【おやすみ前のぐっすり熟睡ヘッドセラピー】頭の疲れが芯からほぐれる「陰ヨガのポーズ」
からだは休めているのに頭が重い。やる気が出なくてイライラするなど自律神経系の乱れの症状は脳疲労のサインかもしれません。脳は全身の司令塔に役割を果たしていてとってもエネルギーが必要な臓器です。からだとおなじようにケアしてあげましょう。脳の疲労回復におすすめのツボと、ヨガポーズをご紹介します。
脳はとってもエネルギーが必要な臓器
健康な成人の脳は約1.4kgの重さがあり、体重の2%ほどの重さにも関わらずからだ全体のエネルギーの約20%を消費しています。脳の主なエネルギー源はブドウ糖ですが、人間が 1 回の食事で体内に蓄えられるブドウ糖の量は約 12 時間分。私たち人間のからだの中で栄養を運んでいるのは血管を流れる血液なので、脳は絶えず酸素と栄養をエネルギー源として供給される必要があります。
安静時でも、脳は心臓が送り出す血液量の約15%を受け取っているため、常にたくさんの血液を必要とする臓器なのです。からだが疲れたら栄養と休息を取るように脳も栄養と休息を取ることが大切。日頃からケアしてあげましょう。
脳の疲労回復には、適切な食事と適度の運動、質のいい睡眠をとること、血流をよくすることなどが挙げられます。
ところが長時間のスマホやパソコン作業、ストレスなどで脳に疲労が溜まりすぎたり、血流が阻害されたりすると脳が栄養不足状態に。脳の疲労が溜まると、
・朝起きてもだるく日中ぼーっとする
・寝つきが悪い、浅い
・つらい首肩こり
・集中力の低下
・自律神経の乱れ
などのからだの症状はもちろん、イライラ、情緒不安定、うつなどこころの不調にもつながっていきます。
陰ヨガはヨガと中医学を融合したヨガ。土台にある中医学では、子午線にあたる午前1時にからだの陰と陽のエネルギーが入れ替わり、その後の深夜1~3時に肝のはたらきが旺盛になることで血がつくられると考えられています。肝にあたる臓器は胆嚢、肝臓で23時〜3時が睡眠のゴールデンタイム。良質な血、栄養を身体に蓄えるためにはこの時間に眠っていることが重要なのです。
とはいえ、子育てや介護、お仕事などによって置かれている生活環境は人それぞれ。なかなか23時までにベッドでくつろいで過ごせる環境に身を置くのがむずかしいことが多いのではないでしょうか? そこで頭の血流アップにオススメなのが、百会のツボへのアプローチ。
百会のツボの位置は、頭のほぼてっぺんにあるので覚えやすく、1点でいろいろな症状を改善してくれるとても重宝なツボです。耳鳴り、めまい、頭痛、視力低下、目の充血、鼻づまり、頭痛、抜け毛など頭部の症状から、胃下垂や痔といった消化器の症状、高血圧など循環器系の症状、神経や精神的症状にまで、全身のさまざまな不調や疲労回復に効果があるツボとして知られています。
百会のツボをじっくりと刺激するポーズ
今回のコラムでご紹介するのはヘッドセラピーのポーズ。このポーズは頭頂にある百会のツボをじっくりと刺激するポーズです。
陰ヨガは身体をくつろがせた状態で行うことがポイント。頭を強く押して首に負担がかかりすぎないようにゆっくりとポーズに入ってみてくださいね。頭に位置を心臓よりも下に置いてあげるだけでも心臓からの血流が頭に流れていくので、とってもリラックス効果、セラピー効果の高いポーズです。おやすみ前はもちろん、疲れを感じるとき、リフレッシュしたいときなど日々のセルフメンテナンスにも、ぜひ一度試してみてください。
ポーズのやり方
①正座からお尻が踵から離れないように上半身を倒しおでこをマットにつける。
②両手のひらを胸の横に置いてお尻を持ち上げ、膝の位置を腰幅程度に開いて下半身を安定させる。
③頭のてっぺんより少し後ろのポイントがマットにあたり、心地良い圧を感じるところで1分ほどポーズを保持。
④ポーズから抜ける時はお尻を後ろに引いて脇のあたりがじんわりのぴるところで一度、身体の血の巡りが落ち着くのを数呼吸待ちます。
⑤手のひらでマットを押しながらゆっくり身体を起こします。
動画を見ながらやってみよう
AUTHOR
高西由貴子
内臓ケアサロンMaitriesセラピスト 陰ヨガを通じて出会った中医学の学びを続けながら、都内を中心にサロンオーナー、ヨガインストラクター、セルフケア講座のセミナー講師と多岐に渡って活動。2020年、より一人一人の心と身体をサポートしたいという想いを元にボディケアサロンMaitriesをオープン。心と身体両面から、女性の美と健康のサポートをしている。
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