更年期と介護とコロナ禍中に発熱が重なった話【ピンチが重なった時の対処法】

 更年期と介護とコロナ禍中に発熱が重なった話【ピンチが重なった時の対処法】
Adobe Stock
高本玲代
高本玲代
2022-02-08

更年期と聞いてイメージするのは何でしょうか?イライラしている、のぼせて汗をかいている…そんなイメージを持つ人が多いと思いますが、実は肩こりや頭痛、疲れやすさも更年期症状なのです。そんな"知られざる更年期"について、更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載です。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。

広告

更年期にまつわる仕事と母の不調が重なった出来事

更年期になってからというもの本当に体力のなさを感じつつ、その中でも仕事が忙しくなりなかなか運動ができないでいました。年末からNHKと取材のやりとりをしていたのですが、TV関連の取材は時間が取られることが多く、ことNHKに関してはヒアリングから始まり、実際の収録までに膨大な時間をかけての取材があります。(この経験で「これだけの人件費がかかっていたるのだから視聴料も払わなければいけないな」と個人的には思うようになりました)。年末から自宅の隣に住む母の調子が悪くなり、お正月頑張ろうと思っていた仕事は一気に持ち越しになりました(タイミング悪く、父が抗がん剤治療のため入院した日に母の不調が重なり、母の面倒を私が一手に引き受けることになりました)。

更年期取材当日の次女の発熱

年が明け、徐々に母を含めた生活のペースがつかめるようになりました。足に血栓ができていた母も少しずつ体調を取り戻していました。そんな矢先、NHKクルーが東京からわざわざ取材に来るという事で準備していましたが、到着の30分前に次女が嘔吐し発熱するという事件が起こりました。

すぐにNHKクルーに電話し、撮影は中止に。東京から来た方々に直接挨拶することもできないまま彼らはとんぼ返りとなってしまいました(結局撮影はオンラインインタビューとなりました)。

次女が発熱した翌日、幼稚園から「コロナ感染者が出た」との通知が。次女のコロナ感染を覚悟した瞬間でした。この時期発熱すると普通に病院にはいけないので、発熱外来(ER)に。運が良かったのは次女が慢性疾患で大きな病院に毎月かかっており、発熱外来の対応も主治医がしてくれました。「嘔吐して熱が出た」旨主治医に伝えると「子供のコロナは嘔吐が多いから、陽性は半々かなぁ」と言われ絶望的な気分になりました。

PCR検査を受けて自家用車で待つこと1時間、主治医から携帯に連絡が入って一言「陰性やったよ。良かったね!お薬出しますね」と言われ、ホッと一息。しかし、その後次女は発熱が増え、幼稚園になかなか通えない日が続きました。

疲れと体力低下が重なり高熱、そして母の転倒

ただでさえ疲労感を感じている更年期。次女がしょっちゅう発熱してますます疲労を感じる中、また父が抗がん剤治療のため入院。「また私が母の面倒を見なくては」と思っていた矢先に母が「腰が痛くて座っていられない」と言い始めるようになりました。「明日でも病院に行く?」といっていた矢先に私に悪寒が走り、熱を測ると39度。しかし、買いだめしていた抗原検査キットは何度やっても陰性。高熱で次女を連れて行った発熱外来に行く気力も起きませんでした。母のことが気になりつつも、発熱していると母のところに行けません。その中、母から連絡が入り「夜中にトイレで転倒した」と。母も痛かったと思いますが、私が訪問できない間にほぼ絶飲食状態で2日間寝込んでいました。

熱が下がってやっと母の家に行き、その足で病院に電話。病み上がりで母を大きな病院に連れていきましたが、初診のため延々と待たされ、病院の滞在時間は8時間にも上りました。そして母の診断結果は「骨折」でした。

介護や子育てが重なる更年期の乗り越え方

今は外部のお手伝いサービスなどを使いつつも、母の介護に携わりながら仕事をしています。結局発熱は次女⇒私⇒夫⇒長女と順繰りに回って現在進行形です。でも自らの経験で「死ぬ病気ではない」ということがわかったので、様子を見つつ淡々と本人たちの自然治癒力を頼みに過ごすことにしました。

いろんなことが重なる更年期の時期ですが、心がけていたことがあります。それは「文字で今起こっていること・やるべきことを書き起こし、優先順位や対策を見える化していくこと」です。

私の場合、日頃から訓練してるのですが「仕事・子供・介護・自分の体」といった項目を細分化し、今起きている問題点や懸念事項を上げていきました。あんなに不安になっていたことでも紙に書き起こされ、それぞれの対処法を書き加えていくと気持ちが随分軽くなります。

「もうどうにもならない!」と暗い気持ちになったこともありましたが、対策やスケジュールを書き入れていくと「なんだ、意外になんとかなりそう」という気づきが与えられるのです。

頭で考えるだけでは「どうしよう」という気持ちがぐるぐると駆け巡ります。しかし、人生のハードな時期こそ、問題点を書き上げてクリアにしていくことは大きな助けになります。

今ご自身の更年期・親の介護・コロナ禍や子供のこと等、問題が一度に発生している方は非常に多く、実際私が運営する更年期世代向けサービスのユーザー様からも同様の相談が寄せられます。そんな時こそ、是非紙に書いて今の問題をクリアにしてください。一人で難しければ、パートナーの手を借りたり、外部の手を借りても良いでしょう。第三者から気づきをもらって書き上げていくとずいぶん気持ちが変わっていきます。「どうしよう」と焦ってあなたがつぶれてしまうよりはコストはずっと安く上がるはずですよ。

広告

AUTHOR

高本玲代

高本玲代

フェムテック起業家・社会活動家。自身のウツや更年期の経験から更年期女性のケアプロ グラム「よりそる」を立ち上げる。東京都をはじめとする自治体やポーラをはじめとする 企業向けに研修を実施。NHKをはじめメディア掲載50社以上。「がんばらない更年期」 についてYoutube「更年期アカデミー よりそる」で発信中。



RELATED関連記事