「運動=痩せるため」は時代遅れ?目的の多様化する社会で気持ちよく運動を習慣化するために出来ること

 「運動=痩せるため」は時代遅れ?目的の多様化する社会で気持ちよく運動を習慣化するために出来ること
mikiko
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2023-06-03

「『運動してるのに身体が締まってないじゃないか』と思われるのが怖いから、ある程度痩せてからジムに行こう」と思っていませんか? 今回は、ニュージーランドのトレーナーmikikoが、時代遅れな考え方と運動をしにくくする“社会の目”について

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「痩せてかららじゃないとジムに行きにくい」と不安を口にする人は多く、「運動は痩せるためにすること」「ジムは身体が締まっている人たちが行くところ」といった偏ったイメージが運動のハードルを上げています。また、ジムに限らず「運動を習慣にしている」と公言するのも同じ理由で気後れするという話もよく聞きます。

残念ながら、こうしたプレッシャーが、多くの運動初心者を楽しく運動することから遠ざける原因の1つになっています。

「運動=痩せるため」は時代遅れ

「運動=痩せるため」という考えに縛られている人はまだまだたくさんいます。しかし、これは1つ前の時代の考え方。運動の目的は多様化していて、フィットネス先進国の国々ではライフスタイル・メンタルヘルスのためのフィットネスの需要が増えてきています。

アメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなどのフィットネス先進国では、大手のジムは次々とFitness as lifestyle(ライフスタイルとしてのフィットネス)に方向転換を始めています。見た目にとらわれない、中身からの変革が重視されたブランディングに切り替わってきているのです。

コロナの以前から運動の目的は多様化してきていましたが、コロナ禍でその動きは加速しました。海外ではExercise for Mental Health(メンタルヘルスのための運動)というムーブメントも起こっています。私が拠点を置くニュージーランドでは、63%の人が「メンタルヘルスのために運動をしている」という調査結果も出ました。

その他にも「自分を好きになるため」「毎日を楽しく過ごすため」「体力をつけて日々の生活をより活力のあるものにするため」「筋肉をつけるため」「体重を増やすため」など十人十色の目的があり、そのどれもがその人にとっての正解なのです。もちろん、その中の1つに「痩せるため」という目的があることも全く問題ではありません。

人の運動にケチをつける権利は誰にもない

以前、ふくよかな女性がヨガをしている姿を広告に使ったアメリカの会社に対して、「これは"健康"でもなんでもない」とコメントした男性が大炎上しました。このように、人の体型や運動の目的に関して第三者が口出しする構造は日本でもよく見かけます。特に目立つのは、この炎上の件ように『男性が女性の身体や行動に対して』コメントするもの。

他人が運動している理由を自分の尺度で決めつけて「運動してるのに痩せてない」とコメントをする人は、自分の人生に満足いっていない鬱憤を、他人を引きずり落とすことで解消しようとしているだけなのです。自分の人生で心が満たされてる人は、他人が何をしていようと、その人の事情も知らずに自分が口を出す権利などないことを知っています。

人に太った痩せたを聞くのが癖になっている人、人の体型にコメントする人、それで笑いをとる人、人の"途中経過"を嘲笑する人、人の行動に関して何かコメントしなければ気が済まない人からは、全力で逃げてください。気持ちや立場に余裕があれば、自分のために戦ったり、周りで同じように言われてる人を守ってあげてください。言われる側に非はありません。だって、誰にも迷惑かけずに、自分の人生をよりよく生きようとしてるだけなんだもの。

私もたまにネットで「トレーナーのくせにそんな身体で...」と意地悪なコメントをされますが、言われた当の本人は「日々の鬱憤を弱い立場の人にぶつけることで昇華しようとしてるんだなぁ」と、むしろ同情してスルーしています。バキバキに割れるまで運動したら生理が止まる、という私の事情など想像できない人たちを相手にしても何も生まれないからです。

実は自分が自分を苦しめている

自分が「運動してるのに締まってない」という考え方でジャッジされているのを怖がっている人は、他人のこともそういう見方でジャッジしていないでしょうか?口に出して本人に伝えないとしても、知らず知らずのうちにあなた自身が生きにくい社会に加担しているかもしれません。

他人がどんな目的で運動しているかは、見た目だけで判断できません。みんなが自分に必要な運動を心地よくできるような雰囲気をつくっていくためにも、まずは自分が「運動をしている自分」を誇りに思ってあげて、周りの運動している人を心から認めてあげられるようになりたいですね。

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パーソナルトレーナー|自身の失敗経験を元に個人差や体質を重視した『mikiko式フィットネス論』を提唱|身体と人生観が変わるフィットネス哲学で、一生ブレないための視野と学びを発信しています|流行を根拠と本質で斬る人| 筑波大学健康増進学修士|NZベストトレーナー入賞



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