「毛を剃らないなんて"女として"ありえない」SNS中傷に思う息苦しさの理由

 「毛を剃らないなんて"女として"ありえない」SNS中傷に思う息苦しさの理由
Miho Fujii
藤井美穂
藤井美穂
2020-08-10

アメリカで女優やプラスサイズモデルとして活動する藤井美穂さん。日本では自分を否定し続けていた彼女が、英語も話せぬまま飛び込んだ街で出会ったのが「ボディポジティブ」という考えでした。この連載では、藤井美穂さんがアメリカ生活を通して学んだボディポジティブ精神とそこから得た自身と周囲の変化などを伝えます。

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体毛を処理しない女性はなぜ日本で批判されるのか

私はロサンゼルスに住んでいます。ロサンゼルスには色んな人種や文化背景を持った人がいて、常識が日本と全然違うこともあります。

日本では女性はあらゆる体の毛を処理することが普通とされていて、私も長年毛を剃る生活を日本で送っていましたが、ロサンゼルスでは腕や脚の毛を剃らない人が結構いるのに気が付きました。

近年では脇毛も剃らないのがトレンドのようになってきて、脇毛を生やしている女性も見かけるようになりました。

私はめんどくさがりだし、肌が焼けやすい体質で肌が黒くて毛が目立たないのもあり、毛を剃らないことはすぐに普通になりました。

改めて日本に向けて情報を発信するときに、関係のない私の体毛についてつっこんで来る人の数の多さに驚きました。

「女としてありえない」

「女は毛を剃らなければ愛されないと思え」

まず”女として”という言葉に違和感があります。ロサンゼルスではそんな風に他人から「女だから」という理由付けで何かを言われることがなかったことにも気がつきました。

“女だからこうしなければいけない”という性別役割自体がまず否定されなければならないことだからです。

この人たちがいう”女”はなんの根拠もないステレオタイプにすぎないからです。本当は、女とはただの性別にすぎず、現実の女はそれぞれが違う一人の人間です。

日本にいた時は気付きませんでしたが、日本ではモテの文化が非常に強く信じられていて、女性は愛されないといけない、愛されるためには努力しなければいけないというプレッシャーを強く感じます。

日本で暮らした20年の間ずっと苦しかった理由

でも人間にとって多くの人に愛されることだけが幸せなのでしょうか?

私はそうは感じていません。私は数少ない好きな人に愛されることこそが恋愛においては大切なことと考えています。

かつ愛されるとは受動的な言葉で、他人からの評価が元になります。

私は他人からの評価を基準にすると、他人から評価を得られなくなったときに落ち込んでしまい、そこから這い上がるのが難しくなってしまうのです。なぜなら、他人の評価を自分でコントロールすることはできないからです。

自分が好きであること、自分が自分のなりたい自分でいられるかどうかを基準に考えると、自らのコントロールで、生きることができます。

日本での20年間、私はその目線が圧倒的に欠けてしまって幸せに生きることができなかったと感じています。

“他人が好いてくれないから、自分には価値がない”そんな頭の中のナレーションが鏡に映った自分を否定して、自分らしさも、自己肯定感も育たずに枯れてしまっていました。

あなたはあなたのために、自分の満足のために自らの体をケアしていいのです。

あなたの体はあなたのものです。誰かがなにかをあなたに言ってきても、本当はそれを受け入れるかを決めるのはあなた次第なのです。

毛を剃っても、剃らなくても、1番大事にして欲しいのはあなたの声です。

あなたが心地いいように、やりたいようにするべき。他人の声にコントロールされる必要はありません。

誰かが言う、”美しい女性がやっている努力”をする必要もありません。「それをやらなければ愛されない」とはただの商品を売るための脅し文句です。

“愛される”なんて言葉は幻にすぎません。あなたの好みのタイプとあなたの友達の好みのタイプは違うように、愛されるタイプなんて存在しないんです。

ありのままのあなたを愛する人はかならずこの世のどこかにいるし、あなた自身を愛せるあなたはとても魅力的だと思います。

それこそが人を輝かせるのだと私は信じています。

ライター/藤井美穂

女優、コメディアン、プラスサイズモデル。 ハリウッドで国際派女優を目指し奮闘中。その傍ら、プラスサイズモデルとして、インスタグラムでインフルエンサー活動も行っている。インスタグラムは現在7万人のフォロワーが、twitterには2万人のフォロワーがいる。

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