【ゆらゆら揺らすだけ】「筋膜の潤い」をカギ！脚裏を無理なくゆるめて柔軟性を高める「筋膜リリース」

筋膜を伸ばしてゆらし「水和」を促すと激変!

筋膜はコラーゲン線維やエラスチン線維でできていて網目状に全身に張り巡らされています。筋肉、内臓、骨等の組織をつないでいるため結合組織と呼ばれることも。
「線維上には間質液という体液が流れていて、これが潤いの正体です。体液の流れが停滞すると筋膜同士が癒着し、筋肉の柔軟性が低下。柔軟性を取り戻すには、筋膜に振動や圧などの刺激を与えて体液の流れを促し、筋膜の癒着を解く必要があります。これがいわゆる筋膜リリース。体液の流れ、つまり筋膜の潤い(水和)を維持できると、筋肉が持つ本来の柔軟性を発揮できるようになります」と峯岸先生。
筋膜のリリース法は種類あり、「ほぐしたい筋肉の筋膜に直接アプローチする方法がひとつ。また筋膜にはいくつかのつながりがあって、そのつながりの連動性を利用し、ターゲットとなる部分の筋膜から離れた筋膜にアプローチする方法も有効。今回は体が硬い人にありがちなお悩みに適した対処法で、筋膜を伸ばしてゆらし、体液の流れを良くしていきましょう!」

筋膜の正体は?

筋膜は、筋肉全体を包む筋外膜、個々の筋線維を包む筋内膜、筋周膜とがあり、それぞれが外側の筋膜にさらに包まれている(上)。その筋膜を構成しているのは、コラーゲン線維とエラスチン線維で、「膜」というよりネットのような形状をしている(下)。

ダウンドッグで“膝が伸びません！”

そんなあなたは脚裏の筋膜をゆらしてリリース

使用する筋膜ラインは[スーパーフィシャルバックライン]

体の背面・表層にあり、足底から頭部を通り額までつながる筋膜ライン。膝の可動域を上げるには、筋膜の硬さを直接ほぐす方法と、足趾(そくし)の裏側から足底にアプローチし、間接的に腿裏の筋膜をゆるませる方法があります。

つま先上げ屈伸

腿裏をダイレクトにほぐし、膝の可動制限を解除
足底やかかと裏、アキレス腱、ふくらはぎの筋膜にテンションをかけながら、屈伸運動で腿裏の筋膜に振動を与え硬さを解放。頭が下がり腰が丸まると膝下が伸びないので上体は真っすぐに。

両手を壁につき、左つま先をブロックにのせる。股関節から屈曲し頭頂から尾骨は一直線をキープ。

腰は丸めず両膝を曲げる→伸ばす動きで振動を与え、腿裏の筋膜をリリース。60秒ゆらして反対も。

これも効く！
同じ筋膜ラインにある頭頂の帽状筋膜(腱膜ともいう)をほぐすのも効果的。頭頂から直径10cmの範囲を、両手の指の腹で頭皮を動かしながら揉む。30秒。

教えてくれたのは...峯岸道子先生
Body&Mind Yoga Studio主宰。肩甲骨ヨガ、ヨガ棒など独自のメソッドを多数開発。痛みや体の変化に寄り添う指導が幅広い年代に支持。