「病気だからって、悲しいことだけじゃない」ヘアターバンデザイナー宮井典子さんインタビュー【前編】
両親を助けられなかった私が誰かの役に立つなら
――病気を患っているからできない、ではなく、病気があってもできることをという考えに常にスイッチしている感じでしょうか。
宮井さん:そうですね。一般的には病気の人は弱い存在、支えるべきもの、助けるべき対象の人。もちろんそれは正しいし、助けを必要としている人もたくさんいます。私もサポートしていただいて助かってることが多いですが、当事者が望んでいるか否かにもよると思います。
病気だからって悲しいことだけじゃないよということは伝えたいです。今、私たちのような難病患者の働き方というのはすごく難しくて、悩まれている方も少なくありません。私が患っている病気は若い世代にも多く学校に行けない、働けない、結婚、妊娠、出産など将来について不安を抱えている方もいらっしゃいます。
そんな方々に、私はこんな働き方、生き方もできるんだよと伝えていきたい。父と母を助けられなかった私だけど誰かの役に立ちたい。今は、その思いが強いです。病気や私生活を切り売りしている感覚は一切なくて、誰かの役に立つなら発信し続けていきたいなと思っています。
子どものときに憧れていた劇の主役という夢を違う形で実現できる喜びもあるし、それが社会と誰かの役に立っているならさらに嬉しい。そういった感覚がなかったら、ポジティブでいられないかもしれないなとも思うんです。皆さんにフィードバックをいただいていることが、私の今の活動の支えだと思います。
Profile:宮井典子さん
ヘアターバンデザイナー、ピラティスインストラクター。37歳のときに膠原病予備軍と診断される。38歳で結婚し、39歳で妊娠、出産。産後4カ月で仕事復帰し、ピラティスのインストラクターとして精力的に活動。45歳のときにSLE、シェーグレン症候群を発症。現在は、病気や薬の副作用による髪の悩みに特化したヘアターバンをデザイン、販売している。
Twitter:@Noriko_Miyai
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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