ルッキズムと「美しくありたいと思うこと」は何が違う?ルッキズムを脱却するために知っておきたいこと

 ルッキズムと「美しくありたいと思うこと」は何が違う?ルッキズムを脱却するために知っておきたいこと
Photo by Huha Inc. on Unsplash

ボディポジティブが日本でもムーブメントになりつつあるのは、見た目重視や痩せた体型こそ「正解」とする「ルッキズム(外見にもとづく差別)」文化への反発でもあります。自分も美しくありたいことと、世間でいうルッキズムの違いについてご紹介します。

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ルッキズムとは

必要以上に容姿をその人の評価と結びつけるルッキズム(外見にもとづく差別)は、若年層への摂食障害やいじめにつながる悪しき習慣で、問題視されることが増えてきました。
ルッキズムは社会で強い影響力を持ち、「魅力的」とされる人は労働市場で良い待遇を得たり、特定の職種で優遇されることが調査され論じられています。

ルッキズムは、画一的な規範を良しとするため、マイノリティ属性に対する差別───人種差別、性差別、ホモフォビア(同性愛嫌悪)、トランス差別、年齢差別、障がい者差別───と交差することもあり、世界各地の企業や行政が「リスク」として真剣に取り組んでいます。
広告によるコンプレックス商法を規制するプラットフォームや、過度な修正をモデルに施した広告の禁止法などが世界的に進みつつあります。

美容インフルエンサーで美容ブランドを持つフーダ・カタンは、行き過ぎた画像修正で「理想の美」を作る滑稽さを表した動画で「不完全でもありのままの美の尊さ」を伝えました。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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アスリートに対して、メディアがスポーツの実績よりも「美しすぎる」などの表現で容姿について言及することが問題視されるようになってきました。
美しいことは素晴らしいことで「強み」になりますが、外見だけを見て本来の評価がされないこともルッキズムの弊害のひとつです。さらに、アスリートの女性の場合、性的な視線に晒されることに声をあげる動きも出てきました。

2021年の東京オリンピックでは、ドイツの女子体操選手が露出度の高いレオタードではなくボディースーツ着用し「性的対象に見られること」に抗議の姿勢を表明しました。そして、体操のアスリートとして能力を発揮することに露出度の高い服装は必要ではないことを証明しました。

ルッキズムへの危機意識は年々高まり、欧米を起点にありのままの身体を受け入れようという「ボディポジティブ」や「ボディニュートラル」といった概念が活発に議論され重要視されてきています。

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中間じゅん

中間じゅん

イベントプロデュースや映像制作を経て、ITベンチャーに。新規事業のコンセプト策定から担当。テクノロジーとクリエイティブをかけ合わせた多様なプロジェクトの設計に参画。社会課題やジェンダーの執筆活動を行う。



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