１玉丸ごと買った白菜、長持ちさせるには？黒い斑点は食べられる？旬の白菜、知って得する知識

白菜を少しでも長持ちさせる方法とは

野菜など生鮮食品は、賞味期限（おいしく食べられる期限）の表示がなく、いつまでに食べたらいいのか迷いますよね。買った白菜をおいしく食べるため、まずは鮮度のよい白菜を選ぶことも大切です。これから、白菜の選び方、保存方法のポイントをみていきましょう。

選び方

・ずっしりと重みがある
・切り口は葉が詰まっている
・断面が平らなもの

白菜は収穫後も成長を続けるため、芯は、葉の水分や養分をとっていきます。そのため、芯の周りが盛り上がっていない平らなものが鮮度がいいと判断できます。

保存方法

◆まるごと：新聞紙に包み、冷暗所や野菜室に立てて保存

おいしさをキープするために、水分が抜けるのを防ぐ必要があります。新聞紙は余分な水分を吸収しつつ、水分の蒸発から守ってくれます。また、畑で育った環境に近い状態で保存すると無駄なエネルギーを使わず長持ちできるため、立てて保存することがポイントです。保存期間は、3週間～1ヵ月が目安です。

◆1/4、1/2にカットしたもの：水分をふきとり、ペーパータオルで覆ってから保存袋に入れる。芯を下向きにして野菜室に保存

切り口の黒ずむ原因になる水分をとるため、切り口にペーパータオルをかぶせることがポイントです。1週間を目安に使い切りましょう。

白菜の葉が変色！それは賞味期限切れのサイン

白菜の賞味期限（おいしく食べられる期限）が切れると・・・

・切り口や葉が茶色、黒色になる
・ぬめりや汁がでている
・酸っぱい臭いがする

白菜の切り口の茶色、黒色の変色は、白菜に含まれるポリフェノールの酸化が原因のため、食べても体に影響はありません。ですが、葉が茶色、黒色に変色している場合は、枯れ、傷みによるもの。その部分を取り除いて早めに食べるようにしましょう。一方、ぬめりや汁がでている、酸っぱいに臭いがするときは、菌が繁殖している可能性が高いので食べるのは控えましょう。白菜は、匂いで判断するときには注意が必要です。ツーンとする匂いであれば、ワサビなどに含まれる辛味成分イソシアネートによるもので腐敗臭ではないため、食べても大丈夫です。

白菜に現れる黒い斑点は大丈夫！その正体はうれしいポリフェノール

白菜の表面に小さな黒い斑点があるのを見たことはないでしょうか。実は、この現象は「ゴマ症」といって、変色したポリフェノール（ほぼすべての植物に含まれ、抗酸化などの働きをもつ成分）が集まって黒い斑点にみえているだけのため、食べても害はありません。白菜の他に、小松菜などでも同じ現象がみられます。「ゴマ症」になる原因は、生育中の環境条件のストレスによるもので、品種によってできやすさに違いがあることがわかっています。見た目はよくありませんが、ぜひ捨てずに食べてみてくださいね。

まとめ

白菜の長持ちする保存方法、賞味期限の見分け方などをお伝えしてきました。白菜を腐らせず使い切ることで、食品ロスや食費の削減につながります。おいしいだけでなく、健康や美容に欠かせないビタミンＣなどの栄養素も含む白菜。ぜひ、白菜を使った料理を楽しんでみてはいかかでしょうか。

【参考文献】
1. 社団法人 農山漁村文化協会 . 地域食材大百科 第2巻 野菜 . 2010
2. 島本美由紀 . 野菜保存のアイデア帖 . 株式会社パイインターナショナル .2019
3. 高橋秀雄 . 新・野菜の便利帳 おいしい編 . 高橋書店 . 2019
4. 松本 美枝子 . ハクサイゴマ症発生とその防止法に関する研究-1-ゴマ症発生中の形態及び組織化学的観察 . 園芸学会雑誌 57 巻 .1988, vol.57, no.2, p. 206-214