場することが多くなる白菜。カットされた白菜には、断面が黄色いものと緑色のものがありますが、どのような違いがあるかご存じでしょうか?この記事では、日々さまざまな食材を使って料理を作る管理栄養士が、断面が黄色い白菜と緑色の白菜の違いを解説します。これからの季節、購入する機会が増える白菜の見分け方を知り、白菜をおいしく楽しみましょう。
白菜の色による違いとは
冬に旬を迎える白菜は、鍋料理はもちろん、炒め物や和え物などさまざまな料理に活躍する食材ですね。スーパーへ行くと、店頭にカットされた白菜が並んでいますが、断面が黄色いものと緑色のものがあることに気づくでしょう。黄色の白菜と緑色の白菜には、何か違いがあるのでしょうか?
結論からいうと、白菜の色の違いは「鮮度」の差によるものです。
市販されている一般的な白菜の葉は本来、黄色をしています。太陽光による光合成で、外側の葉は緑色に変わりますが、光が当たらない白菜の中心部の葉は黄色のまま変化しません。
ところが収穫後にカットすると、白菜の中心部が光にさらされてしまいます。収穫された白菜もまだ生きており、光合成がおこなわれています。そのためカットした直後は黄色い白菜も、時間が経つと光合成が進み、緑色に変化してしまうのです。
つまり新鮮な白菜の断面は黄色く、時間が経った白菜は緑色になる、といえます。
鮮度のよい白菜を購入したいときは黄色いものをおすすめしますが、緑色の白菜も食べられないわけではありません。ただし若干固くなっているため、煮込み料理や鍋料理に使うとよいでしょう。
黄色い白菜はみずみずしくてやわらかく、甘みがあります。新鮮な白菜は生のまま、サラダにするのがおすすめです。購入してからしばらく使わないときも、新鮮な黄色い白菜を選ぶと比較的長持ちします。
白菜を買うときはここもチェック!
新鮮な白菜を購入したいときは、葉の色のほかにも以下の点を確認しましょう。
・白菜の中心部が盛り上がっていない
・断面が白くてみずみずしい
・葉にハリがある
・葉がみっちり詰まっている
白菜の断面を見て、中心部が盛り上がっているものは、カットされてから時間が経っています。白菜は収穫後も生きており、カットされても成長を続けています。そのため時間が経つと、白菜の中心部が盛り上がってくるのです。
またカットから時間が経過すると、断面が変色して黒ずんできます。葉も乾燥してしおれてくるため、新鮮なカット白菜を購入するときは、断面が白くて葉にはりがあるものを選びましょう。
葉がぎゅっと密集している白菜は、糖度が高い傾向があります。葉が詰まったものを選ぶと、白菜本来の甘みを楽しめるでしょう。
白菜の黒い斑点は病気?
白菜の葉の表面に、黒い斑点が付いていることがありますね。カビや病気なのではないか、食べても大丈夫なのか、気になった人もいるでしょう。
白菜の葉に見られる黒い斑点は、環境によるストレスで生じたポリフェノールです。
ポリフェノールとは、植物の色素や苦味などのもとになる成分のこと。ブルーベリーのアントシアニンや、赤ワインのタンニン、緑茶のカテキンが有名です。そのため白菜の黒い斑点は、食べてもまったく問題ありません。気になる場合は、黒い斑点部分を削ぎ落として料理に使ってくださいね。
黄色い白菜と緑色の白菜は鮮度に違いがありますが、どちらを食べても差し支えはありません。白菜をサラダにして生で食べたいときや、購入してからしばらく食べないときは、黄色い白菜がおすすめです。しっかり煮込む鍋料理などにすると、少し固い緑色の白菜でもおいしく食べられるでしょう。目的に応じて、白菜を選んでみてくださいね。
AUTHOR
いしもとめぐみ
管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。
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