【1,209名の研究結果が示唆】食べ物が「心の健康」を害する？ファーストフードと精神的苦痛の関係

体に良い食べ物を摂取することは、見た目にも影響することは言うまでもありません。実際、トレーナーは皆、体格を良くするためには、運動よりも良い栄養を摂り続けることの方が重要だと述べるでしょう。さらに、ニューヨークのビンガムトン大学で行われた研究によると、健康的な食事は、特に女性の精神的な健康を増進させるということがわかってきました。

この研究は、30歳以上の成人を対象にしたもので、食生活と精神的健康に関する大規模な研究の一環として行われました。なぜそのような基準を設けたのでしょうか？脳は通常、20代半ば〜後半にかけて発達するため、食事の選択が脳の活動に与える影響は、24歳と34歳では異なると考えられるからです。

研究者たちは、男性329名、女性880名の計1,209名の参加者のデータを分析しました。

この調査では、食品群と精神的健康に関連する部分を「Food-Mood Questionnaire（フードムード調査）」と呼び、脳の働きに影響を与えることが知られている食品群の1週間の摂取量を調べました。これらの食品群には、全粒穀物、果物、葉物野菜、肉、豆類、ナッツ類、乳製品、魚、そして血糖値を急激に上昇させる高GI値の食品が含まれています。

また、朝食の頻度、運動の頻度、マルチビタミンや魚油のサプリメントを利用しているかどうか、ファーストフードの消費量、カフェインの摂取量などの生活習慣についても調査しました。今回の調査では、「運動」とは20分以上の運動を意味しています。これは、過去の研究で、1日20分の運動が精神的な幸福度を高めることがわかっているからです。

あなたはあなたの食べたものできている

今回の研究では、食事と運動の両方が参加者の精神的な幸福度に影響を与えており、特に女性の場合はその傾向が顕著でした。具体的には以下の通りです。

・女性では、ファーストフードの摂取が精神的苦痛と関連していた。
・カフェインと高脂肪食品は精神的苦痛と関連していたが、ファーストフードに比べると関連性は低かった。
・果物、色の濃い葉物野菜、魚を含む朝食を規則的に食べることは精神的苦痛を軽減し、精神的幸福度の向上につながった。
・運動は、ファーストフード、カフェイン、高脂肪食品が女性の精神的苦痛に与える悪影響を軽減し、健康的な食習慣が与えるプラスの影響を高めた。

この調査結果に驚くことはないかもしれませんが、食べるものが気持ちに影響するという考えを裏付ける証拠が増えました。また、良質な朝食には利点があり、運動は心の健康に大きな影響を与えることも示唆されています。

ビンガムトン大学の健康・福祉学の助教授であるリナ・バーダッチ氏は、「健康的な食事、健康的な食生活、運動と精神的な幸福の間には、一般的な関係があることがわかった」と述べています。また、このデータは、女性が男性よりも不健康な食事をしやすいことを示唆していると言います。

葉物野菜、果物、赤身の肉、魚などを使ったバランスのよい食事を心がけることが大切です。

「ファーストフード、朝食抜き、カフェイン、血糖値を上げやすい食事は、いずれも成人女性の精神的苦痛と関連しています」とバーダッチ氏は述べます。「果物と色の濃い葉物野菜の摂取は、精神的な幸福感につながります。また、この研究から得られた追加情報として、運動は高GI食品とファーストフードによる精神的苦痛との負の関連性を大幅に減少させました」。

教えてくれたのは…ローズ・マクナルティさん
ローズ・マクナルティさんは、ライター兼エディターであり、NASM認定パーソナルトレーナーでもある。健康、ライフスタイル、フィットネス、ウェルネスに関する記事、ブログ、SNSのコンテンツの執筆・編集にも豊富な経験を持つ。

ヨガジャーナルアメリカ版／「Is Your Diet Harming Your Mental Well-Being?」