【にんじん】を冷凍すると栄養価が増すって本当?メカニズムと冷凍のポイントを管理栄養士が解説

 【にんじん】を冷凍すると栄養価が増すって本当?メカニズムと冷凍のポイントを管理栄養士が解説
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いろどりが鮮やかでさまざまな料理に映えるにんじんを、冷蔵庫に常備している方も多いのではないでしょうか。よく使う野菜だからこそ、冷凍して便利に使いたいですよね。今回は冷凍したにんじんの栄養価や冷凍時・解凍時の注意点についてお伝えします。

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にんじんの冷凍と冷蔵の栄養価の違いはどのくらい?

【にんじん】冷凍して栄養価をアップ!ポイントを管理栄養士が解説
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にんじんを冷凍すると、生の状態よりも、ルテインが3倍、βカロテンが2倍になるといわれています。

また、独立行政法人国民生活センターによると「冷凍野菜の栄養価は生野菜に劣らない」と発表されています。冷凍野菜の栄養価は全体的に生よりも低いように思いますが、栄養素によってはむしろ冷凍することにより栄養価を損なわずに保存可能なのです。

生の野菜は保存中に腐敗が少しずつ進み、栄養価が失われてしまいます。しかし冷凍なら微生物や酵素の働きを止めることができるのです。すぐに調理に使わない場合は、冷凍して栄養価をキープしておきたいですね。

にんじんを冷凍するときの注意点

【にんじん】冷凍して栄養価をアップ!ポイントを管理栄養士が解説
illustration by なつめももこ

なるべく急速冷凍になるように

冷凍にんじんは急速冷凍することで、よりおいしさを保てます。少しでも速く冷凍できるように、

・金属製のトレーに並べる
・なるべくにんじん同士が重ならないようにする
・冷凍中は冷凍庫の開け閉めを控える

といったポイントをおさえておきましょう。

小さく、うすくカットする

冷凍することで、にんじんの食感が悪くなってしまいます。小さく、もしくはうすく切ることで、食感の悪さを感じにくくなるので以下のような切り方にして冷凍してみましょう。

・千切り
・みじん切り
・短冊切り

どの切り方にするかは、よくつくる料理に合わせておくといいですね。

解凍時の注意点

【にんじん】冷凍して栄養価をアップ!ポイントを管理栄養士が解説
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常温で解凍せず、凍ったまま調理を

冷凍したにんじんは解凍せず凍ったまま使えるので、基本的にそのまま加熱して使いましょう。解凍する必要がある場合は、冷蔵庫での解凍がおすすめです。冷凍したにんじんを常温で解凍すると水分が多く出て食感が悪くなってしまいます。水分の流出を防ぐために、なるべく低温状態で解凍するようにしましょう。

使用する分だけ解凍を

解凍したにんじんは水分が出てしまうので、再び冷凍するのはおすすめできません。使用する分だけ冷凍庫から取り出し、1度で使い切るようにしましょう。

解凍しやすくするために、使用する分ずつ小分けして冷凍しておくといいですね。

 

にんじんは、メイン料理にも副菜にも、そしてメインの添えにも活躍する野菜です。1度にたくさん購入して常備している方は、すぐに使わないにんじんはあらかじめ冷凍して保存しておきましょう。栄養価が下がるのを防ぎ、カットした状態で保存しているとさっと使えてとても重宝しますよ。

【参照|国民生活センター|冷凍食品より健康的とは限らない生野菜 】

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AUTHOR

なつめももこ 管理栄養士

なつめももこ

管理栄養士/Webライター/イラストレーター。管理栄養士として病院に7年間勤務。出産を機に「子どもとの時間を大切にしながら働くこと」を目標にフリーランスのWebライター&イラストレーターとして活動開始。現在は栄養に関する記事を執筆するほか、未経験からイラストレーターになる方法について発信している。



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