【ストレスを手放し、人生を楽にするヒント】不安やストレスを抑え、心にバランスをもたらすヨガ練習法

 【ストレスを手放し、人生を楽にするヒント】不安やストレスを抑え、心にバランスをもたらすヨガ練習法
Ian Spainer

ヨガジャーナルアメリカ版の人気記事を厳選紹介!人生をもう少し楽に、バランスをもたらしてくれるポーズを紹介しよう。

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真実を語ろう:

人間の脳は、トラに追われているときと、 Eメールに衝撃を受けているときの違いを認識しない。現実、妄想にかかわらず、ストレスを感じたり、危険を察知したりする際に発動する脳の部位である扁桃体は、両方の局面で活性化してしまうのだ。
こういう状況は、逃げるか戦うか固まるか、という反応を生み出す。コルチゾールやアドレナリンなどのホルモンが体内システムにあふれ、強烈で瞬間的な反応が起こる。心拍数が上がり、手のひらに汗をかき、危険が去るまで走るなり隠れるなりしなくては、という衝動を感じることもある。
こういった生物としての反応は、実際に危険が差し迫っている状況で、命を救ってくれるかもしれない。ただし、命にかかわるような出来事でもないのに、こういう反応が繰り返し起こり、ホルモンが大量に分泌され続けたら、免疫系は大きな打撃を受け、胃腸の健康が損なわれたり、うつ、不安、PTSDなどの長期的な精神疾患にかかりやすくなったりする。
ヨガ、瞑想、意識的な呼吸、感覚との調和は、集中力を培い、ストレス反応に向き合い、不安を抑える手助けとなる。たとえば、ゆっくり呼吸をすると、思考は扁桃体の支配の外へ出て、より意識的で計画的な決定を下す前頭前野へと戻る。
アーサナも同様に効果的だ。いろいろな動きやポーズをとりながら体を動かしていくと、体に「落ち着いて」というシグナルを出す迷走神経が刺激されるのだ。
このようなリラックス反応を定期的に促していると、体内システムを流れるホルモンの洪水が収まってくる。消化機能のバランスがよくなり、心拍数や血圧が正常になる。マインドの働きが穏やかになり、感情が落ち着く。自分でもバランスがとれているのを感じる。
ここから、人生をもう少し楽に、バランスをもたらすポーズのシークエンスを紹介しよう。緊張していたりストレスを遠ざけたいとき、いつでも行ってみよう。体が落ち着くのに従って、自分のパワーも取り戻すことができるだろう。 

シークエンス

1.ウッタナーサナ(立位前屈)
ターダーサナ(山のポーズ)で立ち、足を腰幅に平行に開く。骨盤のところから体を前へ倒し、頭と腕をだらりと下げるか、逆側の前腕をつかむ。体の背面が緊張しているようなら、膝を少し曲げる。10呼吸ホールドする。  

ストレスを解消するシークエンスで不安を抑えよう
1.ウッタナーサナ(立位前屈)
photo by  Ian Spainer

2.椅子に座って行う首のストレッチ
しっかりとした椅子に背筋を伸ばして座る。右手で椅子の右側をつかみ、左腕をだらりと下げる。左の耳を左肩のほうへ下ろし、首を伸ばして、ストレス時に固まりやすい首の筋肉である胸鎖乳突筋をゆるめる。8呼吸ホールドする。反対側も行う。

ストレスを解消するシークエンスで不安を抑えよう
2.椅子に座って行う首のストレッチ
photo by  Ian Spainer

3.ウトゥカターサナ(椅子のポーズ)
山のポーズで立つ。かかとをしっかり床につけ、椅子に座るように膝を曲げる。体重を後ろにかけながら、体をできるかぎり床のほうへ下げて、つま先を見る。頭の先のほうへ腕を伸ばし、肩をゆるめて下げ、首のところにスペースをつくる。このポーズは、自分の力をありのままに感じながら座った姿勢をキープするため“パワフルなポーズ”としても知られている。このポーズがとれたら、マットの外でも同じようにできるはずだ。それを目指してポーズをキープ。8呼吸ホールドしよう。 

