糖質制限や断食はすでに黄色信号!?あなたは知らぬ間に「危ないダイエット」をしているかもしれない
みんなが当たり前のように話す「食べる量を減らす=ダイエット」も実は間違った知識。ダイエットの常識は9割が間違い!と主張するニュージーランドの人気パーソナルトレーナーmikikoが、間違った”普通”が蔓延するダイエット界の現状について語ります。
「ちょっと食べ過ぎちゃったから明日は朝ごはん抜こう」
「お腹いっぱい!運動してカロリー燃やさなきゃ」
なんて会話、どこかで耳にしたことがありますよね。自分がこういった発言の当事者なんて人も多いかもしれません。
今や「普通」にもなっているこの考え方は、実は、食事に関する認知が歪み、食生活が乱れ始めているサインとして考えられています。程度がひどくなれば摂食障害の原因になるもの。摂食障害と聞くと「いや、自分はそこまでオオゴトになるようなこととは無関係だから」と一歩引いた目で考えがちですが、流行っている「糖質制限」や「ファスティング」もその黄色信号の1つ。知らぬ間に予備軍に入っている人たちは、思っているより身近にいるのです。
予備軍の定義
日本語で表記される機会は少ないですが、英語には摂食障害(Eating Disorder)と、その予備軍となる「食事との関係が良好でない状態(Disordered Eating)」があります。
Disorderedとは、order(規律の取れた)をdisで否定している単語。直訳で「乱れた食生活」という意味です。
その傾向はこちら
・食べる量を増やすのが怖い
・ダイエットを繰り返す
・特定の食べ物を怖がる
・やけ食い、ドカ食い等、食事のコントロールが効かない
・食べた後や、運動せずに食べることへの罪悪感
・食べ過ぎた後、食事の制限、断食、運動で「なかったことに」しようとする
・食事、体重、体型への執着
など
このリストを見て、ハッとしませんか。
万年ダイエッターも、糖質制限ダイエットも、ファスティングも、1日1000kcalも、夏を目前に繰り返すダイエットも、正月太りの罪悪感で始める運動も、この予備軍カテゴリーに含まれます。その考え方は「普通」であるべきではなく、間違ったダイエットの概念に取り憑かれた「不健康なもの」だからです。「摂食障害とか私には無縁だし、そこまでダイエットに振り回されてはないし」って思っている人も、もしかしたら気付いていないだけで自分が当事者になっているかもしれません。
ダイエットの”普通”
今の流行のダイエットや”健康”情報を見てみると、このリストにひっかかるキーワードがたくさん出てきますよね。
SNSにはプロフィールに目標体重を掲げてダイエットをする人で溢れていたり、ネットニュースでは数ヶ月で10kg痩せた芸能人が人気急上昇したり、ジム広告では2ヶ月で痩せるものがブームになったり、テレビでは激しい食事制限と運動プログラムで激痩せする特集があったり…。
本来、日常にあるべきではないことが「当たり前」になってしまっている現代。マック、コンビニ、ポカリは、青春の風物詩として私たちの生活に根付き、偏った食事が”普通”になった今の生活ではバランスの取れた食事をすることが「意識高い」「ダイエット」と呼ばれるようになってしまいました。
流行のダイエットをやって迷子になり、ボロボロになった心と身体で私の元に相談に来る人たちを見ながら「この流行で1番得をしているのはいったい誰なんだろう…」なんて考えています。
AUTHOR
mikiko
パーソナルトレーナー|自身の失敗経験を元に個人差や体質を重視した『mikiko式フィットネス論』を提唱|身体と人生観が変わるフィットネス哲学で、一生ブレないための視野と学びを発信しています|流行を根拠と本質で斬る人| 筑波大学健康増進学修士|NZベストトレーナー入賞
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