身体を変える前に…自信をつけたいあなたが、まずはじめに人間関係の断捨離をすべき理由
ダイエット・フィットネスと言うと、身体を変えることがメインだと捉えられがちです。しかし、ニュージーランドのパーソナルトレーナーmikikoは、身体を変えることよりも「人間関係の断捨離」をする方が人生を好転させるために大切な要素だと考えています。自信を持てるようになりたい!と自分磨きを始める人が見落としがちな環境の整理について、新たな視点で考えてみてはどうでしょうか。
言葉がその人を作る
あなたの身の回りに、自信が言動に溢れ出ててパワフルな人っていませんか?オーラが出ていて、落ち込むこともなさそうな人。そういう人を見た時に、多くの人は「自分とは性格が違う」とか「そもそもデキが違う」と思いがち。「自信がある人は、もともと自信があるから、それに伴って言動もポジティブになるんだ」と考えられる傾向にあります。ダイエットにしても「先に身体が変わるから、自信がついてくるんだ」という変化を期待してボディメイクを始める人たちが多くいますね。
でもこれはよくある勘違い。実際の順番は反対なんです。言葉は先に『変わる』ものであり、自分で『変える』もの。その言葉に合わせて行動が変わっていき、その行動が積み重なって心や身体を変えていくんです。
ポジティブな人が心がけているのは、ネガティブなことを言葉にしないこと。言葉がその人を作るから、自信のない自分を自ら作ってしまわないように、自分に浴びせる言葉を選んでいるんです。
自信がついても嫌な言葉には傷つく
自称ネガティブの人は、「自信がつくと、誰に何言われても傷つかないんだろうなぁ」とパワフルな人たちに憧れの視線を送っているかもしれませんが、実際は、どれだけ自信がついても嫌な言葉には傷つきます。いつも元気が溢れていて、ポジティブなことばかり言っている人だって、心ない言葉は響いています。「自信」は防弾チョッキではないので、完璧にはね退けるわけじゃない。再び立ち上がるのにエネルギーも使います。今は大丈夫でも、数年後に響いてくることだってあります。今はまだ人前では元気そうにできても、独りになった時にその言葉が頭の中に繰り返し浮かんでくるかもしれない。嫌な言葉に傷つくというのは、人間だから当然のことなのです。
ダイエットに関してだって、「太った?」って言われて最初は「なにくそー!」って立ち上がるエネルギーもあるかもしれないけど、再び立ち上がろうとしている時に、また「腕やばくない?」など冷たい言葉を浴びせられれば、また地面に打ち付けられてしまいます。それが何度も何度も繰り返されたら、さすがにパワフルな人たちだって自信を保ち続けることは難しくなるでしょう。
この場合、どれだけ反骨心で身体を変えたところで、ジメジメした環境のせいで心を変えることはできません。変えなければいけないのは環境であって、身体ではないんです。言葉は、人を育てもするし、壊しもする。だから、人間関係の断捨離をして嫌な言葉を浴びる機会を減らす必要があるんです。
「浴びる言葉」が「自分にかける言葉」になる
こんな記事を書いているのも、何を隠そう、私自身がいわゆるパワフル系の人間で、周囲から冷たい言葉を浴び続けた結果、根元からポッキリ自信が折れてしまった経験があるからです。
昔からスポーツ少女で元気が取り柄だった私は、周囲から「落ち込むことあるの?」と言われてきたタイプ。高校の時のあだ名は「熱血」とか「修造(松岡修造さんにちなんで)」でした。「ちょっとやそっとじゃ折れなさそう」という憶測からか「この人ならイジっても大丈夫」とかけられてきた言葉は「すげぇ脚」とか「男みたいな肩」とか「なんか大きくなったから後ろ姿じゃ誰か分かんなかった」とかでした(書いてるだけでも泣けてくる)。
今でも覚えているのは「競走馬みたいな脚」と言われたこと。思春期で身体が変わり始めた女子高生には深く刺さりました。言った本人たちはたぶんもう忘れてるけど。「この人は元気だから大丈夫だろう」という期待に応えないといけないと思って、笑って受け流すくらいしかできませんでした。
大学に入ってその言葉の山がガラガラっと崩れた時に、摂食障害という形で私に襲いかかりました。当時、私が鏡の前に立つたびに自分にかけていた言葉は「脚太いなぁ」「また太った」「すごい肩」「また競走馬って言われちゃうよ」。知らないうちに、今まで人からかけられていた言葉を自分に浴びせるようになってしまっていたんです。
そんな私を変えたのが、環境の変化。イギリスへの一人旅、オーストラリア留学、日本帰国後の新たな出会い、ニュージーランド移住を通して、新しい視野や異なるバックグラウンドに触れていくうちに、嫌な言葉をかけてきた人たちが入ってくる隙間がないほど、私の気持ちをハッピーにしてくれる人たちと時間を過ごすようになったんです。
時間はかかりましたが、一度は折れてしまった私の心も「あなたのままのあなたが1番素敵だよ」という言葉に触れていくうちに、自分に優しい言葉をかけられるようになっていきました。
今日の環境が未来のあなたをつくる
今日のあなたは、過去にあなたが浴びた言葉が積み重なって作られたものです。自分にネガティブな感情を持っている人は、身の回りにそういう言葉をかけてくる人はいなかったでしょうか?心ない言葉が知らず知らずのうちに心に刺さっていて、今の自分に浴びせるようになっているのかもしれません。その癖が抜けない限り、身体がいくら変わったって自分に自信を持てるようにはなりません。
自信を持つというのは、心ない言葉を言われた時に「問題があるのは自分の身体ではなく相手の精神状態だ」と知っていることです。変わらなければいけないのは、あなたの身体ではありません。自分で自分の心を満たすことができず、人の人生に口出ししなければいけない相手がいけない。そんな人と関わってあなたの時間を無駄にしていてはいけないんです。
人の身体を卑下するようなコメントをするのは「ボディシェイミング」といってハラスメントに当たります。過去の私はそれを笑って受け流していました。痴漢されてそのまま笑って受け流すのと同じようなものです。私自身が、劣悪環境から自分を守ってあげていなかった。そういう環境からは、まず逃げなければいけません。
立場上言い返せないこととか、雰囲気を壊さないように笑って流さないといけないこととかあると思います。それは、自分の立場や場の雰囲気を自分の尊厳よりも優先しているということ。そのまま何ヶ月も何年もその環境にいたって、改善することではありません。どれだけ気まずくなろうと、抜け出すなら早い方がいいんです。
どれだけ一生懸命タネを植えて水をあげたって、土が腐ってれば枯れてしまいます。身体を変える前に、環境を整理すること。それが親だろうと、長年の付き合いがある友人だろうと、上司だろうと、誰だろうと。自分の尊厳を無視した人間関係の構築・維持に何の価値があるでしょうか?
あなたの未来は、今日あなたが浴びる言葉が作ります。自分の意思だけでは自分にかける言葉は変えられない。身体が変わったって、言葉は変わらない。だから、人間関係の断捨離。切る時は勇気がいるけれど、数年後、振り返った時には「あの時から私の生き方変わったなあ」と思えているはずです。
AUTHOR
mikiko
パーソナルトレーナー|自身の失敗経験を元に個人差や体質を重視した『mikiko式フィットネス論』を提唱|身体と人生観が変わるフィットネス哲学で、一生ブレないための視野と学びを発信しています|流行を根拠と本質で斬る人| 筑波大学健康増進学修士|NZベストトレーナー入賞
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