【揺らすだけ】柔軟性UPのカギは筋膜の潤いだった!揺らして“水和”を促すと激変「筋膜リリース」

 【揺らすだけ】柔軟性UPのカギは筋膜の潤いだった!揺らして“水和”を促すと激変「筋膜リリース」
Kenji Yamada

柔軟性を上げるには筋肉ではなく、筋肉を包む筋膜にアプローチするのがポイント。その際にカギとなる「潤い」の正体と、体が硬い人にありがちなお悩み解決に役立つ筋膜のリリース法を、峯岸道子先生がレクチャー。

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筋膜を伸ばしてゆらし「水和」を促すと激変!

筋膜はコラーゲン線維やエラスチン線維でできていて網目状に全身に張り巡らされています。筋肉、内臓、骨等の組織をつないでいるため結合組織と呼ばれることも。
「線維上には間質液という体液が流れていて、これが潤いの正体です。体液の流れが停滞すると筋膜同士が癒着し、筋肉の柔軟性が低下。柔軟性を取り戻すには、筋膜に振動や圧などの刺激を与えて体液の流れを促し、筋膜の癒着を解く必要があります。これがいわゆる筋膜リリース。体液の流れ、つまり筋膜の潤い(水和)を維持できると、筋肉が持つ本来の柔軟性を発揮できるようになります」と峯岸先生。
筋膜のリリース法は種類あり、「ほぐしたい筋肉の筋膜に直接アプローチする方法がひとつ。また筋膜にはいくつかのつながりがあって、そのつながりの連動性を利用し、ターゲットとなる部分の筋膜から離れた筋膜にアプローチする方法も有効。今回は体が硬い人にありがちなお悩みに適した対処法で、筋膜を伸ばしてゆらし、体液の流れを良くしていきましょう!」

筋膜の正体は?

筋膜は、筋肉全体を包む筋外膜、個々の筋線維を包む筋内膜、筋周膜とがあり、それぞれが外側の筋膜にさらに包まれている(上)。その筋膜を構成しているのは、コラーゲン線維とエラスチン線維で、「膜」というよりネットのような形状をしている(下)。

83 柔軟性UPのカギは筋膜の潤いだった!|ゆらすだけ!筋膜をリリースするヨガ①
筋外膜、筋内膜、筋周膜
83 柔軟性UPのカギは筋膜の潤いだった!|ゆらすだけ!筋膜をリリースするヨガ①
コラーゲン線維、エラスチン線維

水和を促し、筋膜を効果的にリリースするためには

1. 体を温めてからワークを行う

筋温度が低いと体液が滞りやすいので、ワーク前に全身運動の太陽礼拝などで筋温度を上げておくと◎。ジャンプバック&インの動きは、血行促進効果が高く筋温度が効率的にアップ。

2. ポーズのキープ時間は長めにとる

水和を促すには、ポーズを短時間キープするだけでは効果なし。本来であれば2〜3分キープするのが理想ですが、少なくともすべてのワークで60秒キープを目指しましょう。

3. ポーズをキープしている間、体をゆらす

水和は筋膜に振動を与えると促進されます。ターゲットとなるほぐしたい筋膜を上下左右にゆらすほか、呼吸を意識して吸って吐くことで生じるゆらぎもリリースに効果的。

プレワーク

「筋温度」を上げるための太陽礼拝アレンジ

①脚を坐骨幅に開いて立つ。足裏で床をしっかり捉え、吸う息で両腕を天井へ持ち上げ全身を引き上げる。

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photo by Kenji Yamada

②吐きながら上半身を股関節から屈曲させ、両手を足の横につく。手が床につかなければ両膝は曲げてOK。

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③両膝を深く曲げて肩の下に両手をつく。吸いながら両足で床を蹴ってジャンプバックしプランクポーズに。頭頂からかかとは一直線。

83 柔軟性UPのカギは筋膜の潤いだった!|ゆらすだけ!筋膜をリリースするヨガ①
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④吐きながら両足で床を蹴り、脚力を使ってジャンプイン。

83 柔軟性UPのカギは筋膜の潤いだった!|ゆらすだけ!筋膜をリリースするヨガ①
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⑤両膝を伸ばし、両手を足の横につき②のウッターナーサナに。①に戻り、一連の動きを5回以上繰り返す。

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“手と手の間に一歩”ができません!

そんなあなたは股関節まわりの筋膜をゆらしてリリース

使用する筋膜ラインは[ディープフロントライン]

後脛から内腿、体幹部、首の横にかけて、体の中心・深層を通るのがディープフロントライン。ほかのラインの中でもっとも長くまた高密度とされるので、じっくり時間をかけて行うことが大切です。ここでは内転筋、腸腰筋、大腰筋の筋膜にアプローチ。

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ディープフロントライン

針の糸通しのポーズ

内腿の筋膜の水和を促し、腸腰筋にアプローチ
ほぐしたいのは、脚の付け根の奥に位置し、股関節の可動に関わる腸腰筋。そこで腸腰筋と同じ筋膜グループである内転筋群の筋膜をほぐし、水和を高めることで腸腰筋をやわらかくしていきます。

四つん這いになり肩の下に手首、骨盤の下に膝をセット。足の甲を床につける。

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右脚を骨盤の真横に伸ばす。つま先が外に向くと、内腿ではなく腿裏が伸ばされるので、つま先と膝は正面に。

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右腕を左腕の後ろへ通し、右肩を床につける。上体を回旋させると内転筋群の筋膜が伸びる。

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ゆれてキープ

内転筋群を伸ばしながらお尻をゆっくり左右にゆらし、振動を与えて筋膜をリリースする。60秒。反対も。

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教えてくれたのは...峯岸道子先生
Body&Mind Yoga Studio主宰。肩甲骨ヨガ、ヨガ棒など独自のメソッドを多数開発。痛みや体の変化に寄り添う指導が幅広い年代に支持。

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photos by Kenji Yamada
illustrations by Misako
hair&make-up by Kyoko Suzuki
text by Ai Kitabayashi
yoga Journal日本版Vol.83掲載

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