60代ヨガ講師が実践【手の力を使って大臀筋の癒着をしっかりはがす】ゆらすだけ!筋膜リリース
柔軟性を上げるには筋肉ではなく、筋肉を包む筋膜にアプローチするのがポイント。その際にカギとなる「潤い」の正体と、体が硬い人にありがちなお悩み解決に役立つ筋膜のリリース法を、峯岸道子先生がレクチャー。
筋膜を伸ばしてゆらし「水和」を促すと激変!
筋膜はコラーゲン線維やエラスチン線維でできていて網目状に全身に張り巡らされています。筋肉、内臓、骨等の組織をつないでいるため結合組織と呼ばれることも。
「線維上には間質液という体液が流れていて、これが潤いの正体です。体液の流れが停滞すると筋膜同士が癒着し、筋肉の柔軟性が低下。柔軟性を取り戻すには、筋膜に振動や圧などの刺激を与えて体液の流れを促し、筋膜の癒着を解く必要があります。これがいわゆる筋膜リリース。体液の流れ、つまり筋膜の潤い(水和)を維持できると、筋肉が持つ本来の柔軟性を発揮できるようになります」と峯岸先生。
筋膜のリリース法は種類あり、「ほぐしたい筋肉の筋膜に直接アプローチする方法がひとつ。また筋膜にはいくつかのつながりがあって、そのつながりの連動性を利用し、ターゲットとなる部分の筋膜から離れた筋膜にアプローチする方法も有効。今回は体が硬い人にありがちなお悩みに適した対処法で、筋膜を伸ばしてゆらし、体液の流れを良くしていきましょう!」
筋膜の正体は?
筋膜は、筋肉全体を包む筋外膜、個々の筋線維を包む筋内膜、筋周膜とがあり、それぞれが外側の筋膜にさらに包まれている(上)。その筋膜を構成しているのは、コラーゲン線維とエラスチン線維で、「膜」というよりネットのような形状をしている(下)。
“手と手の間に一歩”ができません!
そんなあなたは股関節まわりの筋膜をゆらしてリリース
使用する筋膜ラインは[ラテラルライン]
体の両側面を通り、下半身は足の外側からお尻、上半身は体幹部から首まで。ゆるめたい大臀筋の筋膜は、ラテラルラインとバックファンクショナルライン、2つのライン上に位置。
使用する筋膜ラインは[バックファンクショナルライン]
ファンクショナルラインには、体の前面、背面、側面を通る3つのラインが存在。ここでは背面でX字を形成し、中心に大臀筋の筋膜があるバックファンクショナルラインにアプローチ。
引き寄せ前屈
手の力を使って大臀筋をしっかりリリース
お尻にある大きな筋肉、大臀筋が硬いと股関節の動きが低下。両手でブロックを引き寄せることで骨盤が深く前傾し、大臀筋の筋膜の伸びが深まりリリース効果がアップします。
あぐらから左外くるぶしをブロックの上。両手は体の後ろ、指先は後方へ、床を押して背筋を伸ばす。
左膝は90度、つま先を反らせて足首の角度も直角をキープ。
両手でブロックの両側を持って手前に強く引き、骨盤を前傾。腰は丸めず股関節から屈曲させて。
ゆれてキープ
大臀筋を伸ばしながら、体を右に倒して左の大臀筋をゆるめる→正面に戻る動きを繰り返す。60秒ゆらして反対も。
教えてくれたのは...峯岸道子先生
Body&Mind Yoga Studio主宰。肩甲骨ヨガ、ヨガ棒など独自のメソッドを多数開発。痛みや体の変化に寄り添う指導が幅広い年代に支持。
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