コロナ禍で抱えやすいストレス・不安を和らげる「マインドフルネス瞑想」オンラインレッスンをレポート
ヨガジャーナルオンライン公認インストラクターによる、サブスクリプションのオンラインレッスンが続々スタート。今回は吉田昌生先生による「不安・ストレスを和らげるマインドフルネス瞑想」をレポートします。メンタルが不安定になりやすいウィズコロナ時代に、瞑想で心のセルフコンディショニングを始めてみませんか。毎月テーマを変えてお届けしている本クラス12月のテーマは「自己肯定感」、実際にクラスを受けた感想やオンラインクラスのメリット・デメリットなどをレポートします。
コロナ禍で抱えやすい不安・ストレスを和らげる「ハートフルな瞑想クラス」
「不安・ストレスを和らげる『マインドフルネス瞑想』」は、毎週月曜日の夜にzoomを使って開催するオンラインレッスンです。レッスンの目的はマインドフルネス瞑想を通して感覚、感情、思考との関わり方を改善し、自らを思いやり、ありのままを受け入れられる自分になること。頭の中でダメ出しが止まらず、今の自分を認められない……。そんな思考の癖を持つ人も否定的な気持ちが少しずつなくなり、「私は存在しているだけで価値がある」「私は欠けているところがあっていい」と受容的な気持ちに。今できることにフォーカスし、今ある幸せにも気づけるため、マインドフルネス瞑想を続けると不安やストレスを手放しやすく、幸福度が高まると言われています。
瞑想で心の辛さを克服した体験をもとに、吉田昌生先生が直接指導
毎月テーマが変わる本レッスン、12月のテーマは「自己肯定感」。レッスンを担当する吉田先生は、マインドフルネス瞑想協会代表理事を務める瞑想のエキスパート。今回、自己肯定感にフォーカスした思いを次のように話します。
「私自身、自分に自信がなく劣等感や無価値観、将来に対する漠然とした不安を抱えていた時期がありました。周りからの評価を過剰に気にしてしまい、人前に立って話すことも苦手。しかも思い通りにならないことへの耐性が低く傷つきやすい性格でした。原因は心ここにあらずのマインドレスネスな状態と、自己受容ができなかったことにあります。同じように悩んでいる方に、不完全な部分を肯定的に受け入れられるようになってほしいですね。私を変えてくれたこのメソッドを多くの方にシェアしたいと思っています」
自己否定的な思考は生まれつきではなく、親との関係や教育を受ける過程で後天的に身についたもの。思考の癖や行動パターンはマインドフルネス瞑想を繰り返し行い、感覚、感情、思考との向き合い方をリプログラミングすることで改善されると言います。
マインドフルネスは科学的アプローチに基づくメソッド
「マインドフルネス」は、「今この瞬間に心と体が経験している出来事を、ありのまま感じる」ことを意味しています。瞑想中は過去の後悔や未来の不安が浮かんでくることを否定せず、観察者の視点で「今、○○と思った」と客観的に受け止めます。するとネガティブな感覚、感情、思考と距離が生まれて巻き込まれなくなり、考え方の癖に気づいたり、すべての思考を鵜呑みにしたりせず意識的に違った考え方や行動を選択できるようになると言います。このメソッドはマサチューセッツ大学医学部教授のジョン・カバット・ジン博士が1979年に提唱し、現在ではGoogle、Appleなどの企業や医療現場で導入。メンタルヘルスの向上に寄与する科学的根拠のあるプログラムとして世界的に認められています。
調身、調息、調心の3ステップで自分と対峙し、整える
次は、実際のオンラインレッスンの流れを紹介します。今回は「今ここに注意を向けて、考えていること、気になったことに気づく」がテーマ。毎回テーマに沿った座学を15分程行った後、マインドフルネスヨガ(調身)、呼吸法(調息)、マインドフルネス瞑想(調心)の順に進みます。
ステップ1のマインドフルネスヨガでは座ったまま軽く体を動かし、筋肉の動き、筋肉を収縮&弛緩させた後の血液の流れ、心音などを感じて外に向いた意識をこの瞬間の体の感覚に戻します。
ステップ2の呼吸法は呼吸の長さや深さをコントロールしようとせず、自分のペースで行うのがポイント。呼吸が入って出ていく感覚、お腹が膨らみへこむ感覚に注意を向け、途中で浮かんでくる感覚、感情、思考に気づいたら呼吸に意識を戻す、を繰り返します。
ステップ3のマインドフルネス瞑想も同様に、「考え事が浮かんだら気づき、意識を今に戻す」を続け、最後は自分と周りの人にいつくしみを向ける慈悲の瞑想を実践。「私が幸せでありますように」「今日ここにいる人たちが幸せでありますように」と心の中で唱え、温かく穏やかな気持ちで45分のレッスンは幕を閉じました。
【レッスンを振り返って】「私」を最優先し、自分に優しくなれる大切な時間に
21時から始まるレッスンなので夕食の片づけを終えて参加した人も多いはず。気持ちの切り替えが難しそうと思ったら、先生の落ち着いた声のガイドに導かれ自然と瞑想モードに入れました。考えてみると家族のために家事を行い、クライアントや会社のために仕事をこなし、日々の暮らしで「自分のため」に費やす時間のなんて少ないこと。マインドフルネス瞑想の45分間は、自身の思考パターンを理解し、不完全な自分を愛情深く見つめる自己愛にあふれた時間でした。
自己肯定感を高めるには、こうして自分ときちんとつながることが大切なんだと実感。また夜は一日の反省や後悔、そして明日の心配事が浮かんでくる時間帯でもあります。ネガティブ感情が頭の中を駆け巡り眠れない人は、就寝前のマインドフルネス瞑想で感情と距離を取れるようになると、スムーズに入眠できると思います。
オンラインクラスのメリットとデメリットとは?
まずオンラインクラスのメリットは、家事やテレワークの途中にサクッと参加できる手軽さが一番。隙間時間を活用して瞑想を習慣化できるので忙しい人にもおすすめです。あえてデメリットを挙げるなら……。人によっては気持ちの切り替えが難しく、またクラスの一体感を味わえないと感じるかもしれません。
ただマインドフルネス瞑想は無になることを求めていません。リビングから聞こえるテレビの音に意識が向くのはむしろ当たり前で、それに気づいて再びこの瞬間に戻ることが大切。一体感については意識を内へ、内へと向かわせて自分とのつながりを味わうことを楽しんでみるといいかも。先生にチャットで気軽に質問できますし、サブスクリプションなので回を重ねて顔見知りのメンバーが増えればコミュニティ感も味わえそう。悟りの境地を目指す高度な瞑想ではなく、自分を労わるご褒美の時間と思って参加し、変えられないと思っていた考え方、生き方に現れる変化を楽しんでみてはいかがでしょうか。
「不安・ストレスを和らげる『マインドフルネス瞑想』」は、毎週月曜日夜9時から(月4回開催)。気になったひとは、ぜひチェックしてみてください。詳細はこちらから!
AUTHOR
北林あい
臨床傾聴士(上智大学グリーフケア研究所認定)。30代で発症した乳がんの闘病中、心の扱い方に苦労した経験からグリーフケア(悲嘆のケア)を学ぶ。現在は、乳がんのピアサポートや自殺念慮がある人の傾聴に従事。医療・ヘルスケア分野を得意とする執筆歴20年超のフリーライターでもあり、「聴く」と「書く」の両軸で活動中。
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