骨盤底筋(群)は骨盤の底にある穴(骨盤腔)をふさぐようについている複数の筋肉の総称です。子宮や膀胱、直腸など内臓を下から支えるだけでなく、排尿・排便コントロール、腹圧を高めるのを補助する働き、姿勢の維持にも関わる重要な役割を持っています。
・妊娠・出産(経腟分娩)
・加齢
・姿勢の悪さ
・運動不足
・肥満
などが考えられます。
女性の場合、出産時に骨盤底筋が大きく引き伸ばされたり、ダメージが加わったりすることで産後は緩みやすくなります。また加齢によって女性ホルモンが減少すると、それに伴い筋肉量も減少するため、骨盤底筋にも影響が出ます。
これらの原因によって骨盤底筋がゆるむことで生じる代表的な症状が「尿漏れ」です。これは骨盤底筋のひとつである尿道括約筋のゆるみによって起こります。
日本泌尿器科学会によれば、骨盤底筋のゆるみによる尿漏れは腹圧性尿失禁と呼ばれ、女性の尿失禁の中で最も多く、週1回以上経験している女性は500万人以上といわれています。
その他の悪影響として、膀胱や子宮などが腟から出てきてしまう骨盤臓器脱が挙げられます。出産経験後、年を重ねてからと考えず、20~30代から知識を持ち、鍛えながら予防することが必要とされます。
単独では鍛えることが難しいとされる骨盤底筋。連携する筋肉を動かすことで一緒に鍛えることが出来るとされています。
今回は内もも(内転筋群)、お尻(大殿筋下部)、そして呼吸を使うことによって鍛える時短トレーニング法をご紹介します。
① 膝立ちになる。(膝が痛くなりやすい人は、マットやバスタオルを敷く)
② 膝の間を肩幅よりも少し広めにして、足は内側にして親指同士をくっつける
③ 脚の付け根から外まわしにするイメージをしながら、お尻の下をキュッと締める
④ お尻が飛び出したり、お腹が飛び出たりしないように、恥骨を前に押し出しながらお腹を上に引き上げる
⑤ 両手を脚の付け根に当て、一度息を吸って、吐きながら膝同士を寄せる意識で内ももを締める
⑥ 今度は息を吸ってお尻を後ろに引き、吐くタイミングで内ももを寄せながら伸びながら上に戻る
⑦ 安定していれば、お尻を後ろに引いたときに両手をななめ上に上げ、伸びたときに腕を後ろに引く
⑧ 10回から20回繰り返す