女性だけではなく男性のボディイメージにも影響|ボディポジティブがもたらす社会的な変容とは

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女性だけではなく男性のボディイメージにも影響|ボディポジティブがもたらす社会的な変容とは

ボディポジティブは、ひとりひとりがありのままの美を受け入れる素晴らしいムーブメントです。 2010年代以降、ボディポジティブが広がったことで世の中に蔓延していたボディネガティブな慣習がどんどんなくなりつつあります。SNSで「いいね」をもらうために実際の顔や身体と異なって見える加工をしたり、フィルター加工された顔や身体と自分を見比べて落ち込んだり。 「それって本当に楽しいことなんだっけ?」と皆の目が覚めてきたのかもしれません。

企業や政府がボディネガティブに「NO」

ソーシャルメディア・プラットフォームのPinterestは、「過度にダイエットを促す広告は、ユーザーのウェルビーイングに影響を与える」として、そのような広告は取り扱わないことを発表しました。ボディイメージがメンタルヘルスに与える影響が社会問題となっており、PinterestやInstagramなどでは、摂食障害に関連するキーワードで検索しても代替の情報が出るようにしています。

 

ノルウェーでは2021年6月に、マーケティング法の修正条項に、インフルエンサーが自身で修正した写真を、加工していることを明言せず投稿することを禁止する法律を施行することを発表しました。この動きは、SNSプラットフォームが若者のメンタルヘルスへの悪影響を問題視する政府が施行に踏み切りました。

日本では、ガイドラインが整備されていないので、厳密な対応をするのはまだ難しい状況ですが、これから海外の流れを受けて変化してくる兆しがあります。

ありのままを誇る姿

今や、ほとんどの人がSNSの画像が加工されていることを認識していますが、一方で、世界的にボディポジティブムーブメントが盛り上がっています。2015年以降はボディ・ニュートラル(またはボディ・ニュートラリティ)というポジティブでなくてもあるがままの姿を受け入れるムーブメントも起きています。いずれも、自分の価値を無理な理想に合わせた見た目ではなく、加工しないありのままの姿を誇る姿勢が支持されています。

人気ファッションチェーンZARAは、プラスサイズモデルのパロマ・エルセッサーを2021/2022年秋冬シーズンの顔として抜擢しました。彼女はすでに有名なファッション誌(ELLEやGlamourなど)の表紙を飾り、NikeやリアーナのブランドFenty Beauty活躍しています。世界的なブランドが多様な美を認め、世界に提示していることを表しています。

 

難病の全身性エリテマトーデスで闘病しているセレーナ・ゴメスは、腎臓移植手術を受けた傷跡を隠すことなくInstagramで公開しました。苦難を乗り越えた証として誇りに思っているとコメントしています。

 

プラスサイズの人が排除されがちだったタトゥーの業界で、タトゥーアーティストのCarrie Metz-Caporussoは、プラスサイズの身体を彩るタトゥーで多様な身体の美しさを表現しています。

タトゥーはファッションだけに留まらず自分自身の身体を誇るためのものですが、歴史的に白人の男性の文化として発展してきたため、プラスサイズの女性に合った表現が模索されてきませんでした。

Carrie Metz-Caporussoがプラスサイズの女性に施した「ロールフラワータトゥー」は大きな反響を呼び、数多くのメディアで取り上げられました。

 

ボディポジティブは男性自身のボディイメージにも変容をもたらす

俳優のジョナ・ヒルは、サーフィン姿をパパラッチされて揶揄されたことに対し、「30代半ばになるまでプールでシャツを脱いだことがなかった」と抗議のコメントをして、男性にとってもボディポジティブが重要であることを問題提起しました。

その後、「Body Love」のタトゥーを入れた姿をInstagramで披露し、男性がボディ・ポジティブについて語り始めることを先駆けて実践しています。

 

また、摂食障害は女性だけの病だと思われがちですが、女性だけではなく、男性の問題としても存在していることに目が向けられてきています。歌手のエド・シーランは過食症のエピソードについて語り、英国の俳優クリストファー・エクルストンは食欲不振に悩まされた過去を語りました。

不安のなくなる時代へ

Dove社のSelf-Esteem Projectでの調査によると、13歳以下の少女の80%がネット上で自分の容姿をアプリのレタッチやフィルターなどで加工しているという調査結果が出ています。「完璧な自撮り」を投稿しなければならないというプレッシャーは、若い世代の女性たちの自尊心や自信を傷つけています。

「ありのままの美」を認めて受け入れるように一人一人が声を上げて、声を上げた人に共感することは、自分たちだけではなく若い世代へも良い変化を促します。

また、多くの人にとって身体は年齢を経て変わっていくため、ボディポジティブ(またはボディニュートラル)は一生終わらない旅を手助けする重要な視点になります。

自分の身体との関係を学び、成長し、発展させることは、常に変化する身体を前向きに捉えることができるようになります。「ありのままの美」はあらゆるジェンダーや年齢の人にとって重要な課題であることが社会が認識されはじめ企業や政府も変化しているのです。

AUTHOR

中間じゅん

中間じゅん

イベントプロデュースや映像制作を経て、ITベンチャーに。新規事業のコンセプト策定から担当。テクノロジーとクリエイティブをかけ合わせた多様なプロジェクトの設計に参画。社会課題やジェンダーの執筆活動を行う。

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