【しじみ】冷凍すると栄養価が8倍に増すって本当?冷凍のポイントを管理栄養士が解説
お味噌汁の具材や佃煮にぴったりのしじみ。お味噌としじみの香りが合わさると、なんともほっとした味わいになりますよね。今回はしじみの栄養価をアップさせる「しじみの冷凍」についてご紹介します。
しじみの冷凍と冷蔵の栄養価の違いはどのくらい?
しじみはミネラルやビタミンなどの栄養素が豊富に含まれる食材です。特に、肝臓で活躍するアミノ酸のひとつである「オルニチン」が非常に多く含まれています。
冷凍することでオルニチンは8倍に
しじみを冷凍すると「オルニチン」の栄養価がアップすると、地方独立行政法人青森県産業技術センターの研究により発表されました。
その差はなんと8倍。冷蔵したしじみより、マイナス4度で冷凍したしじみのオルニチンの方が8倍も多く含まれているのです。
しじみを冷凍するときの注意点
冷凍は砂抜きしてから
しじみを食べる前に、まず砂抜きが必要ですよね。冷凍してから砂抜きを…、と考えている方は要注意。
冷凍するとしじみが死んでしまうので、生きているうちに砂抜きをしなければいけません。まず、冷蔵状態のしじみの砂抜きをしてから、冷凍しましょう。
生きているしじみのみ冷凍を
死んでいるしじみが冷凍時にまざっていると、ほかのしじみに匂いがうつってしまいます。殻つきのまま冷凍するときは口が閉じていて、割れていないしじみのみを選んで冷凍しましょう。
冷やしすぎないように注意
「冷凍で栄養価がアップ」と研究結果が発表されているしじみですが、実は冷やしすぎるとオルニチンの量が減少してしまいます。
オルニチンの量を増やすにはマイナス4度が最適です。とはいえ、家庭の冷凍庫の温度はマイナス18度。これでは冷やしすぎになってしまいます。
冷やしすぎを防ぐために、
- 新聞紙で包む
- 開け閉めが多く、冷凍庫内の温度が上がりやすい位置に置く
- 急速冷凍しない
など、あまり冷えすぎない工夫をしましょう。
解凍時の注意点
沸騰したお湯で加熱を
殻付きで冷凍したしじみは、殻の口を開けるために凍ったままのしじみを「沸騰したお湯」に入れましょう。水に入れて加熱すると、口が開きません。
また、自然解凍でも口が開かないので、冷凍した殻付きのしじみは使用する直前に冷凍庫から取り出し、
- 沸騰したお湯に入れる
- 強火で加熱
などで、調理するようにしましょう。
再冷凍は不可
1度解凍したしじみは、再び冷凍することができません。冷凍しじみを調理するときは、使用する分だけ冷凍庫から取り出すようにしましょう。
使用する分ごとに小分けして冷凍しておくとスムーズに使用できますね。
しじみを冷凍して保存すると、栄養価がアップするだけでなく、調理時の時短にもなります。
「今日はしじみのお味噌汁をつくろう」と思っても、砂抜きからスタートするとすぐには調理をスタートできません。その点、冷凍しじみを保存しておくと使いたい量を取り出して、さっと調理に取りかかれます。
特売日にたくさん購入して、冷凍保存してみてはいかがでしょうか。
【参照|地方独立行政法人青森県産業技術センター|しじみ~「とる漁業」から「育てる漁業」へ~】
AUTHOR
なつめももこ
管理栄養士/Webライター/イラストレーター。管理栄養士として病院に7年間勤務。出産を機に「子どもとの時間を大切にしながら働くこと」を目標にフリーランスのWebライター&イラストレーターとして活動開始。現在は栄養に関する記事を執筆するほか、未経験からイラストレーターになる方法について発信している。
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