あなたは誰かを外見で"差別"していないか?ルッキズムの罪|女優・藤井美穂のボディポジティブ論
コンプレックスを武器に変えて、アメリカでたくましく生きる女性がいます。女優やプラスサイズモデルとして活動する藤井美穂さん。日本では自分を否定し続けていた彼女が、英語も話せぬまま飛び込んだ街で出会ったのが「ボディポジティブ」という考えでした。この連載では、藤井美穂さんがアメリカ生活を通して学んだボディポジティブ精神とそこから得た自身と周囲の変化などを伝えます。
あなたは誰かに対してルッキズム(外見による差別)をしていないか
今回は自分の見た目の付き合い方と深く関わるルッキズムについてお話したいと思います。ルッキズムとは仕事や学校など、多くの人と人が関わるシチュエーションで、人の外見で物事を評価することをいいます。見た目が良い方が就職の書類選考に受かりやすいという実験を見たことがあります。日本ではまだルッキズムが根強く残っている場面もあるように見受けられます(ちなみにアメリカではルッキズムにはかなり気をつけるようになっていて、履歴書には写真を載せることは法律で禁止されています)。誰もが職場やクラスルームなどで他人から顔や体について言われて、それを気にしたり引きずったりした経験があるのではないでしょうか。
今回はルッキズムをされたときどうするか、また、自分が誰かに対してルッキズムをしないための方法を教えたいと思います。
たとえ褒め言葉であったとしても
基本的にルッキズムの観点では、仕事や学校などの場所で人の見た目について言うこと自体がNGです。褒め言葉でもダメです。褒めてるのだから良いと思うかもしれないのですが、例えば「足が細いね」「胸が大きいね」など本人はそれを良いと思っているかわかりませんし、品定めされてるようで不快に思う人もいます。
私たちの体は簡単に変えられるものではありません。そのあなたの何気ない一言が相手の自尊心を傷つけ、摂食障害や醜形恐怖症の引き金を引いてしまうこともあります。
ボディポジティブが唱えるように、人にはそれぞれ美しさがあり、それは他人がジャッジするべきではありません。なので、それを仕事や他人がいるところに持ち込まないことは大事です。
でも会話の潤滑のために人を褒めたりすることも大切ですよね。そういうときは相手の「選択」を褒めるのです。服や鞄、アクセサリーのチョイス、髪型、メイクそれらはこの人が付けようと決めて身につけたものですから、選択です。アメリカではこれは結構普通のことで、街中で知らない人が突然私の衣服を褒めてくれることもあります。自分の選択を褒められるのは嬉しいです。
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