白菜を冷凍するメリット・デメリット|においや食感の変化をおさえる方法は?管理栄養士がアドバイス
白菜を1玉買い、使いきれず無駄にしてしまったことはありませんか?冷蔵庫に白菜を納めると、ほかの野菜を収納するスペースがなくなってしまうのも困りますね。そんなときは、冷凍保存がおすすめです。この記事では、白菜を冷凍するメリット・デメリット、白菜の冷凍方法をお伝えします。白菜を上手に冷凍して、最後までおいしく使い切りましょう。
白菜を冷凍するメリットとデメリット
冬に旬を迎える白菜はみずみずしくて甘く、手頃な価格で家計の味方といえる食材です。しかし白菜をまるごと1玉購入すると、野菜室のスペースを占領するうえ、量が多く持て余してしまうこともあるでしょう。そこで白菜は、冷凍保存をおすすめします。
白菜を冷凍するメリットは、以下の通りです。
・保存期間が延びる
・省スペースになる
・調理時間が短縮できる
白菜を冷蔵庫に入れておくと、1週間ほどしか日持ちしません。しかし冷凍すると、保存期間を3週間程度まで延ばせます。
白菜を1玉購入すると、白菜が冷蔵庫の野菜室の場所をとり、ほかの野菜を収納できなくなってしまいます。しかし白菜を細かく切ってから保存袋に入れて冷凍すれば、場所をとりません。ゆでてから冷凍すると白菜のかさが減るため、さらに省スペースになります。
白菜を冷凍すると、細胞が破壊されて火の通りや味のしみ込みが早くなるので、調理時間の短縮が可能です。しかし白菜特有の歯ざわりのよい食感は失われて、くったりとやわらかい状態になってしまいます。
また冷凍した白菜から、漬物のようなにおいが感じられることがあります。この現象は、白菜などのアブラナ科の植物が持つ辛味成分「イソチオシアネート」が原因です。イソチオシアネートは無害ですが、揮発性があります。冷凍して壊れた細胞からイソチオシアネートが揮発するため、漬物のようなにおいを感じるのです。
これらの食感やにおいを好まない人は多く、「冷凍した白菜は苦手」という声も聞かれます。しかし冷凍方法によっては、食感の変化やにおいをおさえることが可能です。
白菜を冷凍する方法
白菜には、生のままで冷凍する方法と、ゆでてから冷凍する方法があります。
生のまま冷凍する場合、白菜の葉を1枚ずつ洗い、水気をしっかり拭き取ります。ざく切りや細切りなど、料理に使いやすいサイズにカットして、冷凍用保存袋に平らになるように入れましょう。空気を抜きながら袋の口を閉じ、冷凍庫に入れてください。冷凍した白菜の食感の変化やにおいの発生をおさえたいときは、ゆでてから冷凍することをおすすめします。
1枚ずつ洗った白菜の葉を、料理に使いやすいサイズにカットして、塩を加えたたっぷりの湯でゆでましょう。冷ましてから水気を絞り、小分けにして平らになるようラップで包みます。冷凍用保存袋に入れて袋の口を閉じ、冷凍庫で保存してください。
白菜に少し芯が残る程度が、ゆで時間の目安です。冷凍すると繊維がやわらかくなるので、加熱しすぎないようにしましょう。
冷凍した白菜の使い方
冷凍した白菜は解凍の必要がなく、凍ったまま調理に使ってかまいません。汁物や煮物といった煮込み料理に使えば、冷凍してやわらかくなった食感は気にならないでしょう。
炒め物に使うときに冷凍のまま加熱すると、白菜から出てきた水分で水っぽい仕上がりになってしまいます。水分がたくさん出てきた場合、水溶き片栗粉でとろみをつけて、あん炒めにするのがおすすめです。
冷凍した白菜を炒めたいときは、一度解凍して水気を除く方法もあります。冷蔵庫で自然解凍、または電子レンジの解凍モードで解凍して、出てきた水気を絞って炒め物に使ってください。
ゆでて冷凍した白菜は一度加熱しているため、そのまま漬物や和え物に使えます。冷蔵庫で自然解凍して水気を絞り、味付けしましょう。冷凍した白菜は味がしみ込みやすいため、短時間で味がなじみ、おいしい一品になります。
冷凍すると保存期間が延びるとはいっても、ゆっくりと品質の劣化は進みます。おいしく食べられるうちに、早めに使い切るようにしてください。
【参考文献】
農林水産省 Let's!和ごはんプロジェクト「簡単な『冷凍ワザ』で、野菜を新鮮に!おいしく!」
AUTHOR
いしもとめぐみ
管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。
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