ぐったり疲れた日におすすめ!疲労回復に◎豚肉と長ねぎの味噌汁【管理栄養士が教える健康味噌汁】
素朴な香りと味わいで私たちを癒してくれる味噌汁は、日本人の食卓に欠かせない一品です。どんな具材とも相性がよく、おいしく食べられるところも味噌汁の魅力のひとつですね。味噌汁は食材との組み合わせ次第で、さまざまな健康効果が期待できる料理に変わります。今回は疲労回復効果が期待できる味噌汁の具材を紹介するので、体の疲れがなかなか取れないと悩んでいる人は参考にしてください。
疲労回復におすすめの具材は【豚肉と長ねぎ】
豚肉と長ねぎの健康効果
日々の仕事や家事、育児に追われて疲れがたまっている、体のだるさが抜けないと感じていませんか。疲労回復には質のよい睡眠を取ること、生活リズムを整えること、そして栄養バランスのよい食事を取ることが大切です。糖質・脂質・たんぱく質の三大栄養素と、ビタミンやミネラルを摂ることが食事の基本ですが、疲れがたまったときに積極的に摂ってほしい栄養素があります。それが、疲労回復効果が期待できるビタミンB1です。
疲れて体を動かす元気がないときは、エネルギーが不足しているのかもしれません。エネルギーは三大栄養素から作られますが、栄養素をエネルギーへ変換するにはビタミンB群の働きが必要です。特にビタミンB1は、糖質をエネルギーへ換える作用に働きます。糖質の供給源となるご飯やパンを食べていても、ビタミンB1が不足していると、糖質からエネルギーへの変換がスムーズに行われません。
ビタミンB1は、アリシンという成分と一緒に摂ることをおすすめします。にんにく・玉ねぎ・長ねぎ・にらといった野菜は独特の強い香りを持っており、アリシンはこの香りに含まれています。アリシンにはビタミンB1の体への吸収率を高める作用があるため、これらを一緒に摂取することで、ビタミンB1を効率よく体に取り込めるのです。
ビタミンB1を豊富に含む食材の代表は、豚肉です。アリシンを多く含むにんにくやねぎ類との味の相性もよいので、味噌汁だけでなく、さまざまな料理にも組み合わせて使ってみてください。今回紹介する豚肉と長ねぎの味噌汁には、糖質の供給源となるご飯を合わせて食べてくださいね。
味噌の大豆ペプチドで疲労回復
味噌に含まれる大豆ペプチドは、疲労回復効果が期待できる成分です。たんぱく質を細かく分解したアミノ酸がいくつかつながると、ペプチドになります。大豆ペプチドに期待できる働きのひとつが、脂質代謝を促し、脂質からエネルギーをスムーズに作り出すことです。今回の味噌汁の具材である豚肉には、脂が含まれています。大豆ペプチドの働きにより、その豚肉の脂も効率よくエネルギー源にできるでしょう。
ペプチドは早く体に吸収されて、効果の持続時間が長いといわれています。体が疲れたときには味噌汁を飲んで、すばやく疲労回復を図ってください。
豚肉と長ねぎの味噌汁の作り方
【材料】2人分
豚ロース肉:50g
長ねぎ:1/2本
だし汁:350ml
味噌:大さじ1と1/2
【作り方】
1.豚肉は2cm幅に、長ねぎは1cm幅の斜め切りにする。
2.鍋にだし汁を入れて、火にかけて沸かす。
3.鍋に1を加えて、アクを取りながら5分ほど煮込む。
4.鍋の火を止めて、味噌を溶き入れる。
味噌汁に豚肉を加えると食べごたえが出るだけでなく、豚肉の脂でコクがアップ。くったり煮込まれた長ねぎは甘みが増し、おいしい味噌汁に仕上がります。
AUTHOR
いしもとめぐみ
管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。
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