世界で広がる「ボディポジティブ」と「ボディニュートラル」その違いは?海外ブランドの広告表現に学ぶ

 世界で広がる「ボディポジティブ」と「ボディニュートラル」その違いは?海外ブランドの広告表現に学ぶ
Photo by Huha Inc. on Unsplash

「ボディポジティブ」という考え方の他、近年「ボディニュートラル」という考え方も広がりつつあります。その違いなどについて紹介します。

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多くのブランドが取り入れる「ボディポジティブ」

ボディポジティブとは、社会や他の人から理想的な体型や、外見を定義されて、どのように見ているかに関わらず、誰もがポジティブなボディイメージを持つべきだというムーブメントです。

元々のルーツは、アメリカで始まった1960年代後半からはじまったファット・アクセプタンスという、太った体型の人が直面している差別に抗議するムーブメントからきています。

2010年代前半以降、広告などで表現される「非現実的な女性の美の基準」に抗議するムーブメントになりました。ボディポジティブの人気が高まるにつれ、「すべての身体は美しい 」というメッセージへと変化していきました。体型に始まり、体毛などについても言及しています。

InstagramなどのSNSで盛り上がり、近年はざまざまなメディアや企業がボディポジティブな取り組みをはじめています。

キム・カーダシアンの快適な下着ブランドSKIMSでも多様な体型のモデルが登場しています。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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女性向けカミソリメーカーのBillieは、#ProjectBodyHairキャンペーンでカミソリの広告ではじめて体毛のある女性を登場させて、女性は体毛を処理しなければいけないという固定概念に疑問を投げかけて話題になりました。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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シアトルのブランドTomboyXは、サイズや性別に関係なく、どんな人でも快適に過ごせる下着として作られています。
ジェンダーニュートラルはZ世代を中心に支持されています。製品や広告に性別の表現がないほうが、身体をポジティブに受け入れられる人が増えてきているためです。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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男性や他人の視点を意識して、着心地の良くない下着で無理に「セクシー」になったり、体毛を処理するのではなく、自分自身が快適で楽しくいられることが重視されています。 

ボディポジティブが疲れる人には「ボディニュートラル」

「ボディポジティブ」ムーブメントは、見た目に関わらず自分の身体を愛することを推奨していますが、「ボディニュートラル」は、見た目よりも"自分の身体でできること"に焦点を当てた考え方です。

例えば「移動できる足に感謝」とか「愛する人を抱きしめることができる腕に感謝」といった感じです。
ボディニュートラルは、自分の身体に満足した、ポジティブに捉えられなくても、自分の身体をあるがままに受け入れ大切にしています。

アーティストのLizzo(リゾ)は、ボディニュートラルを提唱しています。

 

ボディニュートラルの実践は、自分の身体をどう思っているのかを自分に問いかけて、自分にとって大切なものを確認することといわれています。

自分なりの価値観が見つけられたら、そこに向かうために、自分の身体が何をしてくれるのか気づくことが実践につながるそうです。

あなたの体はあなただけのもの

体型を出さないビッグシルエットのTシャツやジャケット姿がトレードマークのビリー・アイリッシュが、British Vogueで披露したセクシーな姿は大きな話題となりました。

あえて体型を隠すことも、セクシーに装うことも本人の自由で、肌を見せていても人間として敬意を表そうというメッセージでした。

 

イギリスのMental Health Foundationの2019年の調査で、自分の身体に不満を抱えることは、メンタルヘルスへの影響があるという結果が出ています。成人の3分の1強が、身体イメージのために不安(34%)または抑うつ(35%)を感じたことがあるという結果が出ました。

夏が近づくと「理想的な身体」というプレッシャーを感じたり自分の身体に満足できないこともありますが、自分の価値は見た目で決まるものではないということがこれまであげたブランドやアーティストのメッセージから伝わってきます。

痩せたい人も、ありのままでいたい人も、自分のボディイメージを受け入れて「ボディポジティブ」と「ボディニュートラル」の好きな方を取り入れてみてください。

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AUTHOR

中間じゅん

中間じゅん

イベントプロデュースや映像制作を経て、ITベンチャーに。新規事業のコンセプト策定から担当。テクノロジーとクリエイティブをかけ合わせた多様なプロジェクトの設計に参画。社会課題やジェンダーの執筆活動を行う。



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