大根おろしも冷凍できる?冷凍すると3週間保存できる?大根の正しい冷凍方法|管理栄養士が解説
大根をまるごと1本買っても、使いきれずに困っていませんか?大根が余ってしまうときには、冷凍保存がおすすめです。この記事では、大根を冷凍するメリットや冷凍・解凍方法などをお伝えします。賢く冷凍して、旬の食材を無駄にすることなく、最後までおいしく味わってください。
大根を冷凍するメリット
大根は、生でも加熱してもおいしく食べられる便利な食材です。1本まるごと購入すると価格はお得ですが、なかなか使いきれないという声がよく聞かれます。そんなときは、冷凍保存してはいかがでしょうか?
大根を冷凍すると、以下のようなメリットがあります。
・保存期間が延びる
・味がしみ込みやすくなる
・調理時間が短くなる
冷蔵庫での大根の保存期間は、1週間〜10日程度が目安です。しかし冷凍すると、保存期間を3週間程度まで延ばせます。
新鮮な大根を切ると断面からじゅわっと水分が出てくるように、大根は水分の含有量が多い食材です。大根を冷凍すると、大根中の水分が凍結して氷の小さな粒が作られます。水を凍らせると体積が増えるため、大根の氷の粒は膨張して大根の細胞を破壊するのです。
冷凍した大根を調理すると、細胞の壊れたすきまに調味液が浸透して、味がしみ込みやすくなります。煮物やおでんなどの味がしみた大根は、何とも言えないおいしさがありますね。冷凍を活用すると味のしみた大根が簡単に作れるので、ぜひ試してください。
生の大根を加熱してやわらかくするには、3cmほどの厚さで30分程度のゆで時間が必要です。しかし冷凍すると細胞が壊れるため、解凍できた時点で大根はすでにやわらかくなっています。凍った状態で鍋に入れても、15〜20分程度あれば煮えて味もしみ込んでいるでしょう。大根を冷凍するときのポイント
大根の冷凍時に気をつけたいポイントは、以下の通りです。
・用途別にカットする
・大根おろしは軽く水気を切る
・大根の葉は塩ゆでする
大根は調理をイメージして、カットしてから冷凍すると便利です。味噌汁に使う予定であれば短冊切り、煮物なら厚めのいちょう切り、おでんに使いたいなら輪切りで冷凍しておくとすぐに料理に使えます。
大根おろしも冷凍可能ですが、水分の切り方にコツが必要です。手で絞ると水分が抜けすぎてしまうおそれがあるため、ざるに大根おろしを入れて自然に水気を切ってください。
大根の葉にはβカロテンやビタミンK、葉酸などの根とは異なる栄養素が豊富です。大根の葉も冷凍して、無駄なく使い切りましょう。ただし大根の葉にはアクがあるため、塩ゆでしてから冷凍することをおすすめします。
大根を冷凍する方法
大根を冷凍するときは、皮を厚めにむいてから、輪切りや短冊切りといった用途別にカットしましょう。水気を軽く拭き取り、小分けにしてラップで包みます。保存袋に入れてしっかり口を閉じ、冷凍してください。冷凍した大根は、凍ったまま加熱調理に使えます。
大根おろしは、キッチンペーパーを敷いたざるにのせて水気を切りましょう。1回分ずつラップに包み、保存袋に入れて冷凍してもよいですが、製氷皿の利用もおすすめです。凍ってブロック状になったら、保存袋に移して保存します。冷凍した大根おろしは冷蔵庫で自然解凍するか、電子レンジの解凍モードで解凍してください。
大根の葉は塩を加えた湯で1分ほどゆで、冷水にとって冷ましたら水気を絞ります。キッチンペーパーなどでしっかり水分を取り除き、好みの大きさにカットしましょう。1回分ずつラップで包んだら、保存袋に入れて冷凍します。加熱調理する場合は、凍ったまま使ってかまいません。一度加熱しているため、冷蔵庫で自然解凍したものはそのまま和えものなどに使えます。
冷蔵庫で食品を長期間保存していると、乾燥して霜がつく、酸化して変色するなど劣化する可能性があります。冷凍しても、できる限り早めに食べるようにしてください。
【参考文献】
農林水産省 Let's!和ごはんプロジェクト「簡単な『冷凍ワザ』で、野菜を新鮮に!おいしく!」
文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
AUTHOR
いしもとめぐみ
管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。
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