EXILE TETSUYAさんインタビュー「健康と教育の2つのベクトルでダンス人生を歩みたい」
唯一無二のパフォーマーであり、次世代を育成するEXPG高等学院の学長、厚生労働省「健康クリエイター」、「AMAZING COFFEE」プロデューサーと、多方面で活躍しているEXILE TETSUYAさん。本誌初登場の最新号vol.82では凛々しいアーサナを披露。ダンスを追求するなかで出会ったヨガのこと、レッスンに通ううちに体と心、さらにはパフォーマンスにもシナジーを感じた体験を語ってくれました。ここでは撮影秘話や本誌インタビューで伺ったTETSUYAさんの想い、たくさんの夢を花開かせてきた今までとこれからについて、ご紹介します。
ヨガで培った「呼吸とともに動く」こと
おおらかで自然体な佇まいのなかに、静かな情熱と芯の強さをたずさえる……自身のそんな内面を物語るように、本誌では力強く凛と、それでいて伸びやかなアーサナを披露してくれたTETSUYAさん。撮影が行われたのは2022年6月。ちょうど今夏開催中のドームツアーに向けて、リハーサルやトレーニングをハードに行っていたこともあり、筋肉のこわばりを感じていた様子。ですが撮影前に行われたヨガレッスンで体と心が自然とほぐされ、カメラの前ではしなやかに体に繊細な意識を向け、アーサナを深めていく姿が印象的でした。
「パフォーマンスを向上させるために、これまでいろんなメソッドを試してきたんですが、ヨガは『呼吸とともに動く』のが特徴的で、パーツごとに呼吸や意識を届けながら、体をしなやかに伸ばせる。その感覚はヨガで初めて体感しましたが、それがダンスの伸びやかさにも活かされていると感じます。2年ほどヨガのレッスンに通っていて、そのときの『大地から力強く生えている木のようなイメージで』という先生のリードもすごく印象深くて、まさに自分が大地から生えているイメージを思い浮かべながらやっていました」
大地に強く根ざすグラウンディング力が養われると、地に足がつき体と心の「自分軸」も自然と強くなっていく……そう今は実感しているというTETSUYAさん。ですが以前は、大きなグループのパフォーマーとして人気を博すなかで、周りと比べて自分を見失った時期もあったそう。
「想いが伝わるダンス」から見えた自分軸
「メンバーそれぞれが活動の場を広げるなかで、僕自身も自分らしさや得意分野を模索した時期がありました。でもそこで、ふと原点に戻って内観したときに、自分はやっぱりダンスを踊ること、上手かどうかの前に『想いが伝わるダンス』を踊っていきたいと感じたんです。そこから、じゃあ『想いが伝わるダンス』って一体どうすればいいんだろうと考え始めて。たとえば指先にまでもっと意識を向けてみようといったように、踊り方やステージの立ち方がだんだんと変わっていきました。そのなかで、ダンスやトレーニング、健康の向上を目指す『EXILEパフォーマンス研究所』をつくったり、専門家の方々にも幅広くお話を聞きに行ったり、そうしたプロセスを経ていくうちに、パフォーマンス力を上げる=健康の度合いをどんどん上げていくことだと気づいたんです。それから、健康についての知識を深め、学んだことを周りにも伝えたいと思い始めて。同時に、震災以降は子どもたちと一緒にダンスを踊る経験にも大きく心を動かされ、TV番組でも長くダンス指導に携わらせてもらって、そのあたりから『健康』と『教育』という2つのベクトルを深めながらダンス人生を歩みたい、という自分軸が強くなっていった気がします」
点と点とが繋がっていくかのように、進みたい道が次々に開かれていくなかで、「自分らしさ」の輪郭や軸がだんだんと確かめられていったというTETSUYAさん。さらに知識や自信を深めたいという情熱にも火が灯り、2018年には早稲田大学大学院スポーツ科学研究課の修士課程を卒業、その際にまとめた修士論文は優秀論文賞も受賞しています。
ダンスで養われた経験が人生で役立ってくれたら
「大学院ではダンスはもちろん、スポーツ全般を学術的に学べた経験はとても有意義で、修士論文では中学校体育の教育現場を紐解きました。というのも、TV番組で指導させてもらっていたとき、『小・中学校の体育科目にダンスが組み込まれたものの、教え方がわからない』など、全国からたくさんの手紙ももらっていました。そうした悩みを寄せてくれた先生たちの何かの助けになれたら、という想いはずっとあって。卒業後はその論文をもとにダンスの映像教材を制作して、想いを形にできたのもすごくうれしかったですね。今はEXPG高等学院の学長も努めていますが、これもやりたかった夢のひとつで、すごくやりがいを感じています。みんなダンサーになる夢を持って入学していますが、僕は、もしもその夢が叶えられなくてもそこで人生が終わるわけじゃない、ということも伝えていきたいと思っています。高等学院を卒業して社会に旅立って、それぞれがいろんな分野で自分を輝かせていくなかで、ダンスを通して養われた経験やエンタテインメント性が、人生のいろんな場面で役に立っていくといいなと思いながら、学長を努めさせてもらっています」
大切なのは夢を語ることを「サボらない」
どんな道へ進むとしても、ダンスで培った土壌が豊かな人生を育む……これからもそんなエッセンスを、後輩たちはもちろん幅広い世代に伝えていきたいというTETSUYAさん。EXILEはデビューから20年を越え、進化し続けながらも根底にはいつもEXILEイズムが受け継がれている。そんなメンバーとしての誇りを胸に、「Love, Dream, Happiness」の合言葉を掲げるLDHの一員として、夢を語り、叶える姿も体現し続けたいと語ります。
「夢を思い描き、夢を語ることをやめないっていうのもすごく大切だと思います。語っているとその夢もだんだん変化したり、『あれ? もしかしたらこれも繋げられるかも?』ってアイデアがどんどん膨らんでいったり、それがまた楽しい瞬間でもあって。そうして『俺ってこういう夢があるんだ』と語ることをサボらなければ、いつか必ずどれかは叶うんですよね。僕もまだまだ叶えたい夢はたくさんあります。一生懸命な大人の背中を子どもたちに見せ続けるのは大変なこともあるけど、夢を叶え続ける姿をこれからも見せていけるように進んでいきたいなと思います」
EXILE TETSUYAさん/プロフィール
2007年に二代目J Soul Brothersメンバーに抜擢、2009年EXILEにパフォーマーとして加入。2011年に自身が所長を務める「EXILEパフォーマンス研究所(E.P.I.)」をスタート。2013年からNHK Eテレ「Eダンスアカデミー」の講師として出演するなど教育の道にも従事。2018年に早稲田大学大学院スポーツ科学研究科の修士課程を卒業後は、EXPG高等学院の学長、厚生労働省「健康クリエイター」、コーヒー事業「AMAZING COFFEE」プロデュースなど幅広く活躍中。★EXILE TETSUYAさんが表紙を飾る『ヨガジャーナル日本版』(vol.82)は好評発売中。
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