【玉ねぎ】皮をむいたら茶色…これ食べてOK?管理栄養士が教える賞味期限の見分け方と保存方法
玉ねぎは炒めると甘みや旨味を感じ、生で食べると辛みを楽しむことができます。玉ねぎは、一年中手に入りやすく、幅広く料理に使えるので常備している方も多いではないでしょうか。玉ねぎは、よく使からとまとめて買って、腐らせてしまったということはありませんか?今回は、玉ねぎを長持ちさせる保存方法や賞味期限の見分け方についてお伝えしていきます。
玉ねぎを少しでも長持ちさせる方法とは
野菜は、鮮度のよいものを選び、野菜の特徴にあった保存することが大切です。これから、玉ねぎの選び方、保存方法のポイントをみていきましょう。
【選び方】
・茶色い皮が乾燥し、ツヤがある
・固くて、重みがある
・傷がない
玉ねぎは、貯蔵最適湿度が65~70%と他の野菜に比べて低いです。そのため、収穫後、乾燥させてから出荷されます。十分に乾燥し、固くて、重みがあるものほど良質です。傷があると、そこから傷みやすいので気をつけましょう。
【保存方法】
1~2個ずつ新聞紙に包んでからかごやネットに入れ、常温の風通しのよい場所で保存
選び方でもお伝えしましたが、玉ねぎは湿気に弱いため、新聞紙などに包み、風通しのよい場所に保存するのがポイントです。保存期間は2ヵ月間が目安です。ただし、夏場は傷みやすいので野菜室で保存することをおすすめします。
大丈夫!芽が生えても食べてOK
玉ねぎの賞味期限(おいしく食べられる期限)が切れると・・・
・芽がでてきている
・皮がやわらかく、ブヨブヨしている
・実が茶色に変色している
・茶色汁がでている
・酸っぱい臭いがする
玉ねぎは、収穫後も成長を続けているため、保存期間が長いと緑色の芽が生えてくることがあります。芽に栄養がとられているため、芽が生えた玉ねぎのおいしさは減っていますが、食べることはできます。また、一部だけやわらかくブヨブヨしている、中身が茶色に変色している場合は、その部分だけ取り除けば食べることができます。茶色汁がでている、酸っぱい臭いがするときは、菌が繁殖している可能性が高いので、食べるのは控えましょう。
皮をむいたら緑色!食べることができる?
玉ねぎの皮をむいたら白ではなく、緑色になっている玉ねぎを見たことはありませんか?白い部分より硬さがあり、取り除いて食べていない方も多いかもしれません。この緑色の玉ねぎは「緑化球」と言われ、育つ過程でたくさんの光を浴びたことが原因です。緑色の部分にはポリフェノールの一種でフラボノイドに分類される「ケルセチン」という強い抗酸化作用をもつ成分が含まれます。「ケルセチン」は、水に溶けやすく、加熱しても安定しているので、硬さや青臭さが気になる方はスープなど煮込み料理で食べるのもおすすめです。
外皮はケルセチンが中身の20倍!
玉ねぎの外皮は中身(鱗茎部分)より20倍量の「ケルセチン」が含まれます。外皮は苦みと渋みが強いため、だし汁や粉末にして料理に使う方法もあります。気になる方は挑戦してみてはいかがでしょうか。
まとめ
玉ねぎは、いろいろな料理に使える万能野菜の1つです。常備しておくためにも、保存方法のポイントをおさえ、おいしく玉ねぎを使い切りましょう!
【参考文献】
1. 社団法人 農山漁村文化協会 . 地域食材大百科 第2巻 野菜 . 2010
2. 島本美由紀 . 野菜保存のアイデア帖 . 株式会社パイインターナショナル .2019
3. 高橋秀雄 . 新・野菜の便利帳 おいしい編 . 高橋書店 . 2019
4.農研機構「野菜の最適貯蔵条件」
5.農林水産省「新たまねぎと普通のたまねぎとは品種が違うのですか。」
6.JAグループ、タマネギ|とれたて大百科|食や農を学ぶ
7.高石喜久 . 玉葱皮に含まれる新規な抗菌・抗酸化化合物 . New food industry. 2007, vol.49, no.1
8.井上 節子 . タマネギ外皮添加レシピの抗酸化力に与える調理方法と食品成分の影響. Functional Food Research . 2021, vol.17, p126-133
(すべて2022年12月20日閲覧)
AUTHOR
山﨑礼絵
管理栄養士。島根県出身、3児の母。大学・大学院で、生活習慣病について研究。卒業後、製薬会社勤務を経て、「食」の大切さを人に伝えていきたいという想いから、管理栄養士を取得。オンライン栄養指導、行政栄養士を経験。現在、特定保健指導、健康・栄養分野の執筆などで活動中。
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