人気ボディワーカー森拓郎さん×トレーナーmikikoさんが考える「幸せになれるフィットネス」とは

「誰かの許可がないと自分のことを決められない人」に伝えたいこと

編集部：森さんの最新著書『ボディメイク・ピラティス』で「プラスワントレーニングでパーフェクトボディへ！」という表現があるのですが、森さんにとっての「パーフェクトボディ」とは何ですか？

森：スタイルをよくするとか見た目の良さだけにとらわれるんじゃなくて、体の機能を取り戻したり良くしていくことだと思っています。体の機能が良くなれば、結果的にスタイルもよくなるだろうし、それ以上に体が快適に動かせるとか、前よりも疲れが取れやすくなったとか、もっと体を動かしたくなったとか。そういったところを結果的に目指していければいいと思いますね。

mikiko：パーフェクトボディをどう考えるか、ということですが、例えばSNSにあふれている「極端に痩せている女性の写真」のような加工された写真を見て、そういう体型が理想になっているように間違ったボディイメージを「パーフェクトボディ」と考えて、自分を追い求めて苦しんでいる人もいます。その特徴は何だと思いますか？

森：その人の過去とか生い立ちとかで変わってくることなので、人それぞれではあると思います。簡単なところで言うと、何に悩んでいるのかが自分で決められない人、質問の仕方が自分軸ではない方が多いと思いますね。

mikiko：「あなたはどうしたいですか？」という質問に答えられない人ですよね。常に不安なんだろうなと思います。誰かに背中を押してほしいのかもしれませんが。

森：それは言い方を変えると、誰かのせいにしたいという気持ちがあるのかもしれませんね。

mikiko：私は昔はそういうタイプで、常に周りの様子を見ながら決めていました。知らず知らずのうちにそれが癖になっていて、そうなると自分では決められなくなってしまうのかもしれませんね。

森：意識レベルの低いところから中ぐらいのところまで、少しずつ頭の使い方や言葉の使い方を変えていくカウンセリングを受けられれば、良い方向に変わっていくと思います。

編集部：自分で自分のことを決められない、誰かの許可がないと自分のことを決められない人にアドバイスをするなら？

mikiko：ダイエットに限らず、自分の好きなことに没頭してみたらいいと思います。自分が心からやりたいことが何か向き合って、それに没頭して、今の環境から飛び出したいなら飛び出して。海外に住んでみたいなら住んでみて。まずは好きな気持ちを大事にしてほしいと思いますね。地球上でたった１人になってもやりたいことをやったらいいんじゃないかと思います。

森：僕は、まず「人と比較することを辞めること」かなと思います。変わりたい気持ちがあるけれど、今まで何してもダメだったって人が多いのではないでしょうか。でも、そういう人に伝えたいのは、ハードルの高いことをいきなり始めるのではなく、一歩を踏み出すだけでもいい、そこから始めればいいと思うんです。たとえば、SNSのフォローでもいいし、本を買ってみるでもいいしyoutubeでもいい、オンラインレッスン…なんでもいいです。情報に触れてもらったことが入り口で、前よりも少しでも変わったという実感が持てればいいんです。そうすれば、同じトレーニングに関する情報から受け取る意味が変わってきますので。時間がかかってもいい。早く結果を出そうとしないで、ゆっくりでいいので、「できなかったことができるようになった」という変化を実感するだけでもいいと思いますよ。人それぞれのペースがあります。だから、他の人と比べたりしないでほしいです。その人のペースで少しずつ行動する中で、ちょっとした変化を感じとってもらえたら、自分で自分のことを決めていけるし、自分の人生を生きていけるとと思います。 

プロフィール

森拓郎さん

大手フィットネスクラブを経て、2009年、自身のパーソナルトレーニングスタジオrinatoを東京・恵比寿にオープンし、ボディメイクやダイエットを指導。ファッションモデルや女優などの著名人のクライアントも多く、その指導に定評がある。テレビ、雑誌など多くのメディアで注目されている、今話題のボディワーカー。 最新著書に『ボディメイク・ピラティス』（ワン・パブリッシング）がある。SNSアカウント▶︎moritaku6

miikikoさんプロフィール

ニュージーランド在住のパーソナルトレーナー。筑波大学健康増進学修士。ニュージーランドベストトレーナー入賞。性格や体質を活かした指導で、ハリウッド女優をはじめ時代の最前線を駆け抜ける人々の指導をしている。S N Sでは海外の目線でダイエット常識やトレンドの間違いを解説。自身も摂食障害の経験があり、ヨガジャーナルオンラインでも、「ダイエットで不幸に陥る人」に向けて、心を無視しないこと、ホリスティックなアプローチの重要性を伝えるコラムを連載。 SNSアカウント▶︎mikikofit