【嗅覚が失われる仕組みとは?】新型コロナウィルス感染後、嗅覚を素早く回復させる「嗅覚セラピー」
嗅覚トレーニングとプラーナーヤーマのペアリング
SRTと呼吸法の組み合わせはまだ研究されていませんが、「The Yoga of Breath : A Step-by-Step Guide to Pranayama(呼吸のヨガ:プラーナーヤーマのための着実なガイド)」の著者であるリチャード・ローゼンさんは、SRTと呼吸法の組み合わせについて、呼吸をゆっくり行い、より意図的に呼吸することで、より深く匂いを取り込むことができるかもしれないと述べています。
「鼻孔を呼吸で満たす。息が鼻の穴の裏全体に触れるように意識してください」と彼は言います。「平均的な呼吸をする人の多くは、それができていません。そうすることで、一回一回の吸入がより効果的に匂いに触れ、吸い込むことができるかもしれません」。
アヌロマ・ヴィロマ(交互鼻孔呼吸)などのプラーナーヤーママの実践も、鼻を感応させ、匂いを感知する能力を高めるのに役立つかもしれません。
アーユルヴェーダによる嗅覚療法のアプローチ
アーユルヴェーダの観点からも、匂いのトレーニングは理にかなっています。アーユルヴェーダでは、鼻腔から薬(オイル)を入れる「ナスヤ」を治療法として用いてきました。鼻と脳が直結していることを理由に、この方法でオイルを入れることで、「根深いドーシャを取り除く」と考えられています。
マウント・マドンナ・カレッジ・オブ・アーユルヴェーダの学部長である耳鼻咽喉科医のレネ・ロッシ医師は、プラティマルシャと呼ばれる鼻からのクレンジング(浄化)を行うと全身を循環する幹細胞の生成を刺激する可能性があることが研究で示されたと述べています。これは、匂いの受容体を若返らせるのに役立つかもしれません。
ロッシ医師は、清潔な小指にゴマ油をつけ、鼻孔の内側を優しくマッサージして、鼻腔を毎日潤滑にすることを提案しています。ネティポット(鼻洗浄用のポット)に入れた生理食塩水で鼻をすすげば、鼻腔がきれいになり、嗅覚が強化されるかもしれません。
家庭用SRTキットを使用する場合は、慎重に行いましょう。細菌やバクテリアを鼻の中に入れないように、清潔な器具を使用してください。また、ロッシ医師は、原液のエッセンシャルオイルを鼻の組織に直接つけないように警告しています。火傷したり、皮膚を刺激したりする可能性があるからです。
教えてくれたのは…ダヴィダ・ライトさん
フリーランスのライター、ラジオアナウンサー&トラフィックレポーター、フィットネス&ヨガティーチャーとして活動している。
ヨガジャーナルアメリカ版/「This Therapy Promises To Speed Smell’s Return After Covid」
AUTHOR
ヨガジャーナルアメリカ版
全米で発行部数35万部を超える世界No.1のヨガ&ライフスタイル誌。「ヨガの歴史と伝統に敬意を払い、最新の科学的知識に基づいた上質な記事を提供する」という理念のもと、1975年にサンフランシスコで創刊。以来一貫してヨガによる心身の健康と幸せな生き方を提案し続けている。
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