風邪に負けない体を作る、にんじんとしいたけの味噌汁|管理栄養士が教える"ととのう"味噌汁
素朴な香りと味わいで私たちを癒してくれる味噌汁は、日本人の食卓に欠かせない一品です。どんな具材とも相性がよく、おいしく食べられるところも味噌汁の魅力のひとつですね。味噌汁は食材との組み合わせ次第で、さまざまな健康効果が期待できる料理に変わります。今回は免疫力アップが見込める味噌汁の具材を紹介するので、風邪や感染症に強い体を作りたい人は参考にしてください。
免疫力アップにおすすめの具材は【にんじんとしいたけ】
にんじんとしいたけの健康効果
冬になると空気が乾燥するため、風邪やインフルエンザの原因となるウイルスが空気中を浮遊しやすくなります。さらに寒さで体温が低下すると体の抵抗力が弱まるので、冬は風邪やインフルエンザにかかりやすくなるのです。
冬の風邪やインフルエンザから体を守るために、免疫力をアップさせましょう。私たちの体には、外部から侵入した異物を攻撃・排除して、体を守る免疫システムが備わっています。免疫力を高めるには運動や休息のほか、栄養バランスのよい食事が欠かせません。今回、免疫力アップにおすすめしたい栄養素は、ビタミンAです。
ビタミンAには、皮膚や目・鼻・のどなどの粘膜を健やかに保つ働きがあります。ウイルスや病原体は皮膚や粘膜から体の中へ侵入してくるため、皮膚や粘膜を強くすると体のバリア機能を高められるのです。ビタミンAを摂取できる食材として、今回はにんじんをおすすめします。手に入れやすく調理も簡単なので、味噌汁の具材として気軽に活用してみてください。きのこに多く含まれる食物繊維のひとつ、βグルカンも、免疫力アップに効果的な栄養素です。βグルカンには、体の中で異物の排除に働くマクロファージやナチュラルキラー細胞といった免疫細胞を活性化させる働きがあります。免疫機能を正常に作用させる、インターフェロンという物質の生成を促す作用もあります。このようにβグルカンには、体の中の免疫機能をスムーズに働かせる効果が期待できるのです。
βグルカンは大麦やオーツ麦にも含まれますが、きのこのβグルカンは特に免疫力アップに効果的といわれています。味噌で腸を元気にして免疫力アップ
私たちが口にした食べ物が通過する腸は、食べ物とともに外部から侵入してくる病原体やウイルスの危険に、常にさらされています。そのため免疫細胞の7割は腸に集まっているといわれるほど、腸は外敵から体を守る要となる場所なのです。
腸の免疫力を高めるには、腸内細菌のバランスをよくして、腸内環境を整えることが大切です。味噌には、腸内環境の改善に作用する食物繊維、大豆オリゴ糖、乳酸菌が豊富に含まれています。食物繊維には便通を改善する作用があり、大豆オリゴ糖は腸内細菌のエサになることで、善玉菌を増やします。そのまま腸の善玉菌になったり、腸内細菌のエサになったりすることで、腸内環境に好影響を与えるのが乳酸菌の役割です。
さらに味噌に含まれるたんぱく質は、免疫細胞の材料として使われます。このように味噌には、免疫力アップに効果的な成分が豊富に含まれているのです。
にんじんとしいたけの味噌汁の作り方
【材料】2人分
にんじん:1/2本(100g)
しいたけ:2個
だし汁:350ml
味噌:大さじ1と1/2
【作り方】
1.にんじんは3〜5mm幅の半月切り、しいたけは5mm幅にスライスする。
2.鍋にだし汁と1のにんじんを入れて、火にかけて沸かす。
3.2の鍋にしいたけを入れて、中火で5分ほど加熱する。
4.鍋の火を止めて、味噌を溶き入れる。
にんじんの甘みと、しいたけのうまみを感じられる味噌汁です。大きめにカットすれば、具材が野菜ときのこだけでも食べごたえは十分あります。
AUTHOR
いしもとめぐみ
管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。
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