ストレスを解消するシークエンスで不安を抑えよう
3.ウトゥカターサナ(椅子のポーズ)
photo by  Ian Spainer

4.鳩のポーズ
四つん這いになる。左膝を左手首へ持っていく。左大腿をマットの縦のラインと平行に保ちながら、足先を少しだけ前へ動かし、右の骨盤のちょうど前にくるようにする。骨盤に余裕があれば、左足をマットの前部へと歩かせ、ストレッチを強める。腰を下げ、骨盤を真っすぐ床と平行に保つ。右の脚を後ろへできるだけ長く伸ばし、左のすねのほうへ体を倒す。10呼吸ホールドする。反対側も行う。 

ストレスを解消するシークエンスで不安を抑えよう
4.鳩のポーズ
photo by  Ian Spainer

5.セツバンダーサナ(橋のポーズ)
仰向けに寝て足を腰幅に平行に開き、足裏を床につける。腰を引き上げ、仙骨の下で手を組み、腕をマットに押し付ける。肩の緊張をゆるめ、背中上部が床の上で広がるのを感じる。2~5分ほどホールド。

ストレスを解消するシークエンスで不安を抑えよう
5.セツバンダーサナ(橋のポーズ)
photo by  Ian Spainer

6.スプタマッツェーンドラーサナ(仰向けで背骨をねじるポーズ)
橋のポーズから腰をマットに下ろし、少し右側へずらす。右すねを左大腿の上でクロスする。両膝を体の左側へ下ろす。肩は床につけておく。8呼吸ホールドする。反対側も行う。

ストレスを解消するシークエンスで不安を抑えよう
6.スプタマッツェーンドラーサナ(仰向けで背骨をねじるポーズ)
photo by  Ian Spainer

7.シャヴァーサナ(亡骸のポーズ)
仰向けに寝て目を閉じる。脚を伸ばし、足を外側へ倒す。腕はリラックスして体側におき、手のひらを上に向ける。筋肉の緊張をすべてゆるめる。このポジションで5~20分休む。

ストレスを解消するシークエンスで不安を抑えよう
7.シャヴァーサナ(亡骸のポーズ)
photo by  Ian Spainer

すばやく緊張を解く2つのパワフルなプラクティス

気分を一新しリセットしたいとき、このシンプルなプラクティスをやってみよう。

シェイキング・メディテーション

車の事故などの恐ろしい体験をした後、体が震えているのに気づいたことがあるだろう。これはストレスをゆるめ、大量に分泌されるコルチゾールを抑えようとする体の自然な反応だ。これを意図的にやってみよう。足を肩幅に開いてマットの先端に立ち、体を自由にシェイクしてみよう。膝から始め、腕から頭へと体全体を気持ちよくシェイクしていくのが私のお気に入りだ。1~3分ほどやってみよう。

ストレスを解消するシークエンスで不安を抑えよう
シェイキング・メディテーション
photo by  Ian Spainer  

5カウントの呼吸

これは、ネイビーシールズ(訳注 : アメリカ海軍の特殊部隊)が危機的な状況でも落ち着いているために指導されるテクニックだ。楽な姿勢で座るか、仰向けに寝る。目線を下げるか目を閉じて、息を5カウント吸い、5カウント止め、5カウント吐く。10ラウンドまでやってみよう。 

指導&モデル●アレクサ・シルヴァジオ
ヨガインストラクター、ウェルネス起業家、ポッドキャストのホスト。ロサンゼルス在住。2005年からヨガのプラクティスを続け、2013年より指導している。詳しくはこちらへ。alexasilvaggio.com

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by Alexa Silvaggio
photos by Ian Spainer
translation by YUKO
yoga Journal日本版Vol.76掲載

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