外見の若さだけで成り立つようなアイデンティティなら捨ててやる|女優・藤井美穂の生きる道

Miho Fujii

外見の若さだけで成り立つようなアイデンティティなら捨ててやる|女優・藤井美穂の生きる道

藤井美穂
藤井美穂
2021-12-18

ハリウッドで俳優&プラスサイズモデルとして活動、SNSを使ってボディポジティブを発信するアクティビストでもある藤井美穂さん。彼女が今考えていることを、飾らない言葉で綴るコラム連載。

世界で一番の美人より、世界で一番面白い人になりたい

最近友だちに「世界で1番美人になるのと、世界で1番面白くなるのとどっちがいい?」と聞かれた私は、間髪いれずに「世界一の面白!」と答えた。

友だちは大きな声で「なんで?!」と聞き返した。

その時私の頭の中には、漫画家・西原理恵子さんの言葉がよぎっていたからだ。

西原理恵子さんは以前、「美しさや若さとは価値は高いが暴落しやすい資産である」というようなことを発言されていた。美しさはいずれ朽ちてなくなる。しかし面白さは、私が脳の機能や能力を失うまでは朽ちない。

役者は男女の寿命のギャップが激しい職業だと思う。

最近『フリーダ』というフリーダ•カーロの自伝映画を観た。フリーダの人生の中に自分と似た魂のようなものを感じて、アーティストとして人間としてすごくインスピレーションをもらえた。主演を演じるのはサルマ•ハヤック。メキシコ出身の俳優で彼女が演じるフリーダはどのシーンでも火をあげて燃えているようなパッションを感じる演技だった。

また最近観て感動した映画「エターナルズ」でも彼女はスーパーヒーローチームのリーダーを演じていた。中年の女性がヒーローチームの舵をとる姿はあまり観ないということに気がついた。彼女は強くて、その強さの中に色気がある素晴らしい演技をしていた。

しかしインタビューの中で彼女は、この映画のオーディションを受けることに躊躇したと語っていた。まず初めに自分の役はエキストラか年老いた売春婦だ思っていたというのだ。しかし女性監督のクロエ•ジャオが彼女に与えたのは超カッコいいヒーローの役だった。

多くの女優の人生は20〜30代にピークを迎え、40代でピタッとなくなってしまう。彼女が50代でスーパーヒーローの役ができること、そのこと自体が既にこの映画を特別なスーパーヒーロー映画にしている事柄の一つだと思う。

藤井美穂
女優、コメディアン、プラスサイズモデルとして、ハリウッドで活動する藤井美穂さん。

「若く見える」が"嬉しい褒め言葉"のままで良いのか

女性が年老いてから外見を褒められるときには、どれだけ若く見えるかということばかりフォーカスしてもてはやされる。「〇歳には見えない!」既にそう言ったことを言われたことがある。果たしてそれが「嬉しい言葉」のままで良いのだろうか?と、こんなことを言いながらも、きっと私は「〇歳に見えない!」と人に言われたらなんとなく喜んでしまうんだろうな、とも思うのだが、私は年々歳老いて、歳を取ることが好きになってきている。私は"若くいたい"んじゃなくて、"美しくいたい"のだ、と思うようになったから。

私は自分の人生の中で、”若く”ないけど”美しく”いられるにはどうしたらいいのかを考えている。

もちろん”健康でいる”とか”挑戦を恐れない”若さは失わないでいたいが、「若さ=美しさ」の方程式は人間の進化の中で変えられる部分ではないかと思っている。人間の生き物としての本能だから変えられないという人もいるだろうけど。

でもさ、わからんじゃんね?

まぁコレは私の人生の中で答えを探させておくれよ、と思っている。そしてこれが「面白い自分が好き」ということにも繋がってきている。私は何よりも「面白い」という褒め言葉が一番嬉しいのだ。

もしも、世界の「若さ=美しさ」の方程式を覆せなかったとしても、私のアイデンティティは消えない。「私は私のままでいれる」と思える芯の部分が自分の面白さである。

女性は、人生の中で結婚したり、母親になったり、若さと美しさの資産が暴落したりして、アイデンティティを失うことが多い人生なのではないかな、と不安になることがある。

でも面白さは消えてなくならない。私のアイデンティティ自体がなくなってしまうときが、私の面白さがなくなるときだ。

そんなふうに、自分を奮い立たせている。

もともと私が「面白くなったキッカケ」は、世間が考える「美人」の基準にはまっていない、と気づいたからだった。悲しいかな。

私が女優という仕事をしてるのは、自分でも押さえられないような”目立ちたがり屋”の性格のせいである。これは神様から貰った天性のようなもので、私は小学校に上がるくらいまで必死になって目立つ方法を見つけてはやりまくった。スーパー戦隊ショーに行って、中盤の悪役が会場の子供たちを仲間に入れようとするシーンでは必ず誰よりも早く大きな声で手を挙げた。どこに行っても選ばれる目立つ大きな声で近所で有名な子供になった。

*後編に続く

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藤井美穂

藤井美穂

女優、コメディアン、プラスサイズモデル。 ハリウッドで国際派女優を目指し奮闘中。その傍ら、プラスサイズモデルとして、インスタグラムでインフルエンサー活動も行っている。インスタグラムは現在6万人のフォロワーが、twitterには2万人のフォロワーがいる。

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