【しいたけ】洗う？洗わない？軸は旨味の宝庫って本当？管理栄養士が「風味を引き出す調理法」を解説

しいたけは洗わない方がいいって本当？

しいたけは香り豊かで旨味も強く、出汁としても活用できる便利な食材。腸の働きを整える食物繊維や、悪玉コレステロールや血圧を下げることが期待されるエリタデニン、カルシウム吸収を助けるビタミンDの前駆体のエルゴステロールなど注目の成分が含まれています。
そんなしいたけですが、調理する時、洗うか洗わないか迷ったことがありませんか？実は洗わないのが正解なのです。その理由は以下の通りです。

①土に触れることなく育つから

しいたけの栽培方法は、木に菌を植え込み、自然の中で育てる「原木栽培」と人工培地に菌を植え込み、室内で管理しながら栽培する「菌床栽培」の2通りがあります。
「原木栽培」「菌床栽培」いずれにしても、しいたけは土に触れることなく育つ為、洗う必要がないと言われています。特に近年スーパーで出回るしいたけの9割以上が「菌床栽培」。室内で衛生面に配慮した環境で育てられています。また、しいたけは基本的に農薬を使わずに栽培される為、安全性が高い点も洗わずに食べられる一因です。

②水洗いをすると風味が落ちるから

しいたけは水を吸い込みやすい性質がある為、水洗いをすると風味や香り、味が落ちやすいと言われています。基本的に洗わずにそのまま調理できますが、汚れが気になる場合は、湿らせたペーパータオルで表面を拭くようにしましょう。

ただどうしても洗わないことに抵抗があるという方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、調理の直前に洗うようにしましょう。洗ったしいたけは傷みやすいので、洗ってから冷蔵庫で保存すると、日持ちしなくなってしまいます。

捨ててしまうのはもったいない。軸は旨味の宝庫。

しいたけを調理する際、軸の部分を捨てている方も多いのではないでしょうか？実は軸の部分こそ旨味や香りが強くおいしいのです。調理する際は、薄く切ってもいいですが、おすすめは手で割くこと。旨味が出やすく、調味料も染み込みやすくなります。尚、冷凍すると細胞が壊れてさらに旨味が出やすくなるので、おすすめですよ。
ただ軸の先の黒っぽくて固い部分は石づきといい、口当たりが悪いので取り除くようにしましょう。

＜参考元＞

林野庁　原木栽培と菌床栽培

農林水産省　生しいたけの国内生産量とおもな産地（さんち）をおしえてください。

『新・野菜の便利帳　健康編』名取貴光監修（高橋書店）