ピーマンは栄養豊富な野菜のひとつです。
代表的なビタミンAの他にも、ビタミンC(レモンの1.5~2倍)、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンPなども豊富に含まれ、食物繊維はセロリの約1.5倍、β-カロテン、鉄やカルシウムなどのミネラルも豊富に含まれています。
また、ビタミン(水溶性)は水や加熱により減少しますが、ピーマンのビタミンCは加熱による影響を受けにくく、油で調理をすればビタミンAの吸収率も高まるため、加熱調理に向いている野菜と言えるでしょう。
そして、ピーマンの種にも多くの栄養が含まれています。中でもカリウムが豊富に含まれており、カリウムは利尿作用やむくみ解消、足のつりや筋肉のけいれんの予防、体内の余分な塩分を排出する助けをしてくれます。また、ピーマンのワタにはピーマンの香り成分でもあるピラジンと呼ばれる栄養が豊富で、精神安定や血行促進に役立ち、基礎代謝が落ちる夏や血液サラサラの手助けをしてくれます。※種は食物繊維も多い分消化に時間がかかりますので、食べ過ぎや体質に合わない場合はお気をつけください。
ピーマンのヘタの部分を包丁でカットしていませんか。手を使うと、種やワタを残してヘタの部分だけを綺麗に取り除くことができます。
1.ピーマンを半分にカットする
2.ヘタの部分を親指と人差し指で押さえ、内側にパキっと折る
ヘタのついている上の部分だけを軽く押さえて取ると、種やワタの部分を残して綺麗に取ることができます。※収穫して時間の経った種は黒くなっている場合があります。食べても問題はありませんが、できるだけ白い新鮮な種の調理をおすすめします。
苦いピーマンと苦くないピーマン、実は切り方でも苦味が変わってきます。野菜には繊維というものがあり、繊維に沿って包丁を入れるとスムーズに切れ、苦味や辛味などの雑味があまり出ません。
ピーマンの繊維は縦方向にあります。ヘタと先端に包丁を縦に入れると繊維に沿ってカットできるため、ピーマン特有の苦みが出にくくなります。逆に輪切りのように繊維に逆らってピーマンを横に切ると、繊維が壊れ苦味が出やすくなります。※ただし、在来種に近い品種改良の少ないピーマンなどは、「味の濃い野菜」として野菜本来の苦味があり、栄養価の高い、ピーマン本来の苦味(旨味)のあるピーマンも多くあります。
ピーマンは見た目で鮮度が比較的わかりやすい野菜です。お店で購入する際は、ツヤと張りのあるピーマンを選びましょう。ハリのあるピーマンは軽く触れても表面がへこまず、包丁を入れてもパリッとして瑞々しく、味もしっかりしています。中の種も白く食べやすいのが特徴です。収穫から時間が経ってしまったハリのないピーマンは、少ししおれて包丁を入れてもしなっとしています。種も黒褐色になっているものも多く、比較的固く、調理しても口に残ることがあります。
調理方法によっては、種やワタが気になる場合があります。気にならない調理方法をいくつかご紹介します。
・揚げ物…天麩羅や素揚げ、揚げ浸しなどの揚げ物は、種やワタをつけたままこんがり揚げることで種やワタがパリパリになります。香ばしさも増し、より美味しくお召し上がりいただけます。
・具たくさんスープ…野菜や雑穀のたくさん入ったスープは種の粒粒が気にならなくなります。
・ピーマンの肉詰め…ピーマンに詰めるお肉に混ぜて調理すれば入っていることにすら気づきません。
・チャーハンやピラフ…お米と一緒に混ぜることで、種やワタの食感が気にならなくなります。
ピーマンの種の食感が気にならない方は、ヘタも取らずに丸ごと煮びたしにするのもおすすめです。また、種やワタを調理することで、可食部以外のゴミがとても少なくなります。環境に配慮した野菜の剥き方としても是非お試しください。