デトックスの落とし穴?夏の汗のかきすぎにご用心。潤いを補う中医学の知恵と「陰ヨガポーズ」

 デトックスの落とし穴?夏の汗のかきすぎにご用心。潤いを補う中医学の知恵と「陰ヨガポーズ」
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デトックスとは何かと聞かれたら「デトックス=汗をかく」というイメージを持たれている方が多いのではないでしょうか?汗のもとになるものはカラダの中をうるおしている大切な水分。過度に消耗しすぎると体内の栄養や水分が不足して乾燥、不眠や便秘などの症状を引き起こす一因に。夏は暑さで汗をかきやすい季節。汗をかいた時におすすめの食材と、夏にはたらきが活発になる心臓、小腸の経絡の滞りを解消する陰ヨガポーズをご紹介します

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中医学に学ぶ、夏の体の状態と気を付けるべきことは?

巷でよく聞く”デトックス”というワード。英語で「解毒」という意味をもつ「detoxification」を短縮した呼び名がデトックス。体内に溜まった有害毒物や老廃物を排出させることを意味します。

デトックスとは何かと聞かれたら「デトックス=汗をかく」というイメージを持たれている方が多いのではないでしょうか? 汗をかく時には色々な状況があって、確かにサウナや運動で汗をかくとリフレッシュします。ただし夏はただでさえ暑さで発汗がカップ津になる季節。汗のかきすぎにはちょっと注意が必要です。汗には、ナトリウムなどのミネラルが含まれていますが、適度な運動や入浴によって自然にじんわりと排出される汗には、必要なミネラルを体内にとどめるために、ほとんどが体内に再吸収されています。ですので自然に分泌される汗には、ほとんど味がありません。

しかし、大量に発汗した場合にはラダの働きが追いつかずに、ナトリウムなどのミネラルが再吸収を免れてしまうことがあります。そういう状態で分泌された汗は、しょっぱい味がします。

皮膚には外の環境から身を守るバリア機能、体温調節機能が備わっていて、寒い時にはカラダの中の体温を逃がさないように毛穴を閉じて、暑い時には毛穴が開いて汗を分泌して、カラダの中にこもった熱を排出して体温を下げる働きがあります。このように重要な役割をもっている汗ですが、やみくもに出せばいいというものではありません。なぜなら汗も体内の重要な水分、カラダの中にあるうるおいから作られるものだからです。

汗
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適度な水分補給に加えて、津液を補う食品を摂ろう

陰ヨガの土台にある中医学では、体内の血以外の水分のことを”津液”といいます。津液と血が充実していることによってカラダはうるおい、肌、喉、眼、髪などは栄養が行き届きみずみずしい状態に。津液が潤滑油にような役割を果たしてくれるので関節などの組織をスムーズに動かせるのも津液の状態が鍵となります。

中医学において、夏にはたらきが活発になる五臓は”心”。血液循環や脳のはたらき(精神活動)を司っていて、臓器は”心臓、小腸”にあたり、暑さの影響を最も受けやすい臓腑とされます。

夏の暑さ、サウナなどによる過度の発汗、過度の緊張や寝汗などで津液を消耗すると、汗としてだけでなく体内の水分、うるおいが損なわれすぎてしまいミイラのような状態に。主に乾燥、喉の渇きや、肌の乾燥、尿量減少、便秘などの症状が現れます。カラダのサインを見逃さずに、必要な栄養を補って、体内のバランスを整えてあげることが重要です。

適度な水分補給はもちろん、うめ、レモン、はちみつ、氷砂糖など津液を補う食品がおすすめ。酸味の食材だけだと胃のはたらきを弱めるため、はちみつレモンや、うめ砂糖など、甘味を組み合わせてみましょう。運動にはスポーツドリンクやはちみつレモン、夏のお出掛けには、梅干しや氷砂糖を持って出かけるなど日常生活の中で取り入れられることからはじめてみてくださいね。

氷砂糖
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心臓・小腸の経絡の滞りを解消するオープンハートのポーズ

今回ご紹介する陰ヨガポーズは夏に不調が起きやすい、”心”の臓腑にあたる心臓、小腸の経絡の滞りを解消するオープンハートのポーズです。主に胸から首肩、肩甲骨のまわりを流れている経絡の滞りを解消して内側にある内臓をケアしましょう。ゆったりと呼吸の中で、デスクワークや緊張、日常生活の中で硬くなりやすい脇の下がじんわりと広がっていく様子や、甲骨まわりの伸びをじっくり感じながら、内臓を労わる時間を過ごしてみてください。

心(心臓)、小腸の経絡のラインとは?

心(心臓)、小腸の経絡は上半身を走っています。心(心臓)の経絡は、体内で心から下に降りるルートは小腸、上に上がるルートは喉を通って目に入って脳へと通じます。体表のルートは心から肺を通って脇の下の真ん中のくぼみから現れます。二の腕、上腕の腕の内側を通って小指の内側の指先で終わります。小腸の経絡は手の小指の外側からスタート。手の甲の外側の腕を上に上がって肩関節、そして肩甲骨をジグザグと交差して首の後ろから鎖骨の上に。そこから首、顔の頬を通って耳の前側に終わります。体内のルートは鎖骨から枝分かれして体内に入り、心臓、横隔膜、胃を通って小腸につながります。

今回ご紹介する陰ヨガポーズはオープンハートのポーズです。ゆったりと呼吸の中で、デスクワークや緊張、日常生活の中で硬くなりやすい肩甲骨まわりの伸びをじっくり感じながら、経絡の滞りを解消する事で、内臓を労わる時間を過ごしてみてくださいね。

ポーズのやり方

①座位から四つん這いになり、膝は腰幅程度に開きます。

②腕を伸ばして、両手のひらを前方に、マット幅程度に開いて置きます。胸のまわりと脇の下が伸びるところを探して、おでこをマットの置きます。つかない場合はおでこの下にクッションを敷いて高さを調節しましょう。

③腰の反りを強く感じる場合は重心を下半身に移動するか、お尻を後ろに引いて腰だけではなく背骨全体が伸びるように促します。長くじっとできるポジションを見つけたら、身体を緩めて3分間ポーズを保持し、ゆっくりとお尻を後ろに引いてチャイルドポーズでリバウンドタイム。

④ポーズから抜けた後の身体の余韻を数呼吸味わってから、ゆっくりと上半身を起こします。
 

 

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高西由貴子

高西由貴子

内臓ケアサロンMaitriesセラピスト 陰ヨガを通じて出会った中医学の学びを続けながら、都内を中心にサロンオーナー、ヨガインストラクター、セルフケア講座のセミナー講師と多岐に渡って活動。2020年、より一人一人の心と身体をサポートしたいという想いを元にボディケアサロンMaitriesをオープン。心と身体両面から、女性の美と健康のサポートをしている。



